白砂漠&黒砂漠。最高に楽しい!夜は砂漠テントで満点の星空を
DAY3

白砂漠&黒砂漠。最高に楽しい!夜は砂漠テントで満点の星空を

エジプト旅行記

エジプトの砂漠は想像以上にすごかった

砂漠と聞くと、肌色のサラサラした砂が延々と続く風景を思い浮かべませんか?
でも、エジプトの砂漠は全く違います。真っ黒な石が積もった「黒砂漠」、雪のように白い砂が広がる「白砂漠」など、まるで異世界ような景色が広がっています。そんな神秘的なエジプトの砂漠を、1日かけて巡ってきました!

首都カイロから「砂漠国立公園」へ

今日はいよいよエジプトの砂漠に足を踏み入れます!今回の砂漠行きはツアーを予約していたため、朝私たちが宿泊しているホテルまで運転手さんが車で迎えにきてくれました。どうやら途中で1度車を乗り継ぎ、首都のカイロからおよそ5時間かけて砂漠へ向かうようです。

道中の様子

車にすべての荷物を積み込み出発です!

ホテルの方にパッキングしてもらった朝ごはん(車でいただきました)

しばらくは高速のような大型の道路をひたすらまっすぐ進みます。ほんの一瞬ですが、カイロを出てすぐのあたりでギザのピラミッドも見えました!

大型の道路を走る

郊外までくると、目に映る景色がだんだん白っぽく霞んできました。写真では濃霧のようにも見えますが、これは大気汚染による影響。。。排気ガスの臭いが充満し、もう白いのを通り越して茶色い空気が漂っています。

白く霞む景色

昨夜はカイロの街にある「ハンハリーリ市場」を訪れましたが、帰宅してシャワーを浴びた際も、自分の髪から漂うあまりの排ガス臭さに引いてしまうほど。悲しいことに、5日間お風呂に入れなかったモンゴルと比べても全然臭いです。

もはや茶色い空気…

空気でいえば「乾燥」も相当なもの。体はカサつくし、指にはささくれがたくさん出来るしで保湿が必須の旅です。昨日干した洗濯物がすぐにカラッカラッに乾いたのにもびっくり。さすが砂漠の国です。

カイロを出発して1時間くらいが経ったころ、巨大な発電所やガソリンタンクが立ち並ぶ街を通り過ぎました。どうやら巨大な石油の採掘地で、カイロの街の莫大なエネルギーを支えている重要な場所のようです。

ここは住宅地とオフィス街。

住宅地とオフィス街

面白いのが、道路を挟んで片側が「住宅地」、その反対側が「オフィス街」と区画がくっきりと分かれていることです。

巨大ショッピングモールや映画館も途中で見かけ、発展を続けるエジプトの様子がよくわかります。

道路開発中の様子

快適な車内

車内では、運転手さんがガイドのように色々教えてくれました。運転手は優しいおじさまなのですが、話はわかりやすいし、車も清潔でとっても快適でした。

何より嬉しかったのは、強烈な日差しを遮るために日除けカバーもつけてくれていたこと!!海外の車では、いつも日差しに苦労していたのでクッションをはめるだけでいいのは画期的。最高だー

日除けカバー

話は道中の様子に戻り…途中でトイレをするのに立ち寄ったスポットには、お菓子やドリンクも売られていました。

トイレ

トラックもたくさん停まっています。みんなここに寄るんだろうな〜

トラックがたくさん!

車に再び乗り込みしばらく走ると、あたりの景色は徐々に土色に変わってきました!砂漠に近づいてきているようです。

景色が土色に変わってきた

砂漠ハンターとしては、この砂の景色に心が踊ります。

窓から見える景色にワクワク

ランチ休憩

快適なドライブを楽しみ、ランチタイムです!砂漠の国立公園の手前のバウーティーという街です。

国立公園の手前にある町「バウーティー」

今回、砂漠へはモハメドさんという現地ガイドの方に案内してもらうことになっているので、彼と待ち合わせしてたカフェ(のようなところ)に向かいました。

待ち合わせ場所に到着

カフェには素敵な庭があって、赤い可愛らしい花とグリーンの植物の木陰がとても気持ちいい。のんびりガーデンランチといった雰囲気です。

素敵なお庭

爽やかな空気にホッと一息をついた頃、ランチが運ばれてきました。

平たいパンにソース、ポテトチップス、そしてフライドポテト。どれも絶品なのですが、驚いたのがポテトチップスの味!コンソメのような味付けでとにかく美味しい。芋を丸ごと揚げたものも最高に美味しくて芋好きとしてたまらない。エジプトの芋は品質が良いのかもしれません。

ランチ

食後にはミントティーをいただきました。ミントティーというとモロッコを思い出しますが、モロッコよりも甘さは控えめ。乾燥地帯で飲むミントティーはやっぱり美味しい。

食後のミントティー

ミントティーを運んできてくれた可愛いおじいちゃんは、なんとモハメドのボスとのことで、ここでのお金のやりとりは全部ボス経由でした。近くにいたモハメドに渡そうとしたら「ダメダメ、ボスに渡して!」と言われて、終始モハメドは受け取ってくれません。不思議だけど、ここではお金のことは上の人に任せるというルールなんだろうな〜

黒い山が並ぶ「黒砂漠」

さて、ガイドであるモハメドの車に乗り換えていよいよ砂漠へ突入です!!

モハメドのランクルに乗り換える

まずは「黒砂漠」からスタート!

黒砂漠が見えてきた

ここは、その名の通り見渡す限り真っ黒な石が積もる場所。ピラミッドのような形のとがった黒い山がずらっと並んでいて、まるで「黒いピラミッドの森」のようです。

黒い山が並ぶ

黒砂漠想像以上にカッコいい…荒涼とした光景にワクワクが止まりません。そんな黒い世界で、一番高い山に登ってきました!高いと言っても20分ほどで頂上まで登れるサイズ感ですが…。

せっかくなので頂上まで登ることに!

足元にはゴロゴロと石が転がっています。地面に密集して転がる黒い火山岩。ここはかつて火山活動が活発だった場所で、その時の玄武岩が砂漠を覆っているから黒いんです。

黒い火山岩

頂上に到着。

頂上の様子

頂上からの景色は「地球じゃない感」がすごい。まるで火星や月にいるような気分になります。実際に過去にはNASAの月面着陸練習が行われたこともあるそうですよ!

別の惑星にいるみたい

小さな山がたくさんあり、遠くから見ると「黒いピラミッド群」にも見えます。

黒砂漠

これはもう原始の地球の姿じゃないでしょうか。

タイムマシンに乗って数億年前にやってきたみたい。火山からマグマが噴出していた痕跡が鮮明に残っているんです。

マグマが噴火した痕跡

こんな砂漠は他にないんじゃないだろうかと思えるほどの絶景。噴火していた当時の様子を想像しながら頂上からの眺めを楽しみました。

てっぺんではしゃぐきじー

キラキラ輝く「クリスタルマウンテン」

黒砂漠の次に訪れたのが「クリスタルマウンテン」。その名の通り、クリスタルで形成された山です。

クリスタルマウンテン

実際は山というより丘に近いサイズ感ですが、丘全体にクリスタルがゴロゴロ転がっていて、光に当たるとキラキラしてとても綺麗です。

山というよりも丘に近い

これ全部クリスタル!躓いて転びそうになるほどクリスタルだらけでした。

クリスタルだらけ

このクリスタルは「アラバスタ」と呼ばれる鉱石で、彫刻や工芸品によく使われます。大理石と比べて柔らかいため加工しやすいのが特徴。その硬度は2.5と、爪よりも柔らかいため、爪で簡単に傷をつけることができます。

アラバスタ

昨日訪れたカイロの「ムハンマド・アリー・モスク」の内壁にも、アラバスタがよく使われているんですよ〜!モスクの様子はこちらから。

アラバスターは半透明で、大理石とは違う独特の美しさがあります。

半透明の鉱石

ここで1つ注意点。この石はとても綺麗ですが、持ち帰るのはNGです。次の人が見られなくなるし生態系も崩れる可能性があるからです。

持ち帰りNG

持ち帰ることを許したらガイドの資格も剥奪されるそうなので気をつけましょう。ちなみに、空港でもチェックされるそうなので、無断で持ち出して捕まってしまったなんてことのないようにしましょうね!

真っ白な大地「白砂漠」

白砂漠が見えてきた

最後は今回の目玉、「白砂漠国立公園」です。

白砂漠に到着

黒砂漠の景色とはうって変わって、白い砂の大地が広がります。

白い砂の大地と奇岩群

はるか昔、この一帯は海の底でした。つまり、白砂漠は海底が隆起して地上に現れたものなのです。
海に生息していたプランクトンやサンゴなどの生物の殻や遺骸が、長い年月をかけて堆積し、この白い大地を形成していきました。

白砂漠の不思議な景色に思いを巡らすきじー

白砂漠の面積はおよそ3,010平方kmと東京がすっぽり収まってしまうほどの大きさで、2002年にエジプト初の国立公園に指定されています。

白砂漠を歩く
白の天然オブジェ

奇岩群

石灰岩が風や砂嵐によって侵食されてできた、さまざまな形の奇岩も見ることができます。

それぞれ高さは5mくらいでかなり巨大。マッシュルームや羊に見える岩など、まるで天然のアート作品が点在していて美術館のようです。

マッシュルーム岩

多くの砂漠を経験してきた砂漠ハンターの私たちでも初めて見る光景ばかりで、終始大興奮でした。

洞窟のようなスポット

石灰岩で洞窟のようになっているところもありました。ここで話をすると声が跳ね返ってエコーのように響き渡ります。まるで天然のカラオケボックスのようでした!!

洞窟のようなスポット

モハメドも素敵な写真をたくさん撮ってくれました!彼は本当にいいガイドです。

少し歩くと砂一面の雄大な砂漠もありましたよ〜!この広大さ、圧巻です。

白砂漠に立つやなぎー

傾いた太陽と白砂漠。ここでもモハメドが素敵な写真を撮ってくれました!!

白砂漠で指差し

白砂漠のサンセット

白砂漠では砂丘バッシングやサンドボードなどのアクティビティも楽しめます。私たちはサンドボードにチャレンジ。ボードに乗って砂漠の坂を滑り降ります。

サンドボードにチャレンジ

やなぎーは早々に転んでしまいましたが、ふわふわの砂だから全然痛くない。

コケても痛くない

滑り終わった後は、口の中も砂、靴の中にも大量の砂、顔にも砂がべっとりついた状態でした(笑)
でもそんなの関係ないくらい楽しかったです。

砂まみれで楽しむ

砂まみれで楽しんだ後は、夕日撮影タイム。

白い大地が太陽のオレンジにどんどん染まっていく…。

あまりに綺麗で走ってみました。

オレンジ色に染まる砂漠

影が一層長くなり、うっとり。どこまでも荒涼とした大地が広がって雄大な気持ちになります。

シルエットもいい感じに撮れます!

白砂漠と夕日

太陽を手にするポーズにもチャレンジ!めちゃくちゃ良い感じに撮影できました。

太陽を手にもつポーズ

大満足の時間でした。エジプトの砂漠は、これまで訪れた砂漠の中でも際立って景色のバリエーションに富んでいて、短い時間でもフルに楽しめます。人が全然いないのも良かったです。

今夜はテント泊。砂漠キャンプの様子

砂漠キャンプ

今夜は砂漠の何もないところでテントを建ててキャンプです。

テントを設置

砂漠の夜は冷えるため、太陽が完全に沈んでしまう前に防寒対策をしました。

暗くなる前に防寒対策

夜ごはん前にはナツメヤシの実を食べさせてもらいました。これがみずみずしくて甘くて美味しい。モロッコでも食べたことがありますが、全然違います。というのもエジプトはナツメヤシの主要な生産国で、「GROBAL NOTE」が2023年にまとめた統計によると世界第1位の1,867,064トンが生産されています。まさに本場の味!!

ナツメヤシの実

夜ごはんは、モハメドが職人のように黙々と手料理を作ってくれました。

黙々と料理

ツアーに同行していたモハメドの後輩と思われる男性は、焚き火でお肉をジュージュー焼いてくれます。モハメドは「肉はローストにするのがバーベキューの心得だ」と言って、男性にじっくり焼くよう指示していました。暑い中、かなり我慢強く頑張ってくれました!!

焚き火で肉を焼く

美味しそうな香りにつられてお腹もペコペコ。いよいよいただきます。

焼きたてのお肉は香ばしくてジューシー。さすがじっくりとローストにしてくれただけあります。

ロースト肉

モハメドが作ってくれたじゃがいものトマト煮もすごく美味しい。エジプトのじゃがいもって、本当に美味しい。

じゃがいものトマト煮

ライスも美味しいし、スープも最高。やっぱり大自然で食べるご飯は格別です。

ライス
スープ

嬉しいことに、しっかりフレッシュサラダも準備してくれました。旅中は野菜不足になりがちなので助かります。

フレッシュサラダ

満点の星空の下でいただく美味しい料理。ほんと贅沢な時間でした。

砂漠で見た最高の星空

夜ごはんの後は星空撮影タイム。

満月に近い日で月明かりがすごく明るい。普段ならマニュアルフォーカスでピントを合わせるところが、なんとオートフォーカスで星にピントが合ってびっくり。月の明かりってすごい。

星空撮影タイム

持ってきたライトで、軌跡をつくって撮影を楽しみました!ピラミッドをイメージして三角形を!

ライトで軌跡を描く

月明かりが強いので月が沈むまで仮眠をとって、月が沈んだ午前3時ごろから再び撮影をスタート!

どうですか!!この満天の星。

最後ちょっとプチ事件もありましたが、大大大満足の砂漠ツアーでした!!

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ポッドキャストでは、当時のリアルな様子を3回に分けてお届けしています。よかったらこちらチェックしてみてください。

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