スリランカのジャングルの中、
突如として圧倒的な存在感を放つ高さ約200メートルの巨大な一枚岩「シーギリヤロック」。
5世紀後半にカッサパ1世によって頂上に宮殿が築かれ、鬱蒼とした緑のなかに孤高に佇む姿から「天空の古代都市」とも呼ばれる世界遺産です。
今回は、そのシーギリヤロックに登るのではなく、真向かいに位置する「ピドゥランガラ・ロック」の山頂を目指すことにしました。
夕日を浴びて黄金色に染まるシーギリヤロックの全貌を、特等席から眺めるためです!
ピドゥランガラ・ロックをハイキング
この日は1日中アクティブに動いていたためお昼ご飯を食べ損ねており、出発前の夕方16時半の時点では全身汗まみれの状態でした。

しかし、宿でサッとシャワーを浴びて着替えると、驚くほど気力が回復します。お水を買い足し、宿で手配してもらったトゥクトゥクに乗り込んで、いざ登山口へと向かいました。

入山料を支払い、いよいよハイキング開始です。

コースの序盤は生い茂る木々が天然の日よけとなり、涼しい影のなかの石段が続きます。

しかし、終盤に差し掛かると景色は一変し、行く手を阻むような巨岩が次々と現れました。

自分の背丈を超えるほどの岩に足をかけ、全身を使ってよじ登る!軽いロッククライミングです。
サンダルやショートパンツといった軽装の方も多いけど、怪我をしてしまうこともあるので動きやすい服装で行くのがおすすめです。

私たちはリュックをチェストベルトでしっかりと固定し、ワークマンで購入した300円の手袋をはめていたおかげで、どんな岩肌も臆することなく掴んでスムーズに登り進めることができました!
目の前に広がる大迫力の巨岩「シーギリヤロック」
頂上に立った瞬間、目の前に飛び込んできたシーギリヤロックの姿に圧倒されました。

深い緑のジャングルから、そこだけが突き抜けるようにして、どっしりとした一枚岩が空に向かってそびえ立っています。

中盤までは青々とした森に覆われ、てっぺんの岩肌だけが露出しているその姿は、どこか不思議で神聖な雰囲気を醸し出しています。
ちょうど私たちが立っているピドゥランガラ・ロックの山頂とシーギリヤロックの頂上がほぼ同じ高さにあるため、ギリヤロックの全貌が見やすい。

傾きかけた太陽の光を浴びた岩肌は、鮮やかなオレンジ色から深い黄金色へと刻一刻と表情を変えていき、まさに大地の王者と呼ぶにふさわしい風格を漂わせていました。

地平線付近に広がる雲の向こうへとゆっくり日が沈んでいくと、今度は空全体が夕暮れのダイナミックなグラデーションに包まれます。視界の果てまで連なる山々と鬱蒼とした森の景色は、まるで壮大なファンタジー映画の世界に迷い込んだかのようです。

シーギリヤロックの頂上をよく見ると、豆粒のような小さな人影が動いているのが見えました。
「あそこ、明日登るんだよね?」
「そうだよ!」
自分たちも翌朝にはあの頂上へ向かいます!!
ワクワクが止まりませんでした。
長い祈りの歴史
刻々と夜へと向かう静かな山頂で、私たちは近くにオレンジ色の衣をまとった10人ほどの僧侶たちの姿があることに気づきました。そのなかには、まだ幼い子供の僧侶の姿もあります。実は、このピドゥランガラ・ロックという場所は、単なる夕日の絶景スポットではなく、本来は非常に古い歴史を持つ修行と瞑想の聖域なのです。

シーギリヤがカッサパ王によって王宮・要塞として整備されるよりもはるか昔、およそ600〜700年も前から、このピドゥランガラの岩陰や洞窟では多くの僧侶たちが静かに祈りを捧げていました。
5世紀になり、カッサパ王がシーギリヤに遷都した際、もともとシーギリヤ周辺にいた僧侶たちがこのピドゥランガラへと移されたという歴史が残されています。王の都となったシーギリヤと、そこを追われた僧侶たちを温かく受け入れたピドゥランガラ。
しかし、華やかな王の時代は長くは続きませんでした。カッサパ王の亡き後、シーギリヤの宮殿は再び仏教僧団へと寄進され、王宮から本来の姿である僧侶たちの修行の場へと戻っていったのです。
山頂で出会った僧侶たちの姿は、決して偶然ではなく、この岩山が数千年にわたって重ねてきた祈りの日常そのものだったのです。そう考えると、登る途中で目にした静かな仏教寺院や、優しく横たわる大きな仏像の姿が、いっそう神聖で愛おしいものに感じられました。
スリランカのローカルなディナー
あたりが完全に暗闇に包まれる前、サクサクと岩場を降りて無事に下山を完了しました。そこから再びトゥクトゥクに乗り、シーギリヤの街へと移動して待望のディナータイムです。
お腹ペコペコの状態で注文したのは、甘辛い特製タレがたっぷりとかかったジューシーなグリルチキン。付け合わせのフライドポテトは、外側がザクザク、中はホクホクとした仕上がりで抜群の美味しさです。
もう一品は、スリランカ風のチキンシチュー。日本のまろやかなホワイトシチューとはまったく異なり、お皿の半分に山盛りのライス、もう半分にスパイスの効いたカレー風味のシチューが贅沢に注がれた、スタミナ満点の一皿でした。チキンやじゃがいも、にんじん、玉ねぎといったゴロゴロとした具材に、奥深いカレースープがしっかりと絡み合っています。
朝から動き回っていたため、いくらでも食べられる気がしていましたが、体は思った以上に心地よい疲労感を抱えていたようで、驚くほどすぐに満腹になってしまいました。外のテラス席には驚くほどたくさんの蚊が飛んでいたため、虫刺され対策を施しながら、スリランカの濃密な1日の余韻に浸ります。
宿に戻ると、すぐにお風呂に飛び込んでそのまま深い眠りへと落ちていきました。明日はついに、真っ暗闇の早朝から始まるシーギリヤロックの登頂が待っています。
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