マダガスカルの大地が生み出した、唯一無二の植物園。
今回は、トゥリアラの人気観光スポット「アンツカイ植物園」をご紹介します!ここでは、マダガスカル原産の多肉植物や、絶滅の危機にある貴重な植物たちを間近で観察できます。植物好きにはたまらない場所ですが、実はそれだけじゃないんです。園内を歩けばヤモリやカメレオンにも遭遇!きっとワクワクすること間違いなしです。
今回お届けする内容
アンツカイ植物園とは
マダガスカル南部の港町・トゥリアラにあるアンツカイ植物園。生垣に囲まれた広大な40ヘクタールの敷地には、900種類もの植物が生育しています。そのうち90%がマダガスカル固有種で、さらに80%は薬効があると考えられている貴重なもの。中には絶滅の危機に瀕している植物もあります。
ここでは、植物だけでなくネズミキツネザルや34種の鳥類、25種の爬虫類も生息しており、歩くたびに新しい発見があるのも魅力のひとつ。
園内は、植物園のガイドさんと一緒に歩いて巡ります。知識豊富なガイドさんの解説を聞きながら進むと、植物の奥深い世界にどんどん引き込まれます◎
今回は体調が優れなかったため、1時間ほどの短めのツアーになりましたが、それでも見どころが満載!珍しい植物が多く、元気だったら2時間はじっくり楽しめたはずです。
アンツカイ植物園で見た植物・動物
パキポディウム(Pachypodium)
「パキポディウム」は、「キョウチクトウ科 パキポディウム属」に属する木本(もくほん)植物の総称です。
マダガスカルやアフリカを原産地とし、世界に約25品種が存在。根元がぷっくりと膨らんだものや、ずんぐりとした幹を持つものなど、種類によって姿かたちが異なります。そのユニークな見た目から観賞用植物としても人気ですが、全種がワシントン条約附属書に指定されており、輸出入には何らかの制限が設けられています。
アルアウディア・モンタグナキー(Alluaudia montagnacii)
「アルアウディア・モンタグナキー」はマダガスカル固有の植物で、主に南西部の乾燥した海岸沿いに分布しています。高さは10mにも達するノッポな植物ですが、最大の特徴はなんといっても全身を覆う無数の棘!!
うっかり触れると痛そうですが、その棘の隙間から顔をのぞかせるハート形の葉っぱがとても可愛いんです。この個体(↓)は、まだ棘が小さいのでわかりやすいかも◎
アアソウカイ(Pachypodium geayi)
根元がぷっくりと膨らんだ「アアソウカイ」は、最初に紹介した「パキポディウム」属の一種!幹全体が鋭い棘に覆われているのが特徴です。
日本人なら抑揚をつけて読んでしまいそうなこの名前、、実は漢字で「亜阿相界」と書きます。これは、原産地であるマダガスカルが、アジアとアフリカの境界に位置することに由来しているのだそう。亜細亜(アジア)の「亜」と阿弗利加(アフリカ)の「阿」を組み合わせ、「亜阿相界(ああそうかい)」と名付けられました。
ウチワサボテン
「ウチワサボテン」は、その名の通り「うちわ」のように丸く平べったい形が特徴のサボテン。もともとは南北アメリカ原産ですが、15〜16世紀の大航海時代に船で各地に持ち込まれ、現在では世界のあちこちで見られます。
開花時期になると、平らな茎の先端に鮮やかな花を咲かせるのも魅力のひとつ。また、茎の部分は食用としても利用されることがあるようですよ!
ユーフォルビア・プラギアンサ(Euphorbia plagiantha)
ユーフォルビア属は2000種以上を誇る大きな植物群で、その形態は一年草や多年草、多肉植物、低木などさまざま。その中のひとつ「ユーフォルビア・プラギアンサ」は、マダガスカル固有の多肉質ハーブで、棘のない茎をもち緑黄色の花が特徴です。この種は、IUCNのレッドリストで「LC(軽度懸念)」に分類されています。
ユーフォルビア・オンコクラータ(Euphorbia oncoclada)
「ユーフォルビア・オンコクラータ」は、上記で紹介した「ユーフォルビア属」のひとつ。
マダガスカル原産で、枝分かれしてニョキニョキと細長く伸びた茎が特徴です。夏型の多肉植物なので比較的日光を好みます。
アデニウム(Adenium)
美しい花を咲かせることで知られる「アデニウム」。その花の美しさとは対照的に、ぷっくりとした太い根元が特徴的な塊根植物です。アデニウムは、主に東アフリカからアラビア半島、マダガスカルに生育しています。
シノビヒルヤモリ(Phelsuma mutabilis )
「シノビヒルヤモリ」は、マダガスカルに生息する小型のヤモリで、細長い体と滑らかなうろこ状の皮膚が特徴です。また、ヤモリの中では珍しく日中に活発に行動する昼行性。体温を上げて生理機能を最適化するため、日光浴もするんだとか。食べ物は主に昆虫ですが、蜜や熟した果物を食べることもあります。
パンサーカメレオン(Panther chameleon)
「パンサーカメレオン」は、カメレオンの中でもよく知られた種類で、主にマダガスカルに生息しています。片足浮かせてすごい格好です…笑
通常、体の色は緑色ですが、住んでいる地域によって青緑色やオレンジ色、茶褐色など、さまざまな色合いに変化します。比較的大人しい性格なので、ペットとしても人気です。
マダガスカルサンコウチョウ
「マダガスカルサンコウチョウ」は、主にマダガスカルとコモロ諸島に生息しています。オスは写真のような長い尾羽を持っています。一方のメスは長い尾は持ちませんが、なんと生後3年ほどで「赤褐色型」と「白黒型」という、色の違う2つの種類に分かれる珍しい特徴があります。
アンツカイ植物園のアクセス・営業時間
アンツカイ植物園は、トゥリアラの中心地から南東へ12km、車で約20分の距離に位置しています。道路はアスファルトで舗装されており、アクセスも良好。私たちが訪れたときの営業時間および入場料は以下の通りでしたが、念のため訪れる前に最新の情報を確認されることをオススメします!
・営業時間:7:30〜17:30
・入場料:1人あたり25,000アリアリ
さて、ここからは施設の情報を簡単にご紹介します。
植物園の近くに着くとこのような看板が出てきます↓
この看板を目印に右に曲がると植物園と続く小道に入ります。
小道の途中にはバオバブの標識もあるので、見逃さないように要チェックです!
こちらがアンツカイ植物園です。駐車場はかなり広いです。
レセプションがある建物にはお土産が売っていました。
バオバブパウダーがありましたよ!お値段は25,000アリアリ(日本円で830円くらい)。マダガスカルの中ではかなり高い代物ですが、それもそのはず!バオバブは、食物繊維、ビタミンC、カリウムをはじめとした各種の栄養が豊富で、抗炎症・抗酸化作用があるといわれています。それを凝縮したバオバブパウダーはアフリカのスーパーフードなんです。
建物内は、マダガスカルでは他に見ないほどの清潔感。おそらく外国人観光客をターゲットとしているんだと思います。特にトイレは、マダガスカルで最も綺麗だと言っても過言ではないほどでした!
さらに、植物園には隣接するホテル「Hôtel Auberge de la Table」があります。夜間の植物園を散策する際は、こちらのホテルに宿泊するのがよさそうです!
以上、アンツカイ植物園の情報でした。マダガスカルならではの自然を堪能できるスポットなので、マダガスカル旅を計画されている方はぜひ旅程に組み込んでみてください◎