【ウミガメの一生】種類・回遊・産卵・寿命を総まとめ(グレートバリアリーフで出会う前に)

【ウミガメの一生】種類・回遊・産卵・寿命を総まとめ(グレートバリアリーフで出会う前に)

オーストラリア旅行記

海で出会うと、力まず滑るように進むウミガメ。その“無駄のない泳ぎ”に憧れる人は多いはず。ここでは、ウミガメの起源から種類、回遊・産卵のしくみ、寿命や潜水の話、そして保全までを一気に整理します。観察の前に知っておくと、見え方がグッと変わります。

ウミガメはなぜ“泳ぎの達人”なのか?

背側の甲羅は平たく、水の抵抗を減らし、腹側は淡い色で下方からの光に溶け込むカウンターシェーディング。前肢は“オール”のように進行方向を生み、後肢は舵取りと姿勢制御。甲羅表面の色柄は海底環境に擬態し、捕食者から身を守ります。

起源と進化:恐竜時代から続く系譜

カメ類は約2億年以上前に登場し、約1億年前に海へ適応。史上最大級のアーケロンのような巨大種も知られます。海生化に伴い、甲羅の形状や四肢、呼吸・潜水の生理が洗練され、現生ウミガメの省エネ泳法につながりました。

世界のウミガメは7種。グレートバリアリーフで会えるのはどれ?

スイスイ泳ぐウミガメ

世界のウミガメは7種。グレートバリアリーフ周辺では、アオウミガメ/アカウミガメ/タイマイ/ヒメウミガメ/ヒラタウミガメ/(まれに)オサガメに出会えます。体長80〜100cm級の種が多く、食性は植物食(アオ)、雑食(アカ)、海綿食(タイマイ)など種ごとに個性があります。

異彩を放つ“オサガメ”:最大・深潜・特別な甲羅

オサガメは甲羅が硬い鱗板ではなく“皮”に覆われ、背に7本のキール(稜線)を持ちます。体長2m級・体重は平均:300〜500kg(最大記録:900kg超)にもなり、爬虫類としては最深クラスの約1,200mへ潜る能力があります(休息・省エネ時は長時間の潜水も可能)。

どうして迷わない?地磁気コンパスと長距離回遊

ウミガメは地球の磁場の微細な差異を“地図”のように用い、季節の太陽光や嗅覚の手掛かりも組み合わせて数千〜一万km規模の回遊を実現します。人の器材なしに方位を保つ“内蔵コンパス”が、採餌場と繁殖地を結ぶ壮大な旅を支えています。

生まれ故郷へ戻る産卵戦略と“温度で決まる性別”

成熟したメスは夜、ふ化した砂浜へ戻り、後肢で50〜70cmの産卵穴を掘って100個前後の卵を産みます。ふ化は約55〜75日。砂の温度が高いとメスに偏りやすく、気候変動に伴う“高温化”が性比不均衡のリスクとなっています。ふ化直後の子ガメは光(海の反射)を頼りに一斉に海へ。

捕食・光害・人工構造物など多くの障害があり、子ガメが成体になるまでの生存率は約0.1〜1%(1,000匹に1〜10匹程度)と、ごく僅かです。

孵化した子ガメ

寿命・呼吸・潜水の基礎知識

一般的な寿命は50〜100年と推定されます。肺呼吸のため定期的に浮上しますが、休息時は種により4〜7時間程度の潜水が可能。活動時は通常4〜7分程度で浮上します。活動量・水温・種によって潜水時間は大きく変わります。

ウミガメは色覚を持つことが確認されていて特に青〜緑の波長に敏感、嗅覚は採餌・帰巣で重要な役割を担います。

減少の現実と、私たちにできること

脅威は、混獲(漁具誤捕獲)、産卵地の開発・光害、海洋ごみ(特にビニール袋はクラゲと誤認されやすい)、違法採取、気候変動による性比偏り・砂浜の適地減少など。

今日からできる行動:
・使い捨てプラスチックを減らす/正しく分別する
・浜やリーフでのクリーン活動に参加する
・甲羅(べっ甲)由来製品を買わない
・観察時は距離を保ち、光を向けない(特に産卵・ふ化時)

観察メモ:
グレートバリアリーフでよく会うのはアオ(草食・のんびり)とタイマイ(サンゴ礁域で機敏)。
顔つき・口先の形、甲板(鱗板)の枚数・重なりで見分けの糸口がつかめます。
・アオウミガメ:中央甲板4枚、甲板は重ならない
・タイマイ:中央甲板5枚、甲板が瓦状に重なる
・アカウミガメ:中央甲板5枚、甲板は重ならない

ウミガメを観察

出会えたら、進路をふさがず、静かに“道を譲る”のがマナーです。

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