波乱の最終日
モンゴル旅の最終日、想像もしなかったトラブルが連発。見渡す限り草原が続く場所で車が故障…電波もない状況でドライバーが失踪…!?
この記事では、最終日に起きたトラブル事情をピックアップして取り上げています。1日の出来事は以下にまとめていますので、あわせてご覧ください!
果てしない草原をドライブ
最終日の朝、ゴビ砂漠で感動的な朝日を楽しんだあと、私たちはドラマ『VIVANT』のロケ地として有名な「バヤンザク」へ向かいました。

昨日まで、バヤンザクへの行き方がわからず本当に困っていました。Googleマップには道が表示されず、実際には「感覚を頼りに走れば何とかたどり着けるかも…」という曖昧な状況。最悪の場合、当てずっぽうで向かうしかないと覚悟していたのですが、以前ゴビ砂漠で6時間も迷子になった経験があったので、それだけは何としても避けたかったんです。
そこで、宿泊していたゴビ砂漠のゲルのスタッフに何度も相談し、先導してくれる車がないか交渉を重ねました。すると、たまたま居合わせた韓国人のツアーグループの方が「私たちもバヤンザクへ行く予定なので、後ろをついてきていいですよ」と声をかけてくださったんです。

先導車がいる安心感といったら、言葉にできないほどでした。
ここまでずっと、道を探しながらの緊張感あるドライブが続いていたので、ようやく心から落ち着いて運転を楽しめるようになりました。

前を先導してくれている車の運転手さんは、ロン毛の渋くてかっこいいおじ様でした。役所広司みがある渋おじドライバー。彼は観光ドライバーというだけあって、バヤンザクまでの道や絶景ポイントを熟知していて、オフロードの運転もこなれていました。

道中は、まさにモンゴルらしい絶景の連続。大草原に、「コキア」のようなピンク色のモコモコした植物が一面に咲き誇り、荒々しくもカッコいい岩肌の山々が迫力満点で迫ってくる。

車で数十分ずっとこのモコモコが広がっていました。モンゴルにこんな風景があるんだなあ。

こんなにも純粋に絶景だけを楽しみながらドライブできたのは、モンゴル旅では最終日にして初めてかもしれません。

先導してくれる渋おじドライバー、運転がこなれすぎていてびっくりするくらいスピードが出ている笑


岩山に近づくにつれ、道の状態はどんどん悪くなります。ガタガタと車が縦に揺れる、揺れる。しかも、くねくね回りながら進むので横揺れもなかなか激しい。


これは道を知っている地元の人でないとスイスイとは進めません。先導してくれて本当によかった…。

道中には草原を駆け抜ける馬もいて、モンゴルらしい光景に心が踊りました。

車が故障し走行不可に…
でもね…ハッピーな時間は突然終わりを告げました。よく、人生は幸せも不幸せも長続きはしないというけれど、まさにそうなのかもしれない。
急に蒸気機関車のような音を出す、車のタイヤ。絶景道を抜けて大草原に出た頃から、なんだか車の後ろの方がおかしい感じはしていたんです。音が鳴り始めた際には、車を停めてタイヤを確認しましたが、特にパンクしている様子はない。
問題なさそうだったので再出発しましたが、しばらく走るとどんどん音が大きくなっていって…まるで機関車のような、車とは思えない音に変わっていきました。
さすがに車が出す音じゃない。これ以上走らせるのは危険なため、完全停車して、先導してくれていた車にSOSを求めます。
すぐに、私たちが停車して動けなくなっているのを渋オジドライバーが気づいて戻ってきてくれました。

渋オジドライバーは道だけじゃなくて車にも詳しそうで、戻ってきてくれた時の安心感といったら。「彼がタイヤ交換や修理をしてどうにかしてくれるんだろうな…」と、この時は悠長にそんなことを思っていました。

しかし、しばらく経ってもザヤさんや渋おじドライバーの表情が怪しい。状況をザヤさんに聞くと「NO」と言われ、すぐには直すことができないことがわかりました。(ザヤさんと渋おじドライバーはモンゴル語のみ会話可能)
ここはモンゴルの大草原のど真ん中。
あたりを見渡しても、人影も家も、家畜さえもおらず、ただ草原がどこまでも続いているだけ。そんな場所だから電波もないし、電話もかけることができません。この先どうするの?最終日だから飛行機予約してるけど日本帰れるのかな…と不安が募ります。

改めて状況を聞くと、渋おじドライバーが「いますぐは直せないから、観光客を目的地に案内した後もう一度戻ってくるよ」と言ってくれたそう。ただ、戻ってくるまでに3時間はかかるみたいで、私たちは祈りながら待つことに。
おそらくツアー客たちをバヤンザクに送り届けてから、部品を調達して渋オジドライバーが戻ってくるということだと思うけど、バヤンザクまでかなり遠いし、部品が調達できるかもわからない。彼はベテランだし、何かツテとかあてがあるのかもしれないけど、なんせコミュニケーションが取れず状況掴めないから、安心はできません。戻ってきてもらっても車が直る保証はないし、直らなかったらどうなるんだろうって、待っている間も不安でいっぱいでした。
ただ、そんな状況でも救いだったのが、韓国人ツアー客のなかに日本語を話せる人が二人もいたこと!渋おじドライバーが車を確認してくれているのを見ていたら、急に後ろから「大丈夫ですか?」とクリアな日本語が聞こえてきたんです。
なんと、声をかけてきてくれた二人組のうち、一人が韓国に住む日本人、もう一人は日本に留学経験のある韓国人でした。あの不安いっぱいな状況のなかで、日本語を話せる人がいたことにはかなり救われました。
電波もない草原で立ち往生

さて、そんな感じで渋おじドライバーと韓国人たちが去り、私たちはやることもないので車内でお昼ご飯を食べることに。メニューは、日本から持ってきた最後の非常食・アマノフーズの雑炊です。
たらこと鮭を食べたのですが、これがめちゃめちゃ美味しい!!アマノフーズってやっぱりすごい…不安だった気持ちも少し和らぎました。
フライトまであと18時間。お昼ごはんを食べ終わった後もやることがなく、写真撮影をして時間を過ごします。こんな時、スターリンクが使えれば電波も入るのですが…昨日のうちにバッテリーをすべて使い切ってしまったんです。考えが甘かった…!この旅は、いつでもスターリンクが必要な旅なんだと改めて実感しました。
一方のザヤさんは、お昼ごはんを食べ終えた後、「少し歩いたら電波が入って電話ができるかもしれないから歩いてくる!」と車から離れていきました。確かに移動して電波入ったら本当にラッキーだからザヤさんに願いを託します。。。
そんなザヤさんですが、2時間近く経っても一向に戻ってくる様子がありません。豆粒くらいまで小さくなったザヤさんの人影は確認していたけど、それ以降完全に見えなくなってしまったんです。。
助けが来て車を乗り換える
結局立ち往生してから2時間半、ザヤさんはいないし、電波もないし、これからどうなるのよって不安がどんどんどんどん募っていきます。韓国人の方が戻ってきてもドライバーのザヤさんいないと対応もできないし…。この旅はいろいろあったから、もしかしてザヤさん、もう嫌になっちゃったかな…って考えもよぎります。一度こんなことを考えはじめちゃうと、頭のなかがどんどんマイナスの気持ちに引っ張られてしまう。
そんな気持ちになっていた時、ついにザヤさんが車を連れて戻ってきました!そんな私たちのヒーローは、12キロくらいの距離を歩いて助けを求めてくれたみたいです。ザヤさんの姿を見た時、ちょっと目頭が熱くなりました。
実は、ザヤさんを待っている間、車が2台くらい通っていたんです。その度にすがる思いで「この車、ザヤさんか韓国人ツアーの車でありますように!」と見ていたのですが、期待は裏切られ私たちの車を横切っていく。3台目の車でようやくザヤさんが来てくれたので、嬉しさマシマシ増しくらいでした。
ここからは、ザヤさんと車に乗ってやってきた修理士はここに留まり、私たちはザヤさんが新しく見つけてくれたドライバーと「バヤンザク」へ行くという流れで順調に進みました。
バヤンザクまでの道は完全なオフロード。Googlemapでもルートが一切出てこないためどのようにいくのか不安でしたが、新しいドライバーは完全にこの辺りの道を知り尽くした地元の方。1つの迷いもなくバヤンザクに辿り着けました!

さらに、新しい車がトヨタのランクルだったのもスムーズに辿りつけた理由の一つかも。やっぱり車高の高さとかサスペンションの性能とか、さすが世界最強のオフロード車!!

さて、こんな感じで無事にバヤンザクに到着。この後も波乱の1日は続きますが、長くなってしまうため続きは別の記事でお届けします!バヤンザクの様子はこちらから↓
▼追記(旅を終えてから)
私たちがモンゴルを訪れたのは10月前半の秋です。季節によって気温や気候がガラリと変わる地域もあるため、出発前に調べてから行くことをオススメします!
当時のリアルな心境を語ったポッドキャストも公開中です。よかったらチェックしてみてくださいね!