エジプトの多彩な魅力を満喫。
今日は朝4時出発で、4時間かけてラムセス2世が築いた壮大な「アブシンベル神殿」を訪れ、その後はエジプトの重要なインフラ施設「アスワン・ハイ・ダム」を見学しました。
夕暮れ時には、フェルーカと呼ばれる伝統的な帆船に乗り、ナイル川をゆったりクルーズ。移りゆく景色とともにエジプトの雄大さを全身で感じた、そんな一日でした。
4時間かけてアブシンベル神殿へ!
DAY6の今日も予定は盛りだくさん。まず最初の目的地はラムセス2世が築いたアブシンベル神殿です!

アスワンの宿からアブシンベル神殿までは車で4時間かかるため、運転手のマスリーとは朝4時にホテル前で集合することになっていました。しかし、時間になってもマスリーが来ません…。
誠実で穏やかなマスリー
ここで少し運転手のマスリーについて紹介させてください。
「海外の人は時間にルーズだ」——そう思っている日本人は多いはず。実際、私たちもこれまでの旅でそう感じることがよくありました。けど、マスリーは全然違うんです。
約束の時間にはピッタリ来てくれるし、WhatsAppで連絡すれば即座に返信が返ってきます。しかも、返信の内容も気遣いに溢れていて誠実で穏やかな人柄がにじみ出ているんです◎

そんなマスリーも、前日(DAY5)のハードな旅程でさすがに疲れていたようで今朝はちょっぴり寝坊してしまったみたい。彼に電話をかけてみるとベッドから飛び起きて迎えにきてくれました。
思えば長距離運転に加えてラマダン中だったので、体力的にかなりきつかったはず…申し訳なかったな。。
DAY5の様子とエジプトのラマダンについては以下の記事をご覧ください↓
古代エジプトの街「ルクソール」を巡る!王家の谷や神殿に大興奮
弾丸!ルクソール観光 エジプト旅5日目は、古代エジプトの痕跡が残る「ルクソール」を巡りました。早朝の気球ツアーにはじまり、ツタンカーメンやラムセス5世6世が眠る「王家の谷」、カルナック神殿などを訪れ、気づけば1日で8つも […]
エジプトのラマダンで体験した、心温まる”おもてなし”の真実
ラマダン期間中に訪れたエジプトで、夕暮れ時に不思議な体験をしました。見ず知らずの人々が、通りすがりの私たちに食べ物を差し出してくれるんです。一人、また一人と…断る間もなく食べ物を与えてくれる!気がつけば両手が […]
ドキドキ!アブシンベル神殿までの道中
朝4時過ぎ、真っ暗な中ホテルを出発しました。
アブシンベル神殿まではひたすらまっすぐな道が続きます。道はしっかり舗装されていて、迷う心配もない、そう思って私たちは安心して車に揺られていました。

ところが、今のマスリーにとってこの道は過酷だったようです…。寝不足のうえ、変化のない景色が続く一本道。次第に眠気に襲われたのか、車は制限速度を大きく下回るスピードでノロノロと進み始めました。
私たちが声をかけると一瞬スピードを上げるのですが、またすぐにペースダウン。そんなことを何度か繰り返すうちに、ついに車が左右にフラフラと揺れ始めたのです。
あ、やばい…と思ったその瞬間、マスリーが突然ハンドルを切って車を路肩に寄せ、勢いよく外へ飛び出しました。そして、顔に水をバシャバシャ、バシャバシャ!やっぱり、必死に眠気と闘っていたようです。ハラハラドキドキの道のりでしたが、この一件でマスリーも気合を入れ直してくれて、無事にアブ・シンベル神殿へと到着することができました。
圧倒的なスケールのアブシンベル神殿

アブ・シンベル神殿は、紀元前13世紀にラムセス2世によって建てられた壮大な岩窟神殿で、1979年にはユネスコ世界遺産に登録されました。「大神殿」と「小神殿」の2つがあり、小神殿は最愛の王妃ネフェルタリに捧げられたものです。

実はこの神殿、1960年代にアスワン・ハイダムの建設によって水没の危機に瀕したため、解体・移設されて現在の位置に再建されたという歴史があります。4年の月日をかけて今の場所に移築されましたが、解体された痕跡は見えず移設されたものとはまるで思えません!!

また、王の偉大さを見せつけるかのようにつくられたラムセス2世の巨像や、当時としては珍しい王妃の像も見ものです!アブシンベル神殿については別の記事で詳しくまとめますので、楽しみにお待ちください。
▽MAP
アスワン・ハイダム
アブシンベル神殿を楽しんだ後は、来た道を4時間かけて戻りながら、次の目的地「アスワン・ハイダム」へ向かいました!

このダムは先ほどの章でも名称が出てきましたが、かなり重要なスポット。ナイル川の水をコントロールするために建設された超巨大ダムなんです。

アスワン・ハイ・ダムに到着。世界最大級の人造貯水池「ナセル湖」
アスワン・ハイダムは、ナイル川につくられた高さ111m、全長3,600mの超巨大ダム。近くで見るとそのスケールに圧倒されます。

ナイル川といえば、古代から氾濫と干ばつを繰り返す、変化の激しい川として知られてきました。そのおかげで土は肥えて農業が発展したのですが、人々にとっては水の増減が悩みのタネだったそう。
そんな暮らしを安定させるために建てられたのが、このアスワン・ハイダムです!1960 年に建設が始まり、ソ連の援助(総費用は10億USドルにもなる大事業だったそう)を受けて1970年に完成しました。

おかげでナイル川の水量はコントロールできるようになったものの、今度は川の栄養分が減って農地の土がやせるという新たな課題も生まれました。
そして何より、ダム建設のためにつくられた「ナセル湖」によって古代エジプトの超重要遺跡が沈んでしまうリスクがあることが判明したんです!その超重要遺跡こそが、私たちが訪れた「アブシンベル神殿」です。前述した通り、この危機を逃れるため神殿は細かく切り分けられ、高台に移して再び組み立てるという前代未聞の大移動が行われました。
ちなみに、このナセル湖は貯水量は約1700億m3!世界最大級の貯水池として知られています。


【注意】入場チケットが必要。支払いはエジプトの現地通貨のみ
アスワン・ハイダムを見学するときにひとつ注意したいのが「入場チケットが必要」という点です!
正直、私たちは「ダムだし無料で見られるでしょ〜」なんて軽く思っていたのですが…しっかり有料でした。
しかも、支払いは現地通貨のみ。これまで訪れた観光スポットは、ほぼほぼクレジットカードもしくはUSドル(エジプトでは現地通貨よりもドルの方が歓迎されるため)で支払いOKだったので、私たちはエジプト現地通貨を持っていませんでした。運転手のマスリーになんとか両替の交渉してもらうのですが、窓口では対応してくれず…。

やむをえず、観光客である欧米の方々にも両替をお願いしましたが、やっぱりエジプト通貨は持っていない様子。どうやら観光客の多くがツアーで来ているため、問題なく入れているようです。
最終的には、職員のひとりがこっそりドルと交換してくれて無事見学することができました。個人でアスワン・ハイダムを訪れる方は、現地通貨を用意しておくことをお忘れなく!
▽MAP
エジプトの伝統料理・鳩グリルとの出会い
アスワンハイダムを見学した後は街へ繰り出しました。
時間は午後4時。1時間後にはナイル川で乗船体験を予定しているので、この隙間時間でちょっと早い夜ご飯を食べることに!
お店探しに苦戦
ただ、4時という微妙な時間だけあって良さげなレストランが見つかりません。Googleマップで目星をつけるも「料理が出てくるまでに1時間待った」という口コミが多くて、今の私たちには難しい。
でも「美味しいエジプト料理が食べたい!!」という気持ちが捨てきれず、ダメ元で道端に立っていたホテルの警備員にオススメのお店はないか話かけてみました。
でも、突然だもんね…警備員さんは困った様子でしたが、なんと運よく身なりの綺麗なエジプトの現地のビジネスマンらしき人が駆け寄って来てくれて、オススメを聞くことができたんです!!!
しかも、料理の提供が早くてエジプトの伝統料理が食べられるという、まさに私たちの条件にぴったりなお店でした◎
最高に美味しいエジプト料理を堪能
教えてもらったお店「Al Masry」へ急いで向かいます。「臨時休業だったら困るな…」と少し不安もよぎりましたが、到着してみるとちゃんと営業してました!


足早に席につきメニューを開けると、なんと食べたいと思っていた「鳩のグリル」があるではありませんか!!これは食べるしかない!

注文からわずか数分で、お通しのような料理が届きました。一つは、なんと食べてみたかった「ババガヌーシュ」! ババガヌーシュは、中東特にアラブ世界のレバント地方やエジプトなどで食されている焼きナスの前菜で、焼きナスをタヒーナ(ゴマのペースト)、オリーブオイル、調味料を合わせて作ったものです。

他にも揚げなすやパン、スープが出されて、明らかに日本のお通しの5倍以上の量がありました。どれも美味しい!しかもこのお通し、私たちが注文した料理の料金に含まれているというんです。どういうこと〜最高すぎるじゃない!
.jpg)
時間がかかると思っていた「鳩のグリル」やその他のメインもあっという間に出てきました。シェフが食べ方をレクチャーしてくれて、いざ実食!!

もう一口目から美味しくって感動ものです。肉汁がジューシー!!中にはライスが詰められているのですが鶏の出汁がよく染みています。

どれも本当に美味しくて、私たちの旅の中でも上位にランクインするほど最高のお店でした。最終的なお会計も日本円で3000円ほどでした。たらふく食べて2人でこの値段は安い!!
お客さんの中にはおじいさんとお孫さんらしき2人で来ている人もいて、地元の人々に愛されているお店なんだろうな〜と感じます。
旅ってこういう思いがけない出会いがあるから良いですよね。しかも狙っていてもこういう出会いって訪れない…たいてい時間がない時や期待していない時に来るものなんです。
マスリーとの集合場所へ

お店を出たら街中を歩いてマスリーとの集合場所に向かいます。

街中にはたくさんの屋台が出ていました。食べたかったスイーツ「コナファ」を焼いているお店を発見。

コナファは、細い麺状の生地をサクサクに焼き上げ、その中にナッツやチーズ、クリームをたっぷり詰めた甘いスイーツです。お腹いっぱいだったので今回は見送りましたが、エジプト旅中に食べれるかしら。
街の景色を楽しみながらマスリーと無事に合流し、そのままフェルーカの乗り場へ向かいました。

ナイル川・フェルーカ乗船体験
今回私たちが乗ったのは、「フェルーカ」と呼ばれるナイル川の伝統的な帆船。モーターはなく、風と水の流れだけで静かに進む昔ながらの小型船です。

ゆったりと川面を滑るように進むフェルーカの上からは、アスワンの街並みを一望することができます。

いつもなら、夕日が沈む瞬間を逃すまいとカメラを構える私たちですが、このときばかりは撮影を忘れてただ穏やかな時間の流れに身を委ねていました。
しかも乗客は私たちだけで、マスリーとyanakiji、そして船を操縦してくれた3人組という構成。

そして3人のうち一人は10歳くらいの男の子でした!彼もしっかり仕事をしているんだけど、その姿が頼もしくて、それでいてとっても可愛いんです。

3人で和気あいあいと仲良く操縦する姿はまるで映画のようで、心がほっこり。


ナイルの風に包まれながら過ごした、忘れがたいひとときでした。
国内線でピラミッドの街「ギザ」へ
ナイル川でたっぷり癒されたあと、ついにマスリーとのお別れのときがやってきました。私たちは次の目的地、ピラミッド観光のために国内線でカイロへ戻ります。

空港まで送ってもらい、名残惜しくもマスリーにお礼をしてバイバイ…。マスリーありがとう!!
ラウンジで“コナファ”を発見

出発まではラウンジで時間を過ごしました。このラウンジになんと!屋台で売られていたコナファ(さっきはお腹いっぱいで食べれなかったあのスイーツです)が置いてあったんです!

人気のスイーツなだけあってたしかに美味しい!でも、手作りで焼き立てのものを食べれたら全然感動が違ったと思います。
アスワン→カイロの機内
搭乗時間になり飛行機に乗り込みました!

離陸したら到着まで寝ちゃうのであんまり気にならないのですが、多くの座席が壊れていてもたれかかっただけで後にリクライニングされてしまいます。ゴミも残っててなんだかなぁ…という感じです。
そんな機内でしたが、無事カイロに到着。
ギザのホテルへ
今日はもう遅いので、ホテルまで移動し明日のピラミッド探検に備えます!
…と、ここで最後にびっくりしたことが!空港からホテルまで送迎してくれた兄ちゃんの運転技術が素晴らしかったんです。カイロって交通量が多い割に信号がほとんどないから結構カオス。

だけど、そんな交通事情なんて何のその!緻密に計算しているのか、私たちが乗っている車だけ嘘のようにスイスイスムーズに抜けていくんです。テクノミュージックにノリながら、掻い潜って進んでいく姿はとってもスマートでめちゃめちゃカッコよかったです。疲れてたけど、最後にこれ見れてよかったー!
そんな感じでスムーズに今夜のホテル「White House Pyramids view」まで到着。Pyramids viewという名前がついているだけあって、ホテルからはピラミッドが見えました◎
.jpg)
それでは身支度を整えて寝ます。おやすみなさーい!


当時のリアルな様子は、ポッドキャストでもお話ししています。よかったらこちらもチェックしてみてくださいね!