ユキヒョウの生態に迫る!もこもこロングな尻尾や優しい出産

ユキヒョウの生態に迫る!もこもこロングな尻尾や優しい出産

今回お届けするのは、きじーが愛してやまないユキヒョウの生態について。
この記事をご覧の方々の中にも、ユキヒョウのかっこよくも愛らしい見た目に魅了されているユキヒョウファンがたくさんいることでしょう!この記事では、ユキヒョウの身体的特徴や優しい出産について解説します。

ユキヒョウの体重、生息場所は?

種属哺乳網 食肉目 ネコ科 ヒョウ属
体長オス)104〜125cm / メス)86〜117cm
体重オス)25〜55kg / メス)25〜55kg
生息地中央アジア、ヒマラヤの高地
推定個体数約7,000頭(絶滅危惧種Ⅱ類)

モフモフした白っぽい毛皮が特徴的なユキヒョウ。
ネコ科には、ユキヒョウと同じ白色の毛皮をもつ動物としてホワイトタイガーやホワイトライオンがいます。しかし、これらは元々の固有種が白色に変化した変種で、ベンガルドラからの変種とも言われています。

一方のユキヒョウは、ベンガルドラから変わった変種ではなく、実はヒョウの単一種属なんです!単一種属というのがポイントで、動物学的にユキヒョウがオリジナルに近いということです!!オリジナルに近いということは、ユキヒョウは元から毛皮が白だったということ。ユキヒョウにロマンを感じます。

ちなみに、黒い毛皮をもつ「クロヒョウ」がいますが、これはヒョウが突然変異して生まれたものです。

ユキヒョウは、チベット高原を中心に、中央アジアやヒマラヤの標高3,000~6,000mの高地に生息しています。獲物や雪の状況にあわせて、夏季は標高の高い場所、冬季は標高の低い場所に移動して生活します。
また、岩場や草原、高さの低い針葉樹林などを好みます。

プチ豆知識

ユキヒョウは絶滅危惧種に指定されています。
その主な原因は生息地の減少や密猟によるものです。人口の増加や温暖化によって生息域が減少したことに加えて、毛皮や漢方薬の原料を目的に密猟が行われました。

これにより、かつては3,000頭まで個体数が減少しましたが、現在ではその倍以上に復活してきています!

現在も絶滅危惧種リストに掲載されてはいますが、危険度は最も低い「VU(絶滅危惧種Ⅱ類)」に分類されています。実際、ユキヒョウの生息地に住む人々によれば、「わりと見かけるよ」とのこと!

ユキヒョウは生態系の頂点に位置する重要な動物(絶滅すると生態系が大きく崩れる恐れがある)であることから、絶滅危惧の危険性が下がってきた今も注目されています。

ネコ科の中で最も長い尻尾

一般的なヒョウは細くスタイリッシュなイメージですが、ユキヒョウは丸顔で足も短く、ずんぐりむっくりした愛らしい姿が特徴的!体長も1mほどで、ヒョウやヤマネコよりも小さいです。

ただし、これは尻尾を含めなかったらの話。

実は、ユキヒョウの尻尾はとっても長く、体長の75%〜90%にも及びます。
尻尾の長さだけを比べると、ユキヒョウはネコ科の中でトップです!!

この長い尻尾があるから、凸凹した道が多い高山地帯のような不安定な場所でもバランスを取ることができます◎

プチ豆知識

ユキヒョウは、自分の尻尾を噛むクセがあります!
尻尾を噛む行動にはいくつかの理由があるみたい。一部の説では、寂しさやストレスを感じた時に取る行動とされています。尻尾が長くて重いから持ってるんじゃないか、といった実用的な説もあるようです…!

ユキヒョウの毛皮と鼻の秘密

ユキヒョウが住む山岳地帯は、冬は氷点下にもなるような極寒地域。この厳しい冬を乗り越えるために、フサフサの毛皮を持っています。

ユキヒョウは寒さに強いものの夏の暑さは苦手。そのため、季節ごとに毛皮の衣替えをします。暑い夏に備えるために、冬の間におよそ12cmまで伸びた毛も、夏には3cmほどになるようです。

温度調節をするための大きな鼻の穴

鼻の穴が大きいのもユキヒョウの特徴です。これも冬の厳しい寒さを乗り超えるために進化した証拠◎
写真で比べると、ユキヒョウの鼻の大きさがよく分かりますね!

冷たい空気は鼻の穴で温められながら体の中に入っていきます。ユキヒョウは鼻の穴が大きく進化したことで、より多くの冷たい空気を効率的に温めることが出来るようになりました!

吸い込んだ冷たい空気は、肺に届くころには体温に近い温度になっているため、極寒地域でも寒さをあまり感じずに過ごすことができます。

ユキヒョウの鳴き声

鼻を鳴らすようなくぐもった鳴き声…。実は、ユキヒョウは大声で吠えることができません!
大きな声で鳴くことができないため、雪山でメスとオスが出会うのも一苦労なんだとか。

愛情深いユキヒョウの母親

大型ネコ科の中では珍しく、ユキヒョウの繁殖には季節性があります。
1月から5月にかけて交尾をし、その後90〜105日の妊娠期間を経て子どもを産みます。

通常、1回の出産で生まれる子どもの数は2〜3頭。

ユキヒョウは洞窟や岩間で出産をします。その出産方法が特殊で、子どもを産み落とす「産座」と言われるものです。

ユキヒョウは産んだ子どもが怪我をしないように、ふかふかの絨毯の上に産むのだそう。そのふかふかの絨毯は、なんと母親の体毛で出来ています!出産する前に母親は、自分の毛を抜いて絨毯を作るのです。なんて優しいのでしょうか!!

生まれた直後の子どもは300〜600gほどで、目はまだ開いていません。
生後7〜9日ほどで目を開き、生後2ヶ月にもなると離乳して固形物を食べるようになります。この間も、愛情深いユキヒョウの母親は、もこもこ尻尾で子どもを温めるのです。

いつか野生のユキヒョウを見てみたい

今回はユキヒョウの生態についてお届けしました!フサフサの毛皮や長い尻尾が持つ役割など、極寒の雪山で生き抜く生存戦略が分かりましたね。
yanakiji旅でも、いつか野生のユキヒョウを見ることが出来ますように。

ポッドキャストではこのテーマを2回にわたって解説していますので、よかったらこちらも聞いてみてくださいね!

【第1回】

【第2回】

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