オーストラリアはなぜ“地球の縮図”と呼ばれるのか?
オーストラリアは世界で唯一、大陸全体が単一国家で構成された国。
国土面積は世界6位で、日本の約20倍にもなります。砂漠、熱帯雨林、山岳地帯、そして2,000kmにおよぶサンゴ礁——そう、まるで地球全体の自然をギュッと詰め込んだような国なんです。
この「多様な自然」は、オーストラリアが約4,500万〜5,000万年前に南極大陸から分離し孤立したことに由来します。プレートの中央に位置するため地震が少なく、長い時間をかけて多彩な気候と地形が安定して発達しました。
なぜオーストラリアは乾燥しているの?

オーストラリア大陸の約8割は年間降水量600mm以下の半乾燥地帯。これは、地球規模の大気循環「ハドレー循環」に関係しています。
赤道付近では強い日差しで空気が上昇し、雨を降らせたあと、乾いた空気が緯度25〜30度付近で地表に降下します。この緯度帯は“乾燥ベルト”と呼ばれ、世界中の砂漠(サハラ・ナミブ・アタカマなど)も同じ位置にあります。
オーストラリア中央部のウルル(南緯25度)やピナクルズ砂漠(南緯30度付近)もまさにこの帯の中!


さらに西側の海は南極海流の冷たい海水に覆われ、水蒸気が発生しにくいため雨雲ができません。これが、オーストラリア西部を代表する乾燥地帯を作り出しているのです。
オーストラリア東部に雨が多い理由
一方、東側の沿岸部は豊かな緑に包まれています。
その理由はグレートディバイディング山脈。全長約3,500kmにもおよぶ巨大な山脈が湿った海風を受け止め、山の東側に雨を降らせるためです!

北部(ケアンズ周辺)にはデインツリー熱帯雨林が広がり、南緯16度という赤道に近い位置にあるため熱帯気候。逆に南端のタスマニア島では南極からの冷たい風が吹き、雨が多く冷涼な森林が育っています。
ひとつの国の中に「乾燥砂漠・熱帯雨林・温帯森林」がすべて存在するのは、地球上でも珍しいことです。
奇跡の海、グレートバリアリーフの成り立ち

世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」は全長約2,300km。
約1,800万年前に形成が始まったという説もありますが、今も成長を続けています。暖流が運ぶ温かい海水、浅く光が届く大陸棚、そして地震の少ない安定した地殻。これら奇跡的な条件が重なって、地球最大級の海の楽園が生まれました。
ちなみに、下記のように同じ国でも水温が大幅に異なります!
西オーストラリア南部(夏):20〜23℃
西オーストラリア北部(夏):25〜28℃
東側ケアンズ(夏):28〜30℃
“地球の博物館”オーストラリアを旅して

オーストラリアには、地球上のあらゆる気候と地形が凝縮されています。乾燥する砂漠も、湿潤なジャングルも、氷冷の森も、ひとつの大陸の中に共存している。
それはまるで「地球の進化を一度に見られる博物館」。旅を通してオーストラリアを知ることは、地球の歴史そのものを学ぶことでもあるのです。
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