バオバブづくしの1日。
今日はベコパカからモロンダバへ移動します!その道中で立ち寄ったのは、マダガスカル旅のハイライトのひとつ「バオバブ街道」。ひとつひとつのバオバブが壮大で、目の前に広がる光景はまさに「これぞマダガスカル」と言える圧巻の絶景でした。その他にも珍しい形をしたバオバブを見たり、バオバブの実を食べたりと、バオバブ三昧の1日を過ごしました◎
フェリーで川を渡る
ベコパカのロッジを出発
昨日の世界遺産ツィンギでのトレッキングの筋肉痛を引きずりながら、マダガスカル旅6日目がスタートしました。
今日は、朝の5時半に出発するということで4時半に起きて出発の準備をしました。
ベコパカ村は、毎日「計画停電」が実施されており、夕方の17時から21時までしか電気を使うことができません。そのため、日が昇る前の朝4時半は部屋の中も真っ暗…。
懐中電灯の明かりを頼りに荷物をまとめたり、ライトモードにしたスマホをカーテンレールに置いてその明かりの下で化粧を試みたりと、工夫を凝らした準備時間でした。化粧だけは難易度MAX…必死で眉毛を描きました(泣)
朝食は、クレープ、フルーツ、パン、そしてちょっと脂っこい卵焼き。マダガスカルの料理は全体的に油っぽい印象。
ロッジのトイレには、マダガスカルらしい可愛いインテリアが! めちゃくちゃオシャレで、思わず「これ欲しい!」と思っちゃいました。
そんな感じでなんとか準備を終え、霧が立ち込める幻想的な風景を横目にまだ薄暗いロッジを出発しました。
人生初!マンゴーの蜂蜜を試食
いつものように凸凹道を走りながら、イカダに乗るためフェリー乗り場へ向かっていると、マンゴーの木々が生い茂るエリアに差し掛かりました。ここは「マンゴーの並木道」。
マンゴーの木陰では、地元の人たちが長机を出して商売をしていました。
中でも目を引いたのは、茶色の液体が入ったペットボトル。「これは何だろう?」と尋ねると、「マンゴーの蜂蜜だよ」との答えが!人生で初めて聞く「マンゴーの蜂蜜」に、胸が高鳴りました。
しかもその価格に驚き!1.5Lのペットボトルいっぱいに入って、わずか1万5千アリアリ(約470円)。現地でもかなり安いらしく、首都アンタナナリボではこの価格の3〜4倍はするそうです。
運転手のチャールさんが購入した蜂蜜を、私たちにも分けてくれました。
その味はというと……濃厚なマンゴーの風味が口いっぱいに広がり、なんとも贅沢な味わい!ヨーグルトやパンケーキにかけたら最高だろうな、と思わず想像してしまうほど絶品でした。
フェリーで向こう岸へ
再び車に揺られ、フェリー乗り場に到着しました。フェリーが来るまで周辺をブラブラし、そろそろ乗り込む時間になったのですが……なんと、のんびり屋さんのラビさんがいない!!どうやらゆっくりコーヒーを飲んでいたそう、、自由だな笑
ラビさんが戻ってくるまでの間、フェリー乗り場にいた地元の子どもたちと交流。彼らの無邪気な笑顔に癒されながら、楽しいひとときを過ごしました。
今回のフェリーは、いつもの原始的なイカダながらもエンジン付き!車ごと乗り込み、川を渡ります。エンジンのおかげでスムーズに向こう岸へ到着。手漕ぎフェリーとは違って、あっという間でした!
ココナッツの実を道端で食す
イカダを降りた後もひたすらオフロードが続きます。窓の外を眺めていると、ふと目に飛び込んできたのは、野生の七面鳥。何にもない野原にでっかい七面鳥が悠々と歩いていました。
働き物のゼブ牛たちは今日も活躍中。
いくつかの村を通り抜ける途中、ある村で目に飛び込んできたのは、車道脇に山積みになったバレーボール大のココナッツ!これだけ並んでいると試さないわけにはいきません。
お値段は1つわずか80円。あまりの安さに迷わず購入したものの、「さて、これをどうやって食べるんだろう?」と眺めていると、斧を手にしたおじさんが登場。器用な手つきで、ココナッツの先端を鉛筆の芯を削るようにシャッシャと削っていました。最後に直径2cmの穴ができるように切り落としてくれました!
こんな感じ↓
この穴からココナッツジュースを飲みます◎
ジュースの味は思ったよりも薄くあっさり。めちゃめちゃ大好きな味でした。
ココナッツは果汁を飲むだけで終わりではありません!飲み干したココナッツを斧で真っ二つに割り、果肉も食べられるようにしてくれました。
ココナッツの果肉は、白いクリーム状で皮にぴったりくっついています。スプーン代わりにココナッツの皮を使いながら果肉をすくって食べてみると、これがまた柔らかくてクリーミー。まるで濃厚なゼリーのような口当たりでした。
ローカルレストランでお昼ごはん
今日は食べてばかりですが…ココナッツを楽しんだ後は、地元の人々が集うローカルレストラン(食堂)でランチタイムです!メニューのバリエーションはいつもと同じ。山盛りのご飯は自動でついてくるので、チキン、牛肉、魚の中からおかずを1つ選びます。
おかずは小皿にちょこんと乗っているだけなので、ご飯との割合がちょっとアンバランスですが、地元の人たちはおかずの汁やお米の研ぎ汁で作ったお茶(出汁)をかけながら、ご飯を最後まで綺麗に食べきっていました。
一方で、私たち日本人にとって、このお米は…どう表現したらいいでしょうか。タイ米のような細長いお米で、パエリアやリゾットのような料理には合いそうですが、白米として食べるのは正直ちょっと厳しい…。切実に日本米が欲しくなる!
おかずも美味しいのですが、全体的に野生味が強く、油っぽい。日本人の胃には少しヘビーで、なかなか慣れるのが難しいところもありました。
とはいえ、このボリュームとセットでなんと1食160円!驚きの価格ですが、ふと「この値段ならセブンイレブンで鮭や赤飯のおにぎりを買いたいなぁ」と思ってしまったのも正直なところ。
ローカルな風景にほっこり
食堂を出ると若いカップルに遭遇。少しはにかんだ笑顔が、マダガスカルの素朴な雰囲気を表しているように思います。なんて微笑ましいんだ。
また、近くの大きな広場では牛の買い付けが行われていました。マダガスカルでは牛が労働力として欠かせない存在で、家畜の数が多いほど裕福だとされています!
プチ豆知識:山賊と治安の変化
旅が始まる前、マダガスカルについて調べている際に「山賊に気をつけて」という情報をたくさん見かけました。山賊と言っても人を襲うことはほとんどなく、基本的には夜こっそり盗みを働くゼブ牛泥棒。政権交代の失敗によって財産を没収され、牢獄に入れられた人たちがこっそり牢獄を抜け出し山賊となるんだそうです。
山賊はかつて、夜間によく出没するため「夜明けまではその場に留まる方が安全」という情報が多くありましたが、どうやら現在はほとんど見かけません。
なぜ山賊がいなくなったのか…それは憲兵隊のファネバ隊長が行った2つの取り組みによるものです。
①門限の設定:市民が夜間に出歩かないように門限を設定し、夜間の移動を制限。
②市民の顔写真登録:すべての住民の顔写真を登録し、犯罪が起きた際に素早く犯人を特定できるようにした。
この取り組みのおかげで、犯罪の抑止力が強化され山賊活動は激減しました。ただし、犯罪者に対しては非常に厳しい対応が取られており、犯罪を犯した場合、射殺も辞さないという厳格な姿勢が取られているのだとか…。また、2015年頃からは、マダガスカルには驚くことに法律が実質上ない状態なんだとか…。何かあればフランスの法律で判断するとかはあるのでしょうが…。マダガスカルでは法律よりもキリスト教の教えが重視されているそうです。
本日2回目のフェリー
車でしばらく移動したら、またイカダで川渡りです。本日2回目!
今回はあまり待つことなくイカダに乗れました。日中なので暑さがちょっとキツい…陽射しがじりじりと肌を攻撃してきます。
川を渡っていると、変わった形の船にすれ違いました。地元の人たちがたくさん乗っています。
イカダの上から見える風景も相変わらず面白いです。特に目を引いたのは、頭の上に大きな荷物を乗せて歩く人たち。どうやってバランスを保っているのか…!本当に不思議です。。
巨大な「聖なるバオバブ」
最初の目的地は「聖なるバオバブ」。その名の通り、地元の人たちの信仰の対象となっているバオバブです。
その幹の太さと、約30mにも及ぶ高さには圧倒されるばかり。この木は“2代目”とされており、初代のバオバブは近くに作られた水田の影響で根腐れし倒れてしまったんだそうです。
このバオバブは他の木々とは異なり塀で覆われており、中に入るには靴を脱いで裸足になるのがルール。
塀の中では、お賽銭とともにバオバブに祈りを捧げます。両手をバオバブにつけてお祈りすると、捧げ物の代わりに何か良いことが起こると信じられています。お賽銭の他に、ジュースやキャンディをお供えすることも多いそうですよ!
聖なるバオバブの近くには、住宅街にそびえ立つ巨大なバオバブが!すごいところに立ってますよね。また、タクシーブルースに乗る人々もいました。
聖なるバオバブを見終えた後は、再びオフロードを進み次の目的地へ向かいます。その途中、20人ほどの少年たちに車を取り囲まれるという出来事がありました。勢いがすごく…外国人の私たちに「お金をくれ」といった訴える声が響き渡ります。
マダガスカルを車で旅していると、叫びながら子どもたちが追いかけてくるのはよくある出来事。
車の話が出たのでここでプチ情報。
プチ情報
マダガスカル人って歩行者のマナーがすごくいいんです。車が近づくと、必ず立ち止まって車が過ぎ去るのを待ちます。これは、日本以上に徹底している様子。
よく4〜5人のグループで荷物を運んで歩いているのを見かけますが、車が近づくとそっと一列になって車道から外れます。そして、そのまま歩き続けるのではなく、車が通り過ぎるまで立ち止まって待機。南米とかモロッコでは車は無視で歩行者が好き勝手やっているので、このマダガスカル特有の慎重さにはびっくりしました。
教育で「車は危ない」と習うのかなと思ったのですが、そういうことではないらしい。こからは私の想像ですが、この地域の村の子どもたちは、車に乗る機会がほとんどなく、実際に乗ったことがない子も多いのかもしれません。そのため、彼らにとって車は「移動手段」ではなく、「危険なもの」という認識が強いのではないでしょうか。だからあんなに徹底して避けてたんじゃないかな。
2本の木が絡み合う「愛し合うバオバブ」
聖なるバオバブの次に訪れたのが「愛し合うバオバブ」!
楽しみにしていたスポットです。この木の何が特別かというとその「形」。2本の巨大なバオバブが恋人同士のように絡み合いながら成長していて、まるで抱き合っているように見えるんです。
このバオバブは、マダガスカルでもすごく珍しい存在。推定樹齢は600年と言われていて、まるで長年連れ添った恋人たちのようです♪
ここでは、バオバブの実も初めて食べました!詳細は以下の記事をご覧ください。
あの有名な「バオバブ街道」へ
「聖なるバオバブ」や「愛し合うバオバブ」で大自然の神秘に触れた後は、いよいよ旅のハイライトのひとつ「バオバブ街道」へ!!
今夜泊まるモロンダバという街から北に約15kmの場所にあるこの場所は、大きなバオバブの木が立ち並ぶ観光地としても大人気のスポット。そして、特に有名なのは夕暮れ時の景色。太陽が沈むにつれて、空と木々が織りなす色彩のコントラストは言葉にできないほどの美しさです。バオバブのシルエットが空に浮かび上がり、その情景はまるで絵画のよう。
「バオバブ街道」の詳しい情報や写真は以下の記事にまとめていますので、ぜひこちらをご覧ください。
マダガスカルの屋台飯
名残惜しくも、バオバブ街道を後にして今日の宿へと向かいました。宿に着く直前で気になる屋台を発見したので立ち寄ってみることに。
透明な保温ケースの中には8種類ほどの料理が並んでいて、どれも食欲をそそるものばかり。やっぱり屋台飯って惹かれるもんがあります。
この後、宿の夜ごはんもあるので少しだけ…と思いつつ、ゼブ牛の串焼き「マキシータ」、ピンク色のじゃがいもを使ったポテトサラダ、マカロニサラダ、キャベツとにんじんのサラダ(ドレッシングのようなもので和えてある)、パスタをつまみました。
マキシータは旅の前から気になっていた食べ物で、小さくカットしたゼブ肉を竹串にさして、特製のタレをつけて炭火で焼いた料理です。串に3つずつ肉が刺さっているのですが、その真ん中が特に楽しみにしていたゼブ牛のコブ部分。事前の評判どおり、ジューシーで濃厚でめちゃくちゃ美味しかったです。これは、何本でもいけそうだ!!!
それ以外の料理も旨い!!唯一、パスタだけは麺が焼きそばっぽくてちょっと脂っこかったかなあ…。
なんにせよ屋台飯は活気があっていいですね◎
モロンダバの宿
屋台飯を楽しみ、ようやくモロンダバの宿に到着!荷物を部屋に置き、少し休憩してからホテルのレストランへ向かいました。今日もフルコース。前菜、メイン、デザートを1種類ずつ頼んでシェアしました。
前菜は、ゼブ牛のカルパッチョとグラタン。屋台で食べたゼブ牛が美味しくてここでも頼んでしまいました!笑
メインは、マッシュポテト付きの牛肉クリームとマッシュポテト付きのチキン煮込み。
デザートは、バニラアイスとバナナたっぷりフルーツゼリー。アイスはココナッツとバニラビーンズがアクセントになって美味しかったです!
さすがにお腹がいっぱいで、もう限界…。今日もドッと疲れたけど仕事もしなきゃ。
少しだけ頑張ってから眠ることにします!!おやすみなさい。
▼追記(旅を終えてから)
私たちがマダガスカルに行ったのは7月後半〜8月前半の乾季です。雨季は1月〜3月で、気候や道路状況がガラリと変わる地域もあります。ぬかるんで通れない道も出るみたいなので、事前に調べていくと良いと思います!
ポッドキャストでは当日の様子をリアルに語っていますので、よかったらこちらもチェックしてみてくださいね!