キリンディの森、動物好きにはたまらない場所でした!
マダガスカルの代表的な保護区「キリンディ森林保護区」。キリンディには、マダガスカルの生態系の頂点に立つハンター「フォッサ」や個性豊かなキツネザルなど、ユニークな動物たちがたくさん暮らしています。この記事では、キリンディで出会えた動物たちをたっぷり紹介します。果たして、フォッサに会うことは出来たのか!?
さらに、撮影のポイントやアクセス情報、宿泊施設の情報もあわせてお届けしますので、キリンディへの旅を計画している方は必見です!
キリンディ森林保護区で出会えた動物一覧
キリンディでナイトサファリとモーニングサファリ、両方体験しました!
さぁ、会えた動物たちを詳しく見ていきましょう。
1.ベローシファカ
2.ブラウンキツネザル
3.イタチキツネザル
4.ピグミーネズミキツネザル
5.ニシフォークキツネザル
6.マダガスカルコノハズク
7.マダガスカルサンコウチョウ
8.アルダブラタイヨウチョウ
9.オニジカッコウ
10.ソメワケササクレヤモリ
11.ビリダシウス
1.ベローシファカ
モーニングサファリで会えたのは、地上を横っ飛びする姿が特徴的なベローシファカ。
前足に比べて後ろ足が発達している彼らは、四足歩行よりも直立で移動する方がバランスが取れることから、地上の移動はもっぱら横っ飛び。…なのですが、キリンディではその姿を見ることができませんでした。
理由は簡単。キリンディは木々が生い茂っているため、ベローシファカが木から降りて地上を移動する必要がないんです!木の上でのんびり、朝の柔らかい日差しを浴びて体を温めていました。リラックスしてて、とても気持ちよさそう。
驚きだったのは、彼らが水を飲まないこと!なんと、夜露のついた葉っぱや木の幹をペロペロ舐めて水分を補給していたんです。ずーーっと葉っぱや木の幹をペロペロ舐めていました。
2.ブラウンキツネザル
朝日を浴びながら、お互いを毛繕いしたり、ぴったりくっついて温まったりする姿は、まるで恋人同士のようでした。面白いことに、ブラウンキツネザルはメスの方がオスよりも体が大きいんです。この2匹は、どちらがメスでどちらがオスだったのでしょうね。
ブラウンキツネザルは樹上生活が主で、木から木へジャンプする姿も目撃!ウンチしながらジャンプしてました(笑)
鳴き声が特徴的で、豚の鳴き声のような『ブヒブヒ』という声を出すんですよ。
キリンディでは別の家族と思われるブラウンキツネザルの集団にも3グループ出会えたので、比較的出会いやすいキツネザルだと思います◎
ちなみに、この場所では「アカビタイチャイロキツネザル」という額が赤毛の亜種も見られるらしいですが、今回会えた子たちは赤毛ではありませんでした。
3.イタチキツネザル
朝と夜、両方のサファリで会えたイタチキツネザル。英語名は「Sportive lemur」と少し変わった名前です。由来は、木に止まる姿がまるでボクサーの構えを連想させるからだそう。
んーー確かに、胸の前で拳を握っているように見えます。
イタチキツネザルは夜行性ですが、体温調節が苦手なため、日中も木陰に出て日向ぼっこをすることがあります。モーニングサファリでは、そんな彼らがひだまりでリラックスする姿を目撃できました!ぽかぽか陽気の中でくつろぐ様子に癒されました。
4.ピグミーネズミキツネザル
とても小さいキツネザルです。サイズ感はネズミくらいで、本当に小さかった!このサイズでキツネザルなんだもんなあ。面白い。
ネズミキツネザルは全部で8種類の存在が確認されており、霊長類最小と言われています。島の北側には、このピグミーよりももっと小さなネズミキツネザルがいるのだとか!
夜行性で大きなクリクリの目が特徴です。じーっと何かを見つめてたかと思えば、ウトウトする場面もありました。
ピグミーネズミキツネザルは、ほとんどの時間を樹上で過ごし、木から木へと軽やかに飛び回る様子はまさに忍者でした!ぷっくりした指先で木にしがみつく姿は、可愛さ満点で見てるだけで癒やされます。
5.ニシフォークキツネザル
名前の由来となった、背中から頭にかけてのフォーク模様がトレードマークのニシフォークキツネザル。
ニシフォークキツネザルも基本的には樹上生活メインです。夕方、日が沈む直前になると巣から姿を現し、大きな声でさかんに鳴き始めます。その鳴き声を使って、群れ同士の距離感を確認したり、メンバーと密にコミュニケーションを取ったりしているのだとか。
こちらをチラリと見ながら、木に顔をうずめる姿を写真にパシャリ。
6.マダガスカルコノハズク
マダガスカルにのみ生息するフクロウ「マダガスカルコノハズク」です。この子は夜行性なのですが、夜行性の猛禽類の中ではマダガスカル最小とされ、短く丸みを帯びた翼と頭頂部からピンと立つ耳飾りが特徴です。(この画像では、木の洞に隠れてて見えませんが…)
日中は木の洞でスヤスヤ眠ります。穏やかに眠るこの姿、守りたくなるほど愛おしい…。
7.マダガスカルサンコウチョウ
マダガスカルサンコウチョウは、マダガスカル、マヨット、コモロ諸島に生息する地域固有種。オスは成長するにつれて、羽毛の色が赤褐色型と白黒型のどちらかに分かれるという珍しい特徴を持ちます。色は生後3年ほどで定着するそうです。
8.アルダブラタイヨウチョウ
アルダブラタイヨウチョウは、インド洋西部の島々が原産で、マダガスカル以外にも、インド洋に浮かぶ「アルダブラ諸島」や「グロリオソ諸島」などに生息しています。
9.オニジカッコウ
ジカッコウの中で最大種とされる「オニジカッコウ」は、全長が60cmを超える大きな鳥。目の周りの青い皮膚と、長く立派な尾羽が特徴です。過去には「マダガスカルジカッコウ」というさらに大きな種がいたそうですが、残念ながら絶滅してしまいました。
10.ソメワケササクレヤモリ
ペットとしても人気のソメワケササクレヤモリは、マダガスカルで一般的な存在で民家の庭先でも見られるほど。全長15cmと小柄な体に、小さな疣(いぼ)があるのが特徴で、胴体の模様は、野生では「暗色に縁取られた明色の横帯が入るタイプ」と、「正中線上に白い縦縞が入るタイプ」の2タイプが知られているようです。一般的なヤモリと同様に、夜行性で昼間は岩の隙間や木の下に隠れて過ごします。
獲物を狙う姿を写真に収めることができました◎
11.ビリダシウス
ビリダシウスは、東アフリカに生息する「ビリダシ科」のクモの単型属でマダガスカルでのみ発見されています。黒い斑点がついた白い甲羅と、黒と白の縞模様が入った長い脚が特徴です。
一番の目玉は肉食獣フォッサ
キリンディ森林保護区の目玉と言えば、マダガスカルの生態系ピラミッドの頂点に立つ肉食獣「フォッサ」。マダガスカル固有の動物でマングースの近縁種にあたります。大好物はキツネザルですが、他にも捕らえられるものならイノシシからネズミまで何でも食べるのだそう。まさしく、最強の捕食者です。
詳しくはこちらをどうぞ。
かつてキリンディ森林保護区では比較的容易にフォッサを見られたそうですが、最近は目撃情報が少なくなっています。なんでも、以前は2匹いたフォッサが、今では1匹になってしまったとか…。この状況は深刻です。
ただ、運が良ければレストラン周辺で廃棄物を漁る姿を目撃できることもあるようですが、私たちは残念ながら会えませんでした。
代わりにはならないですが、モーニングサファリではつい笑ってしまうバオバブがあったのでご紹介。その名は「ミスターバオバブ」。笑
こんなことある!?大笑いして、フォッサに会えずに落ち込んでた気持ちが少し和らぎました。
サファリ中の動物の撮影ポイント
ここでは、サファリ中に動物を撮影するときのポイントをお伝えします!
ナイトサファリ
ナイトサファリは完全に日が沈んでからスタートします。最初の数分だけ夕日のオレンジ色が残っていましたが、すぐにあたりは真っ暗闇に包まれました。
「夜の撮影だからF値が低いレンズが最適だろう」と考え、F1.8の135mmレンズをメインで使うことにしましたが、この予想は見事に外れました…!
ガイドさんがかなり明るいライトで動物を照らしてくれたので、動物は意外としっかり明るく撮影できるんです。さらに、夜行性の動物は遠い木の上にいることが多く、135mmでは焦点距離が全然足りませんでした…できれば600mmの望遠レンズがあったら良かったなぁと思うくらい。
ナイトサファリは夜行性の爬虫類や昆虫にも会うチャンスが高いので、マクロレンズもあるといいと思います!
モーニングサファリ
モーニングサファリはナイトサファリとは逆に意外と暗かったです。
モーニングサファリは朝7時半頃、日の出から1時間以上経過したころにスタートしました。モーニングサファリも歩きですが、基本的に道なき道を進むため、木々が太陽を遮り日の出を過ぎていても地面まで光が届かないのです。
レンズ選びが難しいですが、ナイトサファリ同様動物は木の上にいて遠いので超望遠レンズがいいと思います。時間が経てば、太陽が上に来て徐々に明るくなるので!
また、ナイトサファリ・モーニングサファリ共通の注意点として、木が生い茂っているため動物の顔に枝がかかってしまうことがあります。その際は、アングルを工夫しながら撮影するようにしましょう。
また、三脚を持っていくべきかも迷うところですが、おそらく三脚を立てる余裕はないと思います。私たちはそうでした…さらに、足場には枝がごろごろ転がってるので三脚なしで行くことをオススメします!
キリンディ森林保護区へのアクセス・周辺の観光スポット
アクセス方法
キリンディ森林保護区はマダガスカルの西部、バオバブ並木道の近くにあります。今回私たちは、「アンツィラベ」からアバントライーという街、バオバブ並木道を経由してキリンディ森林保護区まで1日かけて向かいました。かかった時間は車でおよそ12時間でした。
多くの人は、バオバブ並木道のすぐ近くにある、「モロンダバ」という街から向かうみたいです。なぜかというと、モロンダバには空港があるからです。首都のアンタナナリボからモロンダバまで、プロペラ機で1時間のフライトで行けちゃうんです。
マダガスカル滞在日数が少ない方はプロペラ機が良いと思います!
また、モロンダバからキリンディまでは車で2時間程度ですが、公共の交通手段がないので、ガイドつきのドライバーを手配するようにしましょう。
キリンディ周辺の観光スポット
途中に立ち寄った「バオバブ並木道」は、マダガスカルを代表する観光名所。
私たちが通ったタイミングでは、夕暮れに染まるバオバブも見れました!ナイトサファリめがけてキリンディにいく場合はこういった景色にも会えるかも。
キリンディの周辺はバオバブがボンボン立ち並んでいました。時期によってはバオバブの実がなっているので、枝の先も要チェックです!
また、この並木道では、「レオニラ」「フーニー」「ザ」という3種類のバオバブが楽しめます。バオバブの種類を見分けるのは難しいですが、ガイドのラビさんが丁寧に教えてくれました。実でいうとフーニーは丸く、他の種類は楕円形の実をつけるのが特徴だとか。帰る頃には、見分けられるようになりたいな〜!
並木道を過ぎると道は完全なオフロードに…!波打つ土道を車で進むたび、まるでロデオのように車体が揺れます。車が小さいがゆえに頭を天井にぶつけ、ついに額から血が出るというアクシデントもありました…。
サファリで必要なものは?虫除けはいる?
服装
私たちがキリンディを訪れたのは7月末。この時期は、マダガスカルの冬の季節にあたります。この時期、朝晩は厚手のフリースが必要になる地域もありますが、キリンディの夜は思ったよりも寒くなく、Tシャツに薄手の上着を羽織る程度で十分でした。季節によって気温が異なるので、訪れる時期の気候を事前に確認しておくといいと思います!
ボトムスは、移動の最中に枝が刺さることがあるので季節問わず長ズボンが良さそうです。
靴はトレッキングシューズでなくて大丈夫です。森の中を歩きますが高低差はなかったので、スニーカーであれば問題ないと思います。
持ち物
サファリ中は車には乗りません。森の入口から徒歩10分ほどの距離にある駐車場に車をおいて、体とカメラだけで出発しました。ただし、ナイトサファリはヘッドライトも必要です。もしなければ懐中電灯でもいいですが、片手が塞がると写真を撮る時に少し不便だと思うのでヘッドライトをオススメします!
その他の荷物は車に置いて行きましたが、専属ドライバーが車内に残ってくれたので、盗難の心配はなく安心してサファリを楽しむことができました。
サファリが始まるとトイレには行けないので、駐車場にあるトイレに行っておくと安心です。トイレットペーパーもありましたが、衛生面が気になる方は念のため持参すると良いでしょう。
ちなみに、私たちが行った季節が冬だったため蚊はいませんでしたが、夏場はそんなこと無いと思います。他の方の旅ブログでは、蚊が多かったという話も見かけました。
そのため、夏に訪れる予定の方は、しっかり虫除けの対策をしていくことをオススメします!
キリンディのロッジ情報
キリンディでは、近くのロッジ「Relais du Kirindy Hotel」に泊まりました。ウェルカムドリンクのピーチティーがとっても美味しかったです!!
ロッジ内の様子
印象的だったのがバスルーム。5・6畳ほどはある大きなバスルームの端にトレイがポツンとあって、真ん中に洗面台、そしてトイレの反対側に仕切りのないシャワーがただ付いているだけというシンプルなつくりですが、あまりの空間の広さに笑ってしまいました。
さらに、驚いたのがシャワーで、蛇口をひねると、冷たくて茶色い水(泥水)がドバドバ出てくる出てくる。しばらく水を出していたら、透明にはなったものの冷たさは変わらず…。
水風呂は今までの旅でもあったけど、茶色い水が出てきたのは初めての経験です。
ロッジのごはん
ロッジでは、朝ごはんと晩ごはんをそれぞれ1度だけ食べました。
朝ごはんはシンプルで、パン・スクランブルエッグ・アボカド・ヨーグルトでした。
夜ごはんは、フランス料理のコース。前菜、メイン、デザートをそれぞれ1種類ずつ選んで、2人でシェアして食べました。
前菜はかぼちゃポタージュに、なすとボルシチを使った重ね焼き。
メインはワンプレートで、ライスとバターで炒めた野菜、おかずが乗っていました。
おかずはそれぞれ頼んだ、牛肉クリーム煮と蟹。蟹は煮てあって汁がめちゃくちゃ美味しいんだけど殻ががっつり入ってて食べにくかった。牛肉クリーム煮はビーフストロガノフみたいな感じで美味しかったです。でもいずれにせよハイカロリー…。
デザートもボリュームたっぷり。
なんとか口に詰め込みましたが、量が多くてちょっとしんどかったです…。美味しいのだけど、もう少し軽いのを食べたいなぁ〜
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以上、キリンディ森林保護区の情報でした!ポッドキャストでは、当時のリアルな様子を楽しく語っていますので、よかったらこちらもご覧ください!