2025年“夏のyanakiji旅”は、第一弾・エジプト、第二弾・沖縄合宿、第三弾・オーストラリアを予定しています!!!昨年はマダガスカルやモンゴルの準備でバタバタだったので今年はもう少し余裕を持っていきたいところ…。
この記事では、第一弾のエジプト旅に向けて調査したエジプトの基本情報や見どころなどをお届けします!!
エジプトの基本情報
エジプトってどんな国?
アフリカ大陸の北東部に位置するエジプト。中東とアフリカ大陸を繋ぐ地政学的に重要な国であると同時に、Henley & Partnersが2024年に発行した「The Africa Wealth Report 2024」によれば、エジプトはアフリカの裕福国ランキングで2位にランクインしており、経済面でも注目されています。

また、都市別で見ても、エジプトの首都・カイロはアフリカの裕福な都市ランキングで3位の実力。南アフリカのヨハネスブルグ(1位)やケープタウン(2位)といった主要都市と肩を並べています。
現在、新行政首都の建設も進められており、首都機能の一部移転が計画されています。
面積と人口
エジプトの面積は、約100万平方キロメートルで日本の面積の約2.7倍です!
ところが人口は約1億1,000万人。日本の人口は2025年現在、およそ1億2,000万人ですから、エジプトは面積が2.7倍も広いのに人口は日本とほぼ同じなんです。
というのも、エジプトは国土の90%以上が砂漠地帯!

カイロのような都市部には多くの人が暮らしていますが、広大な砂漠に住むのはなかなか大変です。
プチ豆知識
エジプトの砂漠の大部分は「西方砂漠(リビア砂漠)」と呼ばれ、あの有名なサハラ砂漠の一部でもあります。真っ白な砂丘が続く美しい景色も見どころのひとつ!エジプトには他にも、シナイ半島に広がるシナイ砂漠があります。

宗教と国民性
エジプトの宗教は、イスラム教(スンニ派)が約9割を占め、残りの1割がキリスト教(主にコプト正教会)です。公用語はアラビア語。
エジプト人の性格は「陽気(おおらかで適当)でフレンドリー、家族を大切にし、交渉ごとが得意」という特徴があるようです。ただ、これってアフリカ全体に共通する特徴でもありますよね。モロッコやインドに並んで「世界三大ウザい民族」なんて言われることもありますが、実際はどうなんでしょうか?実際に接してみると、おそらく以前に訪れたモロッコとの違いも見えてくるはずなので楽しみです!!
モロッコ旅の様子は以下にまとめています!
エジプトの見どころ
古代エジプトの痕跡
エジプトと言って、一番最初に思い浮かべるのは、砂漠&ラクダと同時にピラミッドとスフィンクスではないでしょうか?特に、カイロ近郊のギザにある三大ピラミッドは有名ですよね。

やっぱりエジプトに行くからには「古代エジプト」の痕跡を辿りたい!!ルクソール神殿やカルナック神殿といった遺跡群や、王や王妃の墓が多数発見されている王家の谷など、行ってみたいスポットがたくさんあります。古代エジプトに関しては、次回以降の記事で詳しくまとめますね。
ナイル川
エジプトには、世界最長の川「ナイル川」も通っています。
アフリカ中部のビクトリア湖、エチオピアのタナ湖を源流とし、タンザニア、ウガンダ、エチオピア、スーダンなど11カ国を南北に縦断するナイル川。その全長はなんと6,695kmです!!!これってどれくらいかイメージつきますか?
日本列島がおよそ3,000kmなので、日本の北から南までを往復しても足りない長さ。あまりに壮大すぎますよね…。ナイル川の下流部は「古代エジプト文明の発祥地」とも言われています。

日本との関係性
日本とエジプトは、古くから深い交流があるわけではありません。しかし、現在のエジプトは非常に親日的な国として知られています。
ここからはその理由を掘り下げていきますが、はじめに軽く触れておきたいのが「エジプトでも日本のアニメは大人気」ということ。海外で人気のアニメ作品といえば『ワンピース』や『ナルト』をイメージしますが、エジプトでは『僕のヒーローアカデミア』の方が人気なのだそう。日本ほどの熱狂ぶりではありませんが『鬼滅の刃』の劇場版も上映されています。
現地では日本語音声でアラビア語字幕での上映が一般的。ぜひ、現地の人に好きなアニメを聞いてみたいです!!
日本のエジプト支援
さて、上記で「エジプトは親日である」という話をしましたが、その背景には日本のエジプトに対する長年の支援があります。特に注目すべきは、カイロ近郊のギザに建設された大エジプト博物館。(2024年10月16日に常設展示場の試験公開を始めたこの博物館は、2025年7月3日に全面オープンを予定していましたが中東情勢の悪化により延期が決まりました)
大エジプト博物館は世界最大級の博物館で、ツタンカーメンの黄金のマスクなどがカイロのエジプト考古学博物館から移され、最終的には10万点以上を収蔵する予定と言われています。そうなると、お金もかかってきますよね。。

実際、総工費は10億ドル以上(約1450億円)という巨大プロジェクトですが、実は日本政府が半分以上を円借款として支援したほか、収蔵品の保存・修復にも技術協力しているのだそうです。(円借款とは、開発途上国に対して低利で長期の緩やかな条件で開発資金を貸し付けること)
半分以上の支援って、すごくないですか?
さらに!アフリカでの日本の円借款供与国ランキングを見ると、エジプトが約9,000億円でダントツの1位。2位のモロッコが約4,500億円、3位の南アフリカが約3,500億円ですから、エジプトへの支援額の大きさが際立っています。地下鉄建設でも日本の存在感は大きく、エジプトのカイロ地下鉄4号線建設にJICA(国際協力機構)が443億円を融資、地下鉄車両も三菱商事が受注しているのだそうです。
日本のエジプトへの支援は1954年の技術協力から始まり、1973年に無償資金協力、1974年には円借款が供与されました。実は、70年以上にわたる協力関係なんです。
なぜここまで支援するのか?
ここで生まれる疑問。日本はなぜここまでエジプトに対して支援をするのでしょうか?
その理由は、冒頭でも少し触れましたが、エジプトが地政学的に極めて重要な場所に位置しているからなんです。エジプトはヨーロッパや中東とも近く、何よりアフリカの玄関口としての役割を担っています。
また、アフリカの人口は急激に増加しており、2050年には世界人口の25.4%、2100年には37.8%にまで達すると予測されています。そんな成長市場への入り口として、エジプトは日本企業のアフリカ進出の足がかりとなる重要な拠点。円借款によるインフラ整備や経済発展支援は、将来的な日本企業の進出や投資をしやすくする狙いもあります。
プチ豆知識
エジプトが地政学的に重要な理由の一つが、スエズ運河の存在です。
この運河、実は世界の貿易にとってとても重要なルートです。エジプトはアフリカ大陸の北東部にあって、すぐ隣にはアジア大陸があります。本来なら陸続きで船は通れないはずですが、スエズ運河のおかげで、船がアフリカとアジアの間を楽に通れるんです。
例えば、日本の製品をヨーロッパに運ぶとき、スエズ運河を通れば、アフリカ大陸の南端をぐるっと迂回する必要がなくなります。JETRO(日本貿易振興機構)のレポートによると、スエズ運河を通る「紅海ルート」では片道およそ25〜50日で到着しますが、迂回する場合は片道14日ほど余分にかかるようです。
スエズ運河は、燃料費や人件費もぐっと節約できる、まさに海上輸送の「時短ルート」なんです。

スエズ運河はエジプト政府にとって重要な外貨収入源でもあり、年間約90億ドル(約1.3兆円)の収益をもたらしています。また、スエズ運河にかかる唯一の橋は、日本の無償資金協力(1997年度~2001年度、135.7億円)により建設されたもので、中東の平和の架け橋となっています。

日本の貿易にとっても極めて重要な地点であり、エジプトの安定や発展を支援することで、国際物流の円滑化につなげています。
中東・アフリカ安定化への貢献
中東・アフリカ地域は政治的に不安定な要素を多く抱えています。エジプトの安定を支えることは、テロや難民問題の抑制にもつながり、日本を含む国際社会全体の利益となります。エジプトは古代の魅力だけでなく、現代においても日本との深い結びつきを持つ重要なパートナーなんです。
旅行で訪れる際は、こうした現代的な側面も知っておくと、より深くエジプトを理解できるはずと思い、最初にまとめてみました!次回は、いよいよ古代エジプトの世界に遡って、その神秘と魅力を徹底解説していきます。古代ファラオたちの足跡を辿る旅の準備…お楽しみに!!
こちらのテーマについてポッドキャストも公開しています!よかったらこちらもチェックしてみてください。