モンゴル最終日、大波乱でした。
朝イチでゴビ砂漠の朝日を撮影したあと、VIVANTのロケ地にもなった「バヤンザク」に行ってきました。が、車が故障し電波もない草原で立ち往生したり、バンに乗せられたり、トラブル続きでもありました…!今回はそんな最終日の出来事をお届けします!
※トラブルの詳細については他の記事でまとめる予定です。
ゴビ砂漠・奇跡の朝
今朝はゴビ砂漠の朝日を撮影するために、夜明け前にゲルを出発しました。ゴビ砂漠の朝日はかなり期待して撮影に臨みました。
ゴビ砂漠はトリップアドバイザーがまとめる「死ぬまでに行きたい世界の砂漠ランキング」の3位にランクインしています。でも昨日の夕暮れ時に訪れたスポットは、正直第3位の実力とは思えなかったんです。地形は面白いし綺麗といえば綺麗だけど、砂漠ハンターのyanakijiにとってはなんか物足りない…。

DAY4の内容は以下にまとめていますので、あわせてご覧ください。
以前に見たアフリカのサハラ砂漠は夕暮れ時がベストタイミングでしたが、ゴビ砂漠はなんとなく朝日の時間がベストな気がする…という野生の直感で朝の撮影に挑みました。

朝、6時10分。標識は見えない、方向もわからない真っ暗闇の中、スマホの位置情報を頼りに、ガタガタのオフロードを進みます。前方のライトが当たる部分に全集中を注ぎます。

出発前に「最高の朝日が撮影できるスポット」を探してマップにピンを立てていたのですが、通信の影響で保存されていなかったため、記憶を頼りに進みました。…が、なかなか良い場所が見つからない。もう朝日が顔を出すかもというタイミングで、「やばいやばい、ここにしよう!!」と勢いのまま撮影場所を決めました。

最初は、ここは失敗だったかもという不安もあったのですが、少し歩いていくと…

目に飛び込んできたのは砂丘の前に広がる池!横幅20メートルほどの池?大きな水たまりがある場所でした。もしかするとこの時期にだけ現れるものなのかもしれません。

ここはちょうど東から昇る朝日に照らされる場所。朝日の光を浴びる砂丘とこの池はとんでもなく綺麗なんじゃないかと頭にビビッと電流が走ります!!!

嬉しいことに私たちの他には誰もいません。静寂の中ドキドキしながら、日の出を待つことおよそ3分…(本当にギリギリの時間でした)

それまで薄暗かった景色が、朝日が顔を出したと同時に穏やかな優しい光に包まれます。

赤い朝日に照らされ、アプリコットに色づく砂丘。

分単位でどんどん姿を現す太陽。太陽が昇るにつれ、アプリコット色の範囲が広がっていきます。



そして、目の前で波打っていた池の波紋がピタリとなくなりました。突然、風が綺麗にやんだんです。

これにはびっくりしました。とんでもないことが起こっていると、胸が高鳴ります。

この状況で見られるものといえば、そう、朝日に照らされたゴビ砂漠の鏡張りの絶景です。

池に反射して映る砂漠なんて今まで見たことがなく、こんな景色が存在するなんて思いもしませんでした。

頭の中でなんとなくイメージしていたものの、さまざまな自然の偶然が重なってできる光景は、想像をはるかに超えて素晴らしい。


ゴビ砂漠では色々と嫌な思いもしましたが、これが見られたから、もう全部許せます。これを体験できなかったら、正直ゴビ砂漠を肯定的に捉えられなかったかも。。。


この景色って、自然のさまざまな偶然が重なってできたものだと思います。それを考えると、やっぱり美しさを求めるならナミブ砂漠だし、広大でアクティビティを楽しみたいならサハラ砂漠、砂以外の砂漠を楽しみたいなら、別の砂漠をおすすめします。

それでも、どうしても見たい景色があるとか、偶然の出会いに期待したいとかなら、ゴビ砂漠もおすすめしたいなと思います。
車が故障して草原で立ち往生

感動的なゴビ砂漠の朝日を堪能したら一度ゲルに戻り、旅の荷物をすべて車に乗せます。

荷物を乗せ終えたら、VIVANTのロケ地で有名なバヤンザクに向かいました。しかし途中で車が故障して3時間近く立ち往生する場面も…。砂漠のど真ん中で身動きが取れないというのはかなり焦りました。
ドライバーのザヤさんの活躍により、なんとか車を乗り換えバヤンザクには行けることに!!
ちなみに…モンゴル最終日であるこの日はトラブルの連続でした。詳細については別の記事で詳しくまとめます。
VIVANTで有名なバヤンザク
バヤンザクとは?

ゴビ砂漠の一地域にあたるバヤンザク。ドラマ『VIVANT』では、堺雅人さん演じる主人公の乃木や、二階堂ふみさん演じる薫、公安の阿部寛が敵から逃げるシーンで登場します。
みんなでラクダに乗ってゴビ砂漠を横断し、国境を越えないといけない状況でしたが、途中で薫さんが我が子のように可愛がる少女・ジャミーンの容態が悪くなり、数日間治療に専念することに。治療をしていた場所が、壮大な崖にある洞窟…そう、バヤンザクです。

ドラムが、敵が近づいていないか崖に登って草原を見渡すシーンでも使われています。

バヤンザクの入り口
バヤンザクは、草原(というか礫砂漠の砂利道)を越えた先にあるのですが、意外にもしっかりゲートがあって観光地として整備されている印象。辺鄙な場所にあるため人は少ないですが、ドラマの効果なのか、ゲートは新しく綺麗でした。

ゲートまではザヤさんが見つけてくれた地元のドライバーが連れてきてくれたのでとてもスムーズ。しかし…このあとそのままバヤンザクまで行くのかと思いきや、ゲートに着いた瞬間「俺はここまで」と告げられました。ゲートからバヤンザクまでは徒歩で20〜30分ほど。
大量の荷物を車に乗せているし、それらを持ってバヤンザクを回るのはなかなかキツい。翻訳でそのことを伝えたいのですが、このドライバーさんとも言語の壁から上手くコミュニケーションが取れません。なぜ車で奥まで行けないのか、その時はよくわからずでした。
後で分かったのは奥まで行くと運転手の入場料が発生してしまうこと。真実はわからないけど、「あとは自分たちで行ってくれ」ってことだったんだと思います。
これ以上は交渉しようにもできないので、とりあえず車から荷物を下ろし、どうしようかと迷っていたら、レセプションのお姉さんが声をかけてくれました。彼女は少し英語が話せるようで、「鍵のかかる部屋を1つ貸してあげるから荷物を置いていっていいよ」と案内してくれました。めちゃめちゃ助かる…お姉さんのおかげで無事に荷物をすべて置くことができました。
部屋の鍵を閉め、さぁ行くか、と出発しようとしたところで、今度は男性に声をかけられました。
「俺のバイクを貸してやろうか?」
実はこの男性、私たちがバヤンザクに到着した瞬間にも駆け寄ってきてくれた方です。親切に色々説明してくれているようなのだけど、いかんせんモンゴル語だから何を言っているかわからない…でも、言葉は通じなくても、私たちが車でバヤンザクまで行きたがっているというのは察してくれていたみたいで、こんな提案をしてくれたんです。
彼の後ろに乗るのかなと思いきや、「自分たちで運転していいよ」とのこと。ただ、バイク運転経験のあるきじーも、さすがに10年ぶりくらい。。そんな中で後ろにやなぎーを乗せて走るのは怖いので、ありがたいけどお断りしました。そもそも、モンゴルの運転免許がないので乗れません。
そうしたら、なんとまた別の提案をしてくれました!その男性の部下らしき人が、白いワンボックスカーに特別乗せていってやるとのこと。

「お金は要らないから〜」と至れり尽くせりの対応でした。ありがたい…!
バヤンザクに到着
そのワンボックスカーに乗せてもらって、無事にバヤンザクに到着!駐車場には車がたくさん停まっていました。やっぱりみんな車でここまで来ているんですね。

駐車場の近くには、お土産屋さんもあります。

バヤンザクは、日本だと『VIVANT』のロケ地として有名ですが、世界的に見ると実は恐竜の化石で有名な場所。1923年、世界で初めて恐竜の卵の化石が発見された場所であるため「恐竜化石の聖地」として知られており、今でも発掘作業が行われているそうです。


つまり恐竜の赤ちゃんがいた場所ということですよね、ロマンがある。

バヤンザクは、だだっ広い草原に、茶色の地層がぽっこり盛り上がったような地形。ぽっこりといっても高さは20mくらいはあり、崖のようになっています。



現代でも手付かずの大地なので、この場所で恐竜が走り回っていたんだと想像すると興奮が収まりません。



トゲトゲ隆起して冠みたいに見えるものや、面白い形のものもたくさんありました!

バヤンザクは無法地帯なのかと思っていましたが、途中まで遊歩道が設置されていて意外と整備されています。

先進国だと遊歩道から景色を眺めるだけで終わる場所も多いですが、バヤンザクは遊歩道がなくなっても崖の端っこまで行くことができました!

恐怖のワンボックスカーで空港へ
バヤンザクを楽しんだあとは、故障した車の対応をしていたザヤさんと再会。
帰国のため空港に向かわなくてはいけないのですが、ザヤさんの車は故障して直らない(送ってあげられない)ということで、なんと車を乗り継ぎ空港に向かうことに。バヤンザクから空港まで8時間もかかりました。
バヤンザクからダルンザドガドという街までは、ザヤさんが手配してくれた新しい車とドライバー、ダルンザドガドから空港へはぎゅうぎゅう詰めのワンボックスカーで行ったのですが、終始ハラハラする運転でまじで怖かったです。。
日本に帰国
夜中1時半になんとか空港到着。問題なく飛行機にも乗れて、日本に無事帰還できました!よかった〜。

ウランバートルの空港についてからもスーツケースの破損があったりで大変でしたが…怪我もなく無事に帰国できてホッとしています。。
そういえば初日に買ったシャンプーは結局開封することなく、日本に持って帰ってきました。なぜなら、初日以外はお風呂に入れていないから…!!!家でゆっくりお風呂に入ろーっと。。
▼追記(旅を終えてから)
私たちがモンゴルを訪れたのは10月前半の秋です。季節によって気温や気候がガラリと変わる地域もあるため、出発前に調べてから行くことをオススメします!
当時のリアルな心境を語ったポッドキャストも2回に分けて公開中です。よかったらチェックしてみてくださいね!