ソメイヨシノはクローン?桜を学んで花見を4倍楽しもう

ソメイヨシノはクローン?桜を学んで花見を4倍楽しもう

今年も桜の季節がやってきましたね!早咲きの桜だと、すでに満開を迎えて葉がついているものもチラホラ。重度の花粉症でこの時期はツラい思いをしているきじーでも、桜の美しさには毎年大興奮です!…なぜこんなにも桜に魅了されるのでしょうか。

調べてみると、桜の花粉には麻薬と同じ成分である「エフェドリン※」が含まれているのだとか。
※エフェドリン:興奮剤の成分でドーピング検査の指定薬物

だから、桜に近寄るとあんなにはしゃいじゃうのかなぁ…。今回はそんな桜について、桜の代表格である「ソメイヨシノ」を中心に知っておきたい雑学をお届けします!

桜には何百もの種類が存在する!

皆さんは、桜といえばどのようなイメージをしますか?
実は、桜と一口に言ってもその種類は100種類以上あり、もっと細かく分類すれば600種類を超えます。
すごい数っっ!!ただし、この数には交雑種も含まれており野生種はわずか以下の9品種しかありません。

桜の品種は、観賞用と食用の観点からも分けることができます。
食用の桜には、みんな大好きなさくらんぼを実らせる木。一方の観賞用の桜は、お花見などで楽しまれます。
その中でもっとも種類が豊富で桜の代表格といえばソメイヨシノ!ここからは、ソメイヨシノについて詳しく見ていきましょう!

桜の代表格「ソメイヨシノ」ってどんなサクラ?

特徴①:上品な淡い色の花びら

ソメイヨシノの花びらは、白に近い淡いピンク色をしています。とても上品な色ですよね。

咲き始めは淡紅色をしていて、満開になると少しずつ白色に近づくのも面白い特徴です!

特徴②:5枚の花びら

桜の花をイメージしてください、というと恐らくほとんどの人がソメイヨシノの花を頭に思い浮かべるするでしょう。そう、桜の絵やイラストによく使われる、楕円形の花びら5枚からなる桜の花はソメイヨシノのものです。

◆ プチ豆知識 ◆

桜というと5枚の花びらを想像しちゃいがちですが、すべての桜の花びらが5枚なわけではありません。1つの蕾で数百枚の花びらをつけるものもあります。
5枚から10枚の花びらをつける桜は「半八重桜」、10枚以上の花びらをつける桜は「八重桜」と呼ばれます。

特徴③:開花している間は葉をつけない

ソメイヨシノは、花が咲いている間は葉っぱをつけません。
満開になっても葉っぱが出てこないため、ピンク一色の美しい姿を楽しめます♪

ソメイヨシノは人工的に作られたクローン?

エドヒガン × オオシマサクラ = ソメイヨシノ

ソメイヨシノは野生種ではなく、品種改良によって生み出された桜です。
母親的な位置づけの「エドヒガン(江戸彼岸)」と、父親的な位置づけの「オオシマサクラ(大島桜)」という桜を交配して作られました。

ソメイヨシノは、それぞれの以下の特徴が受け継がれています。

・エドヒガンの特徴:
 たくさんの花をつけるため見た目が華やか。花が咲いている間に葉っぱをつけない

・オオシマサクラの特徴:
 香りが強く、特に葉っぱの香りが良い。(桜餅を包む葉っぱとしても使われます!)

クローンってどういうこと?

「ソメイヨシノはクローンである」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
たとえ品種改良によって生まれたとしても、タネから育つ場合はそれぞれのタネによってDNA配列が変わるためクローンではありません。ではなぜ、ソメイヨシノはクローンなのでしょうか?

それは、ソメイヨシノが「自家不和合性」という性質を持っているためです。つまり、ソメイヨシノ同士が自然交配して子孫を残すことができないのです。
※他の品種での交配もできますが、それをしてしまったらもうソメイヨシノではなくなってしまいます。

ソメイヨシノは江戸時代に作られた

現在では、桜といえば一般的にソメイヨシノを指しますが、ソメイヨシノが作られたのは江戸時代後期。江戸時代の前までは花見は貴族の習慣でした。しかし、江戸時代からは庶民も花見を楽しむようになり、桜の文化が広まりました。その結果、多くの桜が作られるようになったのです。

ちなみに、ソメイヨシノは現在全国に数百万本も植えられています。

◆ プチ豆知識 ◆

ソメイヨシノが作られる前は、他の種類の桜が一般的でした。
そのため、江戸時代以前の美術品に描かれている桜は、ソメイヨシノとは異なる葉っぱがある桜が多かったりします。面白いですよね。

鳥居清長作『飛鳥山花見』(18世紀) ※出典:東京国立博物館ウェブサイト

色絵桜樹図皿(18世紀) ※出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム

桜の開花予想にはソメイヨシノが使われる!

毎年ニュースで流れる桜の開花予想。この予想は、主にソメイヨシノを基準としています。

前の章でソメイヨシノはクローンであること、全国に数百万本も植えられていることを説明しましたが、この2つの特徴は開花予想をするうえでとても都合がいいのです。

普通、異なるタネから生まれた桜はDNAが異なり個体差が生まれます。しかし、クローンだと同じDNAをもつため、花が咲く条件が一緒です。そのため、気候状況を加味すればすぐに計算することができます。さらに、全国に広く植えられているので予想も立てやすいのです。

以上の理由から、桜の開花予想にはソメイヨシノが使われています!

開花予想をチェックして花見を楽しもう!

今回は桜に関する雑学について「ソメイヨシノ」を中心にお届けしました!

そろそろ、ソメイヨシノも咲く頃です。今年は暖冬ということもあり開花が少し早いみたい。日本にいる方は、ぜひ開花の様子をチェックして見逃さないようにしてくださいね◎
ポッドキャストでは、ソメイヨシノについて2回に分けて解説しています。良かったら聞いてみてくださいね!

Part①:3月6日配信

Part②:3月11日配信

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