サメって本当に怖いの?
映画のイメージから“人食い”が先行しがちだけれど、実際には世界に約500種いるサメのうち、人を襲うのはごく一部。事故の多くは誤認や好奇心による接触で、致命的なケースは世界全体でも多くはありません。数字を知ると、恐怖の大きさが現実より増幅されていたことにきっと気づくはず。

海の食物連鎖で上位に立つのは誰?
海の中にはサメより上位に立つ捕食者がいます。それがシャチ。群れで連携し、サメを仰向けにして動けなくさせるなど高度な狩りを見せます。サメが逃げる相手が存在する——この事実は「最強」という単純化をやさしくほどいてくれるのではないでしょうか。
強そうで繊細——サメの感覚世界
サメは光や音、泡に敏感で、近づきすぎるとすっと距離を取る臆病さも持ちます。視覚は輪郭認識が得意ではなくても、嗅覚や電気受容(ロレンチーニ器官)に優れ、微弱な信号で周囲を“読む”。こちらが礼儀を守れば、向こうも静かに同じ水塊を共有してくれるんです。
生まれる前からサバイバル——繁殖の不思議
胎生の一部では、胎内で早く発育した胚が後発の胚を食べる“子宮内共食い”が見られる種もあります。オスは左右一対の交尾器官(クラスパー)を持ち、体勢に応じて使い分ける。交尾時にメスの体を噛んでホールドするため、体表に歯形が残ることもあります。いずれもサメ同士の内輪の話で、人間に向けた攻撃性とは別物です。

サメの“武器”は進化のテクノロジー
歯は回転ベルトのように生え替わり、欠けても即リロードされます。肌は“皮歯”という微細な歯状構造で覆われ、水の抵抗を減らす。競泳用スーツの設計にも応用されたとされるように、サメの体は省エネで効率的に生きるための設計思想に満ちているんです。
旅先で出会うサメは“怖くない入門編”が多い
サンゴ礁の夜を静かにめぐるホワイトチップ、巨体でもプランクトンを濾し取るだけのジンベエ、未来的なシルエットで群れるハンマーヘッド。いずれも人を狙う存在ではありません。距離と礼儀を守れば、怖さより海のリズムの心地よさが勝ちます。

学ぶほどに“怖い”は薄れ、“敬意と好奇心”が濃くなる。臆病で繊細、しかし進化はしたたか。サメは海の先生です。次に出会うとき、少しだけ身近で格好いい存在に感じられますように!!
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