カンガルーを学ぶ!お腹の袋のヒミツと驚きの生態

カンガルーを学ぶ!お腹の袋のヒミツと驚きの生態

オーストラリアを代表する動物、カンガルー!!ピョンピョン跳ねる姿や、お腹のポケットから顔を覗かせる赤ちゃんの姿を思い浮かべる方も多いと思います。

でも皆さんは、あの「ポケット」の中身、ちゃんと知っていますか?

この記事では、カンガルーの育児スタイルや体の仕組みなど、カンガルーの驚きの生態について解説します!

生態①:カンガルーのユニークな育児!ポケットの中身は?

お腹のポケットの中には乳首が4つ!

まずは、気になるお腹のポケットの中身から見ていきましょう。

あのポケットは「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれ、ただの袋ではありません。赤ちゃんカンガルーを育てるための大事な器官で、中には4つの乳首が隠されているんです!

赤ちゃんカンガルーは、この乳首から母親のお乳をもらいすくすくと成長していきます。

人間とは全く違う妊娠・出産スタイル

私たち人間をはじめ、犬、牛、ゾウなど、多くの哺乳類は「有胎盤類」に分類されます。
これは、胎盤を通じてお腹の中でしっかり赤ちゃんを育ててから出産するタイプのことで、特に人間や牛は妊娠期間が約10ヶ月と長めです。

一方のカンガルーは「有袋類」と呼ばれ、胎盤がなく、妊娠期間は約1ヶ月と短いのが特徴です。

お腹が大きなワラビー

さらに驚くべきは、生まれたばかりの赤ちゃんカンガルーのサイズ。

・体長:たったの2cm
・体重:わずか1g(1円玉1枚分)

毛は生えておらず、目も皮膚の下に黒い点があるだけ。ほとんど何も見えない状態で生まれてきます。

そんな小さな赤ちゃんですが、生まれてすぐに大仕事が待ち受けています。本能的な方向感覚と嗅覚だけを頼りに、母親のお腹をよじ登って真っ先に育児嚢へ向かうのです。時間にしてわずか3分。

イモムシのように這いながら必死にたどり着いた袋の中で、今度は約8ヶ月かけて成長していきます。

8ヶ月かけて独立していく赤ちゃんカンガルー

カンガルーの育児スケジュールは、こんな感じで進んでいきます。

生後3〜4ヶ月:
すべての時間を育児嚢の中で過ごし、母親のお乳から栄養をとって成長する時期。排泄も育児嚢の中でするため、母親はポケットの中を舐めて掃除することで清潔に保ちます。

生後4ヶ月半〜半年:
やっとカンガルーらしい体つきへ。この頃から顔をポケットから出すようになります。外部の環境に少しずつ慣れていきながらも、引き続き母親のお乳を飲んで栄養を取ります。

ポケットの中から顔を覗かせる子カンガルー

生後8ヶ月〜:
育児嚢から出たり入ったりを繰り返しながら、徐々に独立へ。

有袋類は弱く未熟な状態で生まれるものの、妊娠期間が短いぶん死産のリスクが少ないというメリットがあります!これはカンガルーなりの生存戦略なのだと思います。

生態②:カンガルーは筋肉ムキムキ!?

皆さんはカンガルーの筋肉をじっくり見たことはありますか?
実は彼ら、かなりの筋肉質。特にオスはムキムキなんです!

実はムキムキボディーのカンガルーたち

ムキムキボディの秘密は、メスをめぐるオス同士の激しい戦いにあります。カンガルー界では、発情したメスと最初に交尾できるのは一番強いオス。そのため、オス同士はNo.1になるべく本気の殴り合いやキックで競い合うのです。

そのキック力は凄まじく、人間なら内臓破裂しかねないほどとも言われています。

さらに、メスの発情期には特定の時期がなく頻繁に発情するため、オスの戦いは日常茶飯事。つまり、戦士のように体が自然と鍛え上げられていくわけなんです。

生態③:脅威の跳躍力!最大時速は50キロ

カンガルーの筋肉ですが、闘うためにあるわけではありません。ジャンプで移動するためにも欠かせない筋力!

飛び跳ねて移動する唯一の大型動物

実は、カンガルーは飛び跳ねて移動する唯一の大型動物です。

飛び跳ねて移動

特に後ろ脚と尻尾の筋肉が大きく発達しているのが特徴で、最大種のアカカンガルーともなると、一回のジャンプで8メートルを跳ぶ脅威のジャンプ力!連続して跳ぶことで、時速50キロの速さで移動できると言われています。

バネのようなアキレス腱

後ろ足でジャンプ

走る時は前足は浮かせたまま、後ろ足の2本で勢いよくジャンプします。
後ろ足の筋肉とアキレス腱がバネのように働くことで、少ないエネルギーで遠くまで跳ぶことができるんですよ!

ただし、左右同じ動きしかできないため、飛び蹴りをする時も実は両足を綺麗に揃えた動きをしています。

生態④:太い尻尾は「5本目の脚」!

カンガルーといえば、太い尻尾も見逃せません!

彼らの尻尾は、ただの飾りだと思っていませんか?実はこの尻尾、5本目の脚として重要な役割を果たしているんです。

全体重を支えられるパワフルな尻尾

尻尾にはしっかりと筋肉が付いており、4本足で動く際には5本目の足のように使われます。

足より太い尻尾

驚くべきは、尻尾だけでカンガルーの全体重を支えて持ち上げられるほどの力があること。オス同士の戦いでは、尻尾で体を支えながら両足を上げて強烈なキックを繰り出すんだとか。。。

オーストラリアの国章にカンガルーが選ばれたワケ

ちなみに…尻尾が長いため、カンガルーは後ろ向きに歩いたり飛び跳ねたりすることはできません。これはオーストラリアの国章にカンガルーの絵柄が選ばれている理由の一つ。カンガルーの特徴になぞらえて、常に前進し続ける国を表しているそうですよ!

オーストラリア連邦の国章(ソーダカン, Public domain, via Wikimedia Commons)

カンガルーの種類

ここまでカンガルーの一般的な生態を見てきました。

実はカンガルーって細かく分類されていて、その種類はなんと50種類以上!ここではカンガルーの仲間たちを少しだけご紹介します。

アカカンガルー

アカカンガルー

カンガルーの中で最も代表的なのは、筋肉質で有名な「アカカンガルー」。

地球上で一番大きい有袋類です!立ち上がると2mを超える個体もいて“野生味あふれた巨大なキング”というイメージ。主に、内陸の乾燥地帯で暮らしています。

オオカンガルー

草の上に横たわるオオカンガルー

アカカンガルーに見た目は似ているけど、草原地帯が主な生息域である「オオカンガルー」。アカカンガルーよりも少し小ぶりで灰色まじりの毛色が特徴的です。

キノボリカンガルー

名前からも分かるように、樹上で暮らす「キノボリカンガルー」。黒っぽい顔に金茶色の体毛が特徴で、主に山地と低地の熱帯雨林に生息しています。

動きは基本的にゆっくりですが、枝の上では器用なジャンプを見せてくれます。

ベネット・キノボリカンガルーの母子(Wikipediaより)

現在は準絶滅危惧種に認定されており、近い将来、「絶滅危惧種」に移行する恐れがある種類です。

ちなみに、オーストラリアに生息するのは「ベネット・キノボリカンガルー(Bennett’s Tree Kangaroo)」という種類。キノボリカンガルーは他にも12種類ほど存在し、すべてがオーストラリアにいるわけではありません。パプアニューギニアなどにも分布しているそうですよ!

ワラビー

ワラビー
お腹が大きいワラビー

実は生物学的には、体のサイズだけがカンガルーとワラビーを分ける要素なんだとか。性格面では、ワラビーの方がカンガルーよりかなり臆病と言われています。

カンガルーとの共存

今回はカンガルーの生態をお届けしました!最後にオーストラリア国内での人間とカンガルーの共存問題について触れておきます。

現在、オーストラリア全土でのカンガルーの数は約5,000万頭。これはオーストラリアの人口2,400万人のほぼ2倍です。増えすぎによる他の動物への影響も発生しており、現在は年間約140万〜300万頭のカンガルーが狩猟されていると言われます。狩猟されたカンガルーのお肉はオーストラリア国内での消費されるほか、約55カ国に輸出されているのだそう。

また、オーストラリアでは様々な動物が道路に飛び出してきますが、中でも群を抜いて遭遇率が高いのがカンガルー。

カンガルー注意の標識

カンガルーには「集光性」という光に集まる性質があります。郊外の夜道に街灯がほとんど設置されていないのは、夜行性のカンガルーが街灯に集まって車と接触するのを防ぐためなんだとか。

それでも車のヘッドライトは消せないため、しばしば衝突事故が起きてしまうそうです。。。

カンガルーの生態、いかがでしたか?
ポッドキャストでもこのテーマについて語っています!ぜひこちらもどうぞ。

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