アロマバスは好きだけど、正直ちょっと敷居が高いと思っていた。
精油を量って、垂らして、保管して。
嫌いじゃないけど、毎日はやらない。
一方、市販の入浴剤は手軽だけど、アロマを知ると香りの質は違うし、満足度もたりない。
泡のシュワシュワとか楽しみはあるけどね。
きっかけは、実家から貰ったゆずとレモンが多すぎて、どうにかしないとと思ったから。
ただ、それだけだった。

生の香りは、時間とともに移ろう
最初に驚いたのは、香りが「一定じゃない」ことだった。
- 入浴直後: 少し強い、フレッシュな刺激。
- 数分後: お湯に馴染んで落ち着いた香りに。
- さらに時間が経つと: また違う深みのある香りに。
アロマオイルや入浴剤は、最初から最後までだいたい同じ香りだ。
でも、生のゆずやハーブは違う。時間が経つと、香りの主役が入れ替わる。
これだけで、風呂の時間が少し長く、少し静かになる。
ワンポイントアドバイス:香りを「脳」まで届ける、たった1回の儀式
素材を浮かべたら、湯船に浸かって、一度だけ試してみてほしいことがあります。
1回15秒。鼻から5秒かけて吸い、口から10秒かけてゆっくり吐く。
市販の入浴剤は「ただそこに漂っている香り」ですが、生の素材は「呼吸で取りに行く香り」です。15秒かけて深く、深く呼吸をすると、柑橘の成分が鼻の奥から脳へと直接届くような感覚になります。
それだけで、日常のノイズがふっと消えていきます。
お風呂で深呼吸をする際の注意点
- 「1回だけ」がちょうどいい: 何度も繰り返すと、お風呂の熱も相まって少し頭がクラクラ(過呼吸気味)してしまう。
- 香りを「追いかける」感覚: ゆっくり15秒かけることで「香りの変化を追いかける」ことができる。
最高の組み合わせは「ゆず2つ+ローズマリー」
いろいろ試した中で、一番バランスがよかったのはこれだった。
- 小さいゆず: 2つ
- ローズマリー: 2本(1本は若い木、1本は古い木)
それ以上、何も足さない。
レモンを入れると明るくなるけど、どうしても主張が強い。ラベンダーを足すと整うけど、「設計された感じ」になる。この組み合わせは、最初から最後までずっと調和していた。
足さないほうが、完成度が高いこともある。
素材ごとの「役割」と「扱い方」
レモンは「具材」じゃなくて「アクセント」
レモンも悪くない。ただ、扱い方が全然違う。
- レモンは半分でも強すぎる。感覚的には 1/8未満で十分。
- 果肉は入れず、皮を少しだけ。それだけで空気が明るくなる。(※)
- ゆずと同列に扱うとバランスを崩すけど、「後ろから照らす存在」 だと思うと、ちょうどいい。
お風呂の中では、お味噌汁にいれる七味唐辛子のような存在。
面倒な人は、絞ったレモンをあまり気にせず、少しだけ切って果肉も入れたままでも◎
ラベンダーとローズマリーは「状態」が大事
ハーブも量より状態。
- ローズマリー: 若い枝だと青くて軽い。少し枯れかけの枝のほうが、ウッディで最後まで香りが残る。
- ラベンダー: 香りの主役は「花」。枝や葉だけだと、ほとんど空気係。
だから無理に使わなくていい。あったら使う、くらいで十分。
生の素材を風呂に入れたときの香りの変化メモ
| 素材 | 最初の5分 | 5分以降 | 香りの変化 | 全体の印象・向いている時 |
|---|---|---|---|---|
| レモン | 一気に爽やか。空気が明るくなる | 大きな変化は少ない | 変化は少なめ。最初がピーク | 香りは強く主張する。リフレッシュしたい時、気分を切り替えたい時に良い |
| ゆず | 華やかでやさしい柑橘 | 甘さと皮の深みが出てくる | 時間で香りがはっきり変わる | 主役向き。最初も後半も楽しめる。長く浸かる風呂に最適 |
| みかん(皮) | 甘くてやさしい柑橘 | 少し落ち着き、皮の香りに変わる | 変化は穏やか | とにかく失敗しにくい。最初の一歩に最適。家にあるもので始めたい時 |
| ローズマリー(若い枝) | 青く爽やか。香りは強め | 徐々に消えていく | 立ち上がり型 | さっぱりしたい時向き。短時間の風呂や朝寄り |
| ローズマリー(古い枝・木化) | 土っぽく控えめ | ウッディで深い香りが出てくる | 後半に本領発揮 | 深呼吸したくなる香り。夜風呂、落ち着きたい時に最適 |
| ラベンダー(花) | ふわっと甘く広がる | 空気に残り続ける | 変化は少ないが持続する | 全体を丸くまとめる役。緊張をほどきたい時 |
| ラベンダー(枝・葉) | ほとんど主張しない | うっすら草の香り | 非常に穏やか | 主役にはならない。他の香りを邪魔しない調整役 |
特別なものは不要。みかんの皮から始めればいい
ここまで書いておいてなんだけど、実はゆずやレモンじゃなくてもいい。
みかんを食べたあと、その皮をそのまま風呂に入れる。 それだけでいい。
みかんの皮は香りが穏やかで、失敗しにくい。強すぎず、ちゃんと残る。
「香りを楽しむ」って、材料を揃えることじゃなくて、やり始めることなんだと思った。
結論:香りは生活の中にあるほうがいい
このやり方に、特別な知識はいらない。量も適当でいいし、入れすぎても時間が経てば落ち着く。
市販の入浴剤より簡単で、アロマオイルより自由。
冷蔵庫とベランダと、風呂があればできる。
百円ショップの大きめの三角コーナーの袋を2重にしていれれば、汚くならない。


香りをちゃんと感じると、その日の疲れ方や、天気まで少し分かる。
風呂は、一番身近な実験室だった。
今夜、スーパーに寄ったら、迷わず一番安いみかんを1袋買って帰ってみてください。
きっと、楽しんだ後の『皮』が、あなたを最高の実験室へ連れて行ってくれるはずです。
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※レモンの果肉は入れない方がいいと書いたが義母は果肉入りで、なおかつ湯船でレモンを絞るそう。お肌の問題もあるから万人に勧められるものではないけど、寒い時期に義母はそのレモン風呂に入るのを楽しみにしている。
私も季節の行事が好きで、5月5日には菖蒲湯に入り、冬至にはゆず風呂に入ってきました。
あらためて思うと、昔の人は香りや植物を、暮らしの中で自然に使っていたのかもしれません。
もし現代に同じ感覚で考える人がいたら、きっと一年を通して、季節ごとに「今日はこれを入れてみよう」と思えるようなお風呂を、たくさん生み出してくれたのではないでしょうか。
世界では、ばらの花びらや柑橘類、ハーブなどをお風呂に入れて香りを楽しむ習慣もあり、香りのある入浴は日本特有のものではありません。
そう考えると、特別な知識や道具がなくても、今日のお風呂に「何かひとつ入れてみる」だけで、少し違った時間が生まれるのかもしれません。
みかんの皮でも、庭のハーブでも、季節の花でも構いません。
香りを選ぶことは、暮らしの中で季節や自分の気分に目を向ける、小さなきっかけになる気がしています。
でも湯船があれば、天国じゃないかと思ってしまう。
それくらいお風呂が大好きです。』 .
FAQ|香りを楽しむお風呂について
市販の入浴剤じゃなくても、香りのあるお風呂は楽しめますか?
十分に楽しめます。
柑橘類の皮やハーブなど、身近な自然素材でも香りはしっかり感じられます。
特別な入浴剤を用意しなくても、家にあるものを使うだけで、いつものお風呂の印象は大きく変わります。
みかんの皮をお風呂に入れても意味はありますか?
あります。
みかんの皮には自然な柑橘の香りが残っており、お湯に入れるとほんのりとした香りが広がります。
強すぎないため、リラックス目的のお風呂にはちょうどいい香りで、気軽に試せる方法です。
柑橘類やローズマリーなどは、どうやってお風呂に入れるのがいいですか?
皮やハーブをそのまま入れても問題ありませんが、気になる場合はガーゼやお茶パックに包むと後片付けが楽になります。
香りを強くしたいときは、軽く潰したり刻んだりすると、より香りが立ちやすくなります。
香りが強くなりすぎることはありませんか?
自然素材の場合、香りが強くなりすぎることはあまりありません。
ただし量を入れすぎると好みが分かれるため、最初は少量から試すのがおすすめです。
物足りなければ、次回少しずつ増やして調整できます。
香りのあるお風呂は、毎日やったほうがいいですか?
毎日続ける必要はなく、むしろ柑橘類などは毎日使わない方がよいと感じています。
香りに慣れてしまったり、刺激を強く感じることがあるため、1日おきや、気分を切り替えたい日に取り入れるくらいがちょうどいいです。
特別な習慣にしすぎず、「今日は使う日」「今日は使わない日」と選べる余白を残しておく方が、長く楽しめます。
柑橘やハーブを入れるお風呂は、どんな人に向いていますか?
強い香りが苦手な人や、市販の入浴剤が肌や香りの面で合わなかった人に向いています。
柑橘の皮やハーブなどの自然素材は、香りがやわらかく、時間とともに変化するため、主張しすぎない自然な香りを楽しめるのが特徴です。
また、人工的な香料や添加物が少ない分、香りに奥行きがあり、深く息を吸いたくなるような感覚を好む人には特に相性が良いとされています。
柑橘やハーブを入れたお風呂は、追い焚きしても大丈夫ですか?
柑橘の皮やハーブを入れたお風呂は、基本的に追い焚きせず、その日のうちに流す前提で楽しむのがおすすめです。
自然素材は細かい繊維や成分が残りやすく、追い焚き配管やフィルターに影響する可能性があるためです。
気になる場合は、ガーゼやお茶パックに包んで使うと後片付けもしやすく、安心して楽しめます。
柚子風呂や菖蒲風呂のような行事のお風呂も、香りを楽しむ方法ですか?
はい。柚子風呂や菖蒲風呂は、昔から季節の節目に香りを楽しむための習慣として親しまれてきました。
特別な入浴剤を使わなくても、旬の植物をお風呂に入れるだけで香りを感じられるのが特徴です。
こうした行事のお風呂も、香りを通して気分を切り替える方法のひとつと言えます
※この記事で紹介している方法は、特別な道具や入浴剤を使わず、身近な素材で香りを楽しむための一例です。感じ方には個人差があるため、自分に合った量や頻度を探しながら試してみてください。