古代エジプトファンなら一度は訪れたい聖地、王家の谷。
ついにこの目で見てきましたので、感想を二回に分けてたっぷりお届けします!第一弾の今回は、あの黄金のマスクで知られる「ツタンカーメン王墓」について。第二弾ではラムセス5世&6世の王墓をご紹介します。
王家の谷とは?
王家の谷は、古代エジプトの新王国時代に、古都・テーベ(現ルクソール)の山腹につくられた岩窟墓群。これまでに24の王墓を含む64のお墓が発見されています。

新王国時代よりも前のファラオたちはピラミッドに埋葬されていましたが、盗掘の被害があまりにも大きかったため、トトメス1世(別の記事でご紹介するハトシェプスト女王のお父さんです!)がお墓のありかを隠す目的で、見つかりにくい山腹につくったのがはじまりとされています。

とはいえ、王家の谷に建てられた墓も、長い歴史の中で盗掘の被害に遭ってきました。そんな中で奇跡的にほぼ完全な形で見つかったのがツタンカーメンのお墓。副葬品がしっかり残されていたことから、当時の文化を知る“世紀の大発見”として世界を驚かせました。

現在、王家の谷は完全に観光地化されており、敷地内もカートに乗って移動できます。まさに大人のディズニーランドです!!

営業時間
夏季:午前6時〜午後5時まで
冬季:午前6時〜午後4時まで
ラマダン中:午前6時〜午後4時まで
入場チケット
入場チケットは窓口もしくはオンラインで購入可能です。
王家の谷の入場料は、2025年10月時点で50エジプトポンド。ただし、ツタンカーメン王墓やラムセス5世&6世王墓などの一部のエリアは、入場料にプラスして料金を支払う必要があります。ツタンカーメン王墓は700エジプトポンドでした。
窓口でチケットを購入する場合も、最新の営業時間や入場料金は以下のオンラインサイトで事前に調べてから訪れると良いと思います◎
オンラインチケット購入サイト(エジプト観光古物省公式):https://egymonuments.com/book-date/13


ちなみに、王家の谷の駐車場から入り口(チケット売り場)までは徒歩でおよそ3分。道の両脇にはお土産屋さんがずらりと並んでいるためあちこちで声をかけられましたが、しつこく引き止められるようなことはなかったです。

ツタンカーメンの墓が有名なワケ
ここからはこの記事の本題、ツタンカーメン王墓について詳しく触れていきます!
少年王「ツタンカーメン」
ツタンカーメンは新王国時代のファラオのひとりです。
わずか9歳で即位し、18〜19歳ごろに若くして亡くなったとされる少年王。治世そのものは短かったため大きな業績は残していませんが、当時の宗教政策を変えたことで知られています。父とされるアクエンアテン(アメンホテプ4世)が推進した一神教的な信仰から、従来の多神教やアメン神信仰を復活させ、新しい神殿を建造しました。
黄金のマスクで一躍有名に!
そんなツタンカーメンが有名になったのは、1922年にイギリスの考古学者ハワード・カーターが彼のお墓を、未盗掘のほぼ完全な状態で発見したためです!
お墓の中からは、ツタンカーメンが実際に身につけていた黄金のマスクをはじめ、5000点を超える副葬品が見つかり、古代エジプトを知るための大きな手掛かりとなりました。世紀の大発見とされ、ほぼ無名の存在だったツタンカーメンが瞬く間に世界中の人々に知られるようになったのです。

さらに、発掘作業中に関係者が相次いで短期間のうちに亡くなったことから「ツタンカーメンの呪い」といった噂も広まり、世間の注目を集めました。実際は、当時のメディアが虚偽の情報や想像を膨らませて報道したことが真相みたいですけどね!
実際に入ってみた!ツタンカーメン王墓の中
未盗掘の状態で見つかったというだけあって、実際ツタンカーメンのお墓は王家の谷の中でもわかりにくい場所にあります。敷地内のマップを見て墓の前までは難なく辿り着きましたが、入口がとにかくわかりにくい。

谷の合間につくられた、装飾ひとつない控えめな通路を通って入ります。

階段を降りると地下室のような空間が広がっていました。左手には透明のケースに収められたツタンカーメンミイラ。その反対側にはツタンカーメンが収められていた四角い棺が置いてありました。

ツタンカーメンのミイラは3000年もの歳月が経ってるにも関わらず、しっかり形を残しています。

目や鼻の形がちゃんとわかるし、歯や指も一本一本残っていました。

全身が真っ黒なのは、埋葬の際にツタンカーメンの肉体に念入りに樹脂が塗られ、しばしば黒い肌で表される「オシリス神」に似せて仕上げられたものだと考えられています。

また、周りの壁画は金色で描かれており、光の中に包まれているよう。壁画の色は今も鮮やかに残っており神秘的な雰囲気が漂います。カーターがロウソクの光で最初に目にしたときの光景を想像すると、思わず身震いしてしまいます。。

残念…人型の棺は見れず…
訪れる価値があるツタンカーメン王墓ですが、ひとつだけ残念だった点があります。それは…楽しみにしていた人型の棺が展示されていなかったことです。
ツタンカーメンの棺はとにかく厳重。まるでマトリョーシカのように何重にも重なっているんです。発見当時、ツタンカーメンは四重の箱型の棺と、さらに三重のツタンカーメンに似せてつくられた人型の棺の中に収められていました。
「王家の谷では人型の棺が見られる」と聞いて楽しみにしていた私たちですが、実際は新エジプト博物館に移されていて王家の谷では見ることができませんでした。

今は透明のケースに収められたツタンカーメンのミイラと、木製の棺があるのみ。私たちは人型の棺を見ることを楽しみにしていただけに、ちょっと残念な気持ちになってしまいました。。。
それでも、ツタンカーメンの墓は3000年以上前の少年王ミイラと直接対面できる貴重なスポット。ルクソール観光の際は、ぜひ足を運んでみてくださいね!!
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