スリランカを旅するなかで、どうしても現地で手に入れたいものが2つありました。
ひとつは、本場の「セイロンシナモン」。日本でよく目にする中国産のカシア(チャイニーズシナモン)とは見た目も香りも全く異なり、より繊細で上品な香りが特徴です。
もうひとつは、以前その深い美味しさに衝撃を受けた、伝統的なヤシの樹液シロップ「キトゥルシロップ」です。
観光客ゼロ!スリランカ最大級の巨大卸売市場へ突撃
「地元の市場やスーパーに行けば見つかるはず!」とGoogleマップで調べ、近くにある巨大市場へと向かいました。お昼ご飯がてら、冷たいキングココナッツシェイクやマンゴージュースでも飲めたら最高だな、という軽い気持ちでの突撃です。
しかし、到着した市場は、想像していたものとは180度違う世界でした。

ここは、スリランカ国内最大級の圧倒的な規模を誇る「ガチの卸売市場」だったのです。
一歩足を踏み入れると、おしゃれな飲食店や観光客向けのショップなどは一切ありません。視界を埋め尽くすのは、文字通り山積みになった大量の野菜や果物。


玉ねぎの巨大な麻袋が壁のように積み上がり、パイナップルが信じられないほどの量で転がっています。
場内は荷台いっぱいに段ボールを積んだトラックがひしめき合い、驚くような場所にどんどん停車していくため、あちこちで大渋滞が発生しています。

鳴り響くクラクション、その間をすり抜ける人々。

空気は土の匂い、みずみずしい野菜の青い香り、そして熟れた果物の甘い匂いが混ざり合い、強烈なローカルの熱気に満ちています。汗だくになりながら歩く海外のリアルな卸売現場は、強烈な刺激に満ちていました。
本場セイロンシナモンの価格に衝撃
さすがに卸売市場では個人向けの小売りが難しかったため、市場のすぐ外にある、日本の八百屋さんのような雑多で雰囲気のあるローカルストアに立ち寄ってみました。

店内にはスパイスやローカルな食材が所狭しと並んでおり、スリランカ版の鰹節である「モヒディブフィッシュ」の非常に良い香りが漂っています。
棚を探してみると、ついに目当てのセイロンシナモンを発見しました。しかし、そのサイズを見て驚愕します。とにかく大きいのです。
まるでキューバの最高級葉巻かと思うほど、親指よりも太くて立派なシナモンスティック。量り売りのため、大きなスティックを2本(約30グラム)秤に乗せてもらい、計算された価格を見て思わず耳を疑いました。

てっきり1650ルピー(日本円で約600円)くらいだろうと思いお金を差し出すと、店員さんから笑顔で「違うよ!」と遮られます。なんと、正しい価格は165ルピー。日本円にしてわずか70〜80円ほどだったのです。
日本で流通している一般的なセイロンシナモンのスティックと比べると、およそ10分の1という破格の安さ。観光客向けのお土産屋さんではなく、地元の人が日常的に使うお店だからこその本場価格に、ただただ圧倒されるばかりです。
ヤシの樹液シロップ「キトゥルシロップ」
さらに、シナモンのお店の人に紹介してもらい、隣の売店でキトゥルシロップを!

20歳前後の若い兄弟が店番をするそのお店では、大きな一升瓶のような容器にシロップが入っていました。「小さめのボトルが欲しい」とリクエストすると、店の奥から親切に小瓶を探してきてくれ、その場でトクトクと贅沢に詰め替えてくれました。

一般的なハチミツの容器ほどのサイズで、こちらもお値段は約120円。
手に入れたシロップは、以前宿で食べたものよりもさらに色が濃く、黒糖に近い力強いコクが印象的な味わいでした!
日本から持参したシナモンと徹底比較!現地で分かった香りの奥深さ
念願の戦利品を抱えて宿に戻り、さっそくおもしろい実験を試みることにしました。実は、香りの違いを確かめるために、日本からわざわざ持参したGABANのセイロンシナモンと、中国産のカシア(チャイニーズシナモン)があったのです。

まずは日本から持ってきたセイロンシナモン。いつも通り上品な香りが広がります。
続いて、今日ローカルストアで買ったばかりの、あの親指ほどもある巨大な現地シナモンです。
何層にも美しく巻かれた断面はまさに芸術品。鼻を近づけてみると、最初は少し香りが優しく感じられましたが、端を少しパキッと崩した瞬間、一気にフレッシュで気品のある甘い香りが周囲に広がりました。

最後に、普段お菓子やシナモンロールなどでよく使われている中国産のカシアを嗅いでみます。こちらはちぎった瞬間に、誰もがイメージする「ザ・シナモン」というお馴染みの力強くシャープな刺激臭が鼻を突き抜けました。
こうして3つを同時に並べて比較すると、その違いは一目瞭然です。カシアがお菓子にアクセントを添える親しみやすい味だとすれば、スリランカのセイロンシナモンは、どこか優雅で深みのある「貴族の味」がします。
また、現地のローカルストアで買ったものが最初は少し優しく香ったことから、スパイスにとって「保存状態」がいかに重要であるかという学びもありました。
直射日光や湿気にさらされると、外側の香りはどうしても少し飛んでしまいます。しかし、本場のシナモンはその圧倒的な太さの中に、濃厚な香りのエッセンスをしっかりと閉じ込めていました。日本ではまずお目にかかれない、あの極太のシナモンスティックは、それ自体がスリランカの豊かな自然の証明です。
丁寧にジップロックで梱包し、スリランカの広大な森の文化をそのまま日本へ持ち帰りたいと思います!
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