フェズ必見のスポット、色鮮やかな巨大パレットが並ぶ「タンネリ工場」。
この記事では、フェズで有名なタンネリ工場「タンネリ・ショワラ」を訪れた感想をお届けします!撮影のポイントや、しつこい勧誘を避けるコツなど、はじめて訪れる方に役立つ情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
タンネリ工場は、まるで巨大なパレット
まるでミニチュアの世界に入り込んだような場所。
ここはモロッコの「タンネリ工場」です。タンネリ工場とは伝統的な「革なめし工房」のことで、職人たちは色とりどりの巨大なパレットの上を行き交いながら丁寧に革をなめしていきます。
革なめしの終盤の染色プロセスでは、色とりどりの染色桶が活躍します。
井戸ほどの大きさの染色桶に、大きな革をつっこみジャブジャブ、ジャブジャブ。この大きさの革ですからかなりの重労働です。
四角いパレットには鮮やかな色もあり、手前にいる男性は革を青空のような色に染め上げます。まるで、ひとつひとつがアート作品みたい!!
タンネリ工場の基本情報
フランス語で「革なめし工房」を意味する「タンネリ」。
タンネリという言葉は、植物の樹皮から抽出された渋皮成分「タンニン」に由来しており、フェズでは今もこのタンニンを使った伝統的な革なめしが行われています。
革なめしとは、動物の皮を加工して腐敗しにくく丈夫な革にする重要なプロセスで、なめす前のものを「皮」、なめしたものを「革」と呼ぶのが一般的です。
フェズには「タンネリ・ショワラ」「タンネリ・シディムーサ」など、革なめしの工場が複数あります。
私たちが訪れたのは、その中でも最大の規模を誇る「タンネリ・ショワラ」。
ここからは、タンネリ・ショワラまでのアクセス方法や撮影のポイント、そして訪れた感想をお伝えします。
しつこい勧誘を回避!安全なアクセス方法
絶対に行きたいと思っていた「タンネリ・ショワラ」ですが、口コミで多く見かけた「悪質な勧誘」の話が少し心配でした。
その内容はというと…職人たちの作業を見学するためには、必ずお土産エリアを通らなければいけませんが、その道中でしつこい営業に遭うことがあるようです。具体的には以下のような内容。
・何も買わないと出口で待ち構え、 100DHを脅し取ろうとする。
拒否すると、追いかけられて侮辱されることも。
・街中で販売されている価格の 10 倍を請求される。
・工場までの道を案内する「通称ガイド」にお金を渡さないと、侮辱や脅迫をされる。
なかなかタチが悪い…。そんな嫌な思いはしたくないので、何か良い方法はないかと調べたところ「10番の入口から入ると安全」という情報がヒット!!
現地にいけば分かるのですが、タンネリ・ショワラの入口には番号が割り振られています。
その中から「10番」を探して進むのがポイント!もちろん10番なんて情報はGoogleマップには載っていないので、おおよその方向をマップで把握したら後は自分で探しましょう。私たちは幸いにも、そんなに迷わずに辿り着けました◎
事前の情報どおり、10番のルートではとくに変な営業をかけられることもなくスムーズでした!その後も、気の良さそうな方に案内されて工場が見学できるベランダにも難なく到着。
見学の流れ
タンネリ・ショラワへの入場と見学の流れをまとめるとこんな感じです。
①10番入口から建物に入る
建物の間の細い通りを進み、10番入口から中に入ります。
②ミントをもらう
タンネリ工場では動物の皮やさまざまな薬品を扱うため、場内は強烈な臭いがします。
見学の前にお店の人がミントの葉をくれるので、もし臭いが気になる場合は、ミントの葉を鼻にあててリフレッシュしましょう。
③お土産エリアを抜けてベランダへ
④見学・撮影
ベランダからタンネリ工場で働く職人の姿を見学することができます!ベランダの手すりにも動物の皮が干してありました。
⑤お土産エリアを通って出口を目指す
お土産エリアには、色とりどりのバブーシュやバッグが販売されています。このお土産エリアを通る際にたくさんの勧誘を受けます。
⑥10番出口から出る
お土産エリアで何も買わなくてもルール違反ではありません。欲しいものがなかったら無理に買う必要はないですよ!!
タンネリ工場の撮影ポイント
タンネリ工場の見学は3階のベランダからできます。ここでは、職人たちが作業する姿を上から眺めることができ、工場全体の景色をしっかり写真に収められます。
見学できる場所はひとつではなく、入った出口によって見える景色が違います。
職人が作業する様子や色鮮やかな染色桶、革を乾かす光景など、いろんな構図で撮影を楽しめます。望遠レンズと広角レンズの両方を持っていくといいと思います!
ぜひ、いろんな角度からタンネリ工場の迫力を写真に収めてみてください◎
ベランダには猫もいましたよ〜!!日向ぼっこする様子が可愛い。
タンネリ工場はどうだった?正直な感想
タンネリ工場は「臭いが強烈」と噂に聞いていましたが、3階のベランダから見学する限りではそれほど気になりませんでした。もしかしたら、匂いの強さは日によって違うのかな。私たちが見学した時は、つーんと鼻を刺すような独特の匂いがするものの、見学時に配られるミントの葉を鼻に当てなくとも問題なく過ごせるという感じでした。
私たちは職人たちからかなり離れた場所にいたため臭いも軽かったですが、職人たちが日々作業する環境は想像以上に過酷だと思います。
強烈な臭いに加えて、大きな皮を染料にジャブジャブつける作業はかなりの筋肉が必要だし、時には染料に自分自身が浸かって作業することもあります。常に薬品にさらされているこの仕事は、きつくリスクも伴います。
タンネリ工場で働く多くの人は、地方から稼ぎに出てきた貧困層だそう。街中に並ぶ、可愛いカバンやバブーシュ、クッションカバーは、こうした重労働の末に生まれたものだと思うと、何とも複雑な気持ちになりますね…。
日本では見られない光景なので、フェズを訪れた際にはぜひ一度足を運んでみてください!
ポッドキャストでも当時の様子を語っています!ぜひこちらもどうぞ。