誰もいない秘境で星空観察
クーパーペディの街を出て、まだ真っ暗な時間に車を走らせる。街灯はもちろん一本もない。
頼れるのはヘッドライトだけで、その光の先に何があるのかも分からないまま進んでいく感じが、いかにも内陸の旅らしい。
目的地に着いて車を降りた瞬間、思わず声が出た。空一面の星。
三脚を立てて撮影を始めたけれど、どの方向にも人工の光が一切ないから、肉眼のほうがむしろ綺麗に感じるくらいだった。

スターリンクの衛星が列をなして流れていくのもはっきり見える。速いはずなのに、広い空の中ではゆっくり滑っていくように見えるのだから不思議だ。
南半球のオーストラリアは、星座の向きが日本と違う。オリオン座が逆さまに昇っていくのを眺めながら、しばらくただ空を見上げていた。
虹色の丘で朝日
冷え込んできた頃、ココアを入れてビスケットをかじりながら空の色の変化を待った。星が少しずつ薄れて、地平線が赤く染まっていく。そのスピードが思っていたよりずっと早くて、あっという間に夜と朝の境目が消えていった。

太陽が顔を出したあとで、初めて自分たちがどんな場所にいたのか分かった。
周囲には色の違う丘がいくつも連なっていて、赤や黄色、紫が混ざったような地層が広がっていた。暗闇の中では想像もつかなかった景色で、夜と朝で世界がまるごと入れ替わったみたいだった。
野生のカンガルーに遭遇
朝日を見終えて、次の街へ向かって走り出してからしばらくした頃だった。きじーが突然声を上げて、車を減速…!なんと、視線の先にいたのはずっと会いたかった野生のカンガルー。

カンガルーとの距離は30メートルくらい。こちらをじっと見ながら、ぴょん、と軽く跳ねる。耳の動きも、体の緊張感も、動物園で見るカンガルーとはまるで違う。少し離れた場所には仲間もいて、1頭が見張り役のように立っているのが印象的だった。

後で写真を見返して調べたら、どちらもレッドカンガルーだった。レッドカンガルーは数あるカンガルーの種の中でも、もっとも筋肉質で大きい種類。
ずっと会いたいと思っていたカンガルーに、こんな形で出会えるとは思っていなかったから、胸の奥がじんわり熱くなる。
でもそのあと、車を走らせ数分経った頃だろうか…なんと今後はカンガルーの死体がいたのだ。それも一体じゃなく、至る所に…。皮だけの子や肉むき出しの子もいました。
塩湖でカップ焼きそば

数時間車を走らせ、今度は塩湖に立ち寄った。真っ白な地面がどこまでも続いていて、サングラスを外すと眩しすぎるくらいだ。

この日のお昼ごはんはカップ焼きそば。やなぎーはUFO、きじーは一平ちゃん。

乾燥した土地だからなのか、焼きそばの香りがほとんど広がらないのが面白かった。口に入れた瞬間にだけ、ソースの味が一気に広がる。

カンガルーの交通事故を目撃
しかし、ハッピーな気持ちは長くは続かない。塩湖の駐車場の出入り口に、横たわるカンガルーが目に入った。

心配になり、様子を見に近寄ったら、まだ体が温かくて、毛が驚くほど柔らかかった。触れた瞬間に、ただの「野生動物」じゃなく、確かに生きていた存在なんだと突きつけられる。早朝に生きている野生カンガルーをを見たばかりだったから、その現実が重くのしかかった。
この話は、また別の記事でちゃんと書きたいと思う。
セデュナの宿到着
クーパーペディからセデュナまでは約1000km。前半はやなぎー、後半はきじー、と運転を交代しながら走った。

夕暮れ時、西陽と大量の蛾に悩まされながら進む道は、正直かなりしんどかった。。さらに、夜道は街灯がないため、常に目を凝らして運転しなければならず肩こりと目の疲れが溜まる。
夜8時過ぎ、ようやくセデュナの宿に到着。ホストのおばあちゃんがニコニコの笑顔で迎えてくれて、その優しさが1000km移動の疲れに染みた。部屋は装飾がおしゃれでおばあちゃんのセンスが光る!

ありもので作ったトマトパスタを食べた後は、シャワーを浴びてそのままベッドへ…。長くて濃い、感情が揺れ動く一日だったけど、オーストラリア旅らしい一日だったなと思う。

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