ゴビ砂漠へ向かうも迷子に!!! GPSも人も頼れない…散々だった日
DAY3

ゴビ砂漠へ向かうも迷子に!!! GPSも人も頼れない…散々だった日

モンゴル旅行記

散々だったゴビ砂漠までの道のり

朝一番に訪れたツァガーン・スワルガでは、満天の星空と美しい朝日を撮影でき、これ以上ない幸せな気分に!しかし、その後ゴビ砂漠を目指す道中で完全に道に迷い、予定より7時間も余計にかかる羽目になりました。。。

この日のルートは①ゲル出発→②ツァガーン・スワルガ→③ダルンザドガド→④ゴビ砂漠のゲル。

夜明け前のツァガーン・スワルガへ

星空撮影

今回のモンゴル旅最大の目的は「満点の星空を撮影すること」でしたので、星撮影のために気合いを入れて3:40に起きました !ゲルでの睡眠時間は寝たり起きたりの繰り返しで多分2〜3時間ほど。

日中撮影したゲルの様子

ゲルの中は、持ち込んだ寝袋のおかげもあってそこまで寒さを感じませんでしたが、ゲルの外はやっぱり寒い…!!車のフロントガラスはキンキンに凍りついていました。

ツァガーン・スワルガで星空撮影

星空撮影は秘境「ツァガーン・スワルガ」にて!

人工の光が全くなく、真っ暗な中、星が全身に降り注いでくるような感覚でした!!
星空の絶景スポットと言われる場所でも、遠くの方に街明かりが見えることはあるけれど、ここはそんなことはなく、世界トップクラスの暗さだと思います。

満点の星空

左下の大きな線は本物の流星ですが、それ以外の短い線はすべて人工衛星でした…!日本では限られた衛星しか見られないので、人工衛星が無数に見られた点では、やっぱりツァガーン・スワルガの暗さは圧倒的。でもやっぱり無数の流星が見たかった!

真ん中の光は月です!

また、驚いたのが…日の出を狙って東側にカメラを設置していたら、東から月が昇ってきたんです!これは新月の時期に近かったため起きた現象ですが、なんだか不思議な感覚でした。

ツァガーン・スワルガは下記の写真のように波打った地形になっています。私たちは崖の上から星を撮りました!実は暗闇の中での撮影、すっごい大変だったんです。

明るい時間のツァガーン・スワルガ

崖があって危ないので前日の明るいうちにツァガーン・スワルガの下見をしたんです。でも明かりひとつない真っ暗闇では方向も全く分からなくなり、自分が今どこにいるのか分からなくなってしまいました。懐中電灯をつけても壁も木も何もないため光は暗闇に吸い込まれ、数メートル先がどうなっているのか分からない状況でした。

スリリングな撮影を終えて無事帰還

どこに崖があるかもわからないスリリングな星空撮影でしたが、ケガすることもなく無事に車まで帰還。気持ちの良い朝の光を浴びながら、車内で念願のカップラーメンを食べました!

カップ麺を食べた後、設置していたカメラを回収しにいくと目の前に狐がいました。(残念ながらすぐに逃げてしまい撮影はできず…)

星空撮影に関しては別の記事で詳しくまとめる予定ですので、楽しみにお待ちください!

朝日撮影

朝日撮影

星空を存分に撮影した後は、ツァガーン・スワルガの美しい朝を迎えました!

その昔、ここは海の底にありました。長い年月をかけて風や雨で削られて、カラフルな地層が現れたのですが、朝焼けに染まる大地は息を飲むほどの絶景でした。

朝日で大地が照らされる

そんな景色の中に、ポツンと佇むきじー。

ポツンと佇むきじー

刻一刻と移り変わる景色を眺めていると、地球が目覚めていくのを全身で感じられます。

崖の上に立つきじー

この地球の息吹を感じる瞬間がほんとに大好きなんです。

地球の息吹を感じる
ツァガーン・スワルガ

オフロードを進む

ツァガーン・スワルガを出発したら、地図なき道を進み、次の目的地へ向かいます!

オフロードを進む

まずは主要道路まで出る必要がありますが、そこまではまた完全オフロードの道を走らなければいけません。とはいえ、どんな道を通っても主要道路にさえ出られればいいので、行きと比べてだいぶ気が楽でした。

車の中でウランバートルのスーパーで買ったパンを食べた

途中で寄った青空トイレもすごく気持ちが良かったです。ただ、モンゴルは草原ばかりで遮るものがないため、青空トイレをするタイミングや場所を決めるのが難しい…。

モンゴルは草原ばかり

草原には馬の群れもいました!本で「群れにオス(リーダー)は一頭しかおらず 、リーダーは気高い」というのを読んでいたので、ワクワクしながらリーダーを探したのですが、なかなかそれらしい子が見つからない。

馬の群れと遭遇

ザヤさんに「馬のリーダーはどの子かわかる?」と聞いてみると、即座に「この子だよ」と教えてくれました。

運転席のザヤさんと助手席のきじー

ザヤさんが指差した馬は気高いイメージとは違い、控えめな感じのオスでした。モンゴル人は一瞬で見分けられるのか!と感動していたら…「首輪がついている子がリーダーだよ」と教えてくれました。

リーダー馬には首輪(GPS)がついている

なんだ、そういうことか!首輪という目印があるんだ。首輪の中にGPSが仕込まれていて、飼い主がすぐに群れの居場所を見つけられるようになっているみたいです。

ラクダの大群に遭遇

オフロードを1時間ほど走り、もうまもなく主要道路というところで、今度はラクダの大群と遭遇しました!!30頭くらいはいたでしょうかあれほどのラクダの大群は初めて見ました。

ラクダの大群に遭遇

みんなきょとんとした顔をしていてとっても可愛らしい。ラクダの赤ちゃんもいましたよ〜!!

主要道路に辿り着いた後は、ずーーっとまっすぐ進んでいきます。

主要道路を進む

大きな街「ダルンザドガド」に立ち寄る

ショッピングセンターへ

どうしてもヤカンを買いたくて「ダルンザドガド」という街のショッピングセンターへ行くことにしました。(ダルンザドガドは、ゴビ砂漠に入る前では一番栄えていると言われる街です。実際、モンゴル中東部の都市である「マンダルゴビ」よりも栄えていました)

ガスとコンロはあるのに肝心のヤカンがないからどうしても買いたかったんです!

ダルンザドガドの入り口

Googlemapで大きなショッピングセンターを見つけたので、とりあえず中に入ってみることに。「Номин супермаркет Даланзадгад」というお店です。

大きなショッピングセンター

店内は広々としていてコストコみたいです。モンゴルに、しかもゴビ砂漠の近くにこんなに大きなショッピングセンターがあるとは正直驚きました。

広々とした店内

しかし、ザヤさんによると「ここは値段が高すぎる!!」とのこと。通常の10倍くらいの値段だそうです。鍋の種類も豊富でこれはヤカンが買えると思っていたのですが、さすがに10倍のお金をかけてヤカンを買うのはバカらしい。

ザヤさんがショッピングセンターの人に、近くで鍋が売っているお店はないかと聞いてくれて、次はその教えてもらったお店に行くことに!!

どんなお店なんだろうと楽しみにしていたのですが、案内してもらったのはアパートの一室みたいなところ。めちゃくちゃローカルなお店でした。変な路地を歩いた先にあったから、ほんとに地元の人しか知らないお店なんだと思います。

アパートの一室みたいなお店

想像よりも奥行きがあって中は広々としていました。それに、品揃えが豊富で安い!!地元で人気なのがわかります。

品揃えが豊富

ここでようやくお手頃なヤカンも見つけました。やっっっと巡り会えたので嬉しかったです。
ヤカンを見て「可愛い」と発言したやなぎーをザヤさんが不思議そうに見ていたので、「“cute”って意味だよ」と教えてあげました。それを聞いた彼女は「“可愛い”は動物に使うと思ってたのに、ヤカンにも使うの!?」と大興奮。

鍋もあった

ちなみに、モンゴルの人はあんまりヤカンを使わないんだそう。ザヤさんは、そもそも存在さえも知らなかったみたいですが、ヤカンのフォルムがかなり気に入ったようです。

ヤカンが気に入ったザヤさん

街のレストランでお昼ごはん

街のレストラン

ヤカンを無事に調達した後は、街のレストランへ!やなぎーは初日に食べた肉焼きそば(ツォイワン) 、きじーはロコモコのような料理を注文しました。

肉焼きそば

きじーが食べたのは、完全に「モンゴル版ロコモコ」。ワンプレートに、ライス、目玉焼きが乗った羊肉のハンバーグ 、グリーンサラダ 、にんじんサラダが盛り付けられていました。

ロコモコのような料理

生野菜もしっかり乗ってて嬉しい。肝心の「羊肉のハンバーグ」の味ですが、クセがあると思ったら全然クセがなくて美味しかったです。

ここでハンバーグに関連してプチ豆知識。

かつて存在した「モンゴル帝国」は征服によって領土が広くなりましたが、食料の調達というのは無視できない問題でした。地上の移動手段としては馬が最速だった時代ですから、目的地に行くまでにかなり時間がかかります。そのため乗りつぶした馬を食料として使っていたそうです!

しかし軍馬は食用に育てられたものとは異なり、肉は筋肉質で固く、お世辞にも美味しいとは言えないものだったようです。。そこでモンゴル兵達はこの硬い馬肉を何とか食べられるものにしようと試行錯誤し、刀で細かく切った肉を入れた袋を鞍(馬具の一種)の下に敷いて移動するという方法を思いつきます。そう、上に乗った兵士の体重で加圧され、移動する馬の動きによって熱と摩擦を受けたお肉は柔らかい状態になるというシステムなんです。その時から、もしかしたらハンバーグのようなものは食べられていたかもしれませんね!

南ゴビの絶景をドライブ

お昼ごはんを食べたら「ダルンザドガド」を出て、今夜泊まるゴビ砂漠の方面へ向かいました。

一本道を進む

基本的には一本道でゴビ砂漠に行けると思っていたので、当初のやなぎーの予想では、今夜泊まる砂漠のゲルまで、多く見積もってだいたい4時間くらいと考えてました。だから、ギリギリ砂漠で夕日も見ることができるかも…と。

しかし、この後そんな予想を裏切る展開が待ち受けてました…。

道中はモンゴルらしい景色が広がります。

馬の群れ

馬の群れも何度も見かけましたよ〜!

馬の群れ

他にはラクダの大群もすれ違いました。人には全然会わないけど動物にはたくさん会えます。

ラクダの群れ
ラクダの群れ

羊の群れも。大草原に羊、最高の景色。

羊の群れ

砂漠を目がけて進んでいるから、風景はどう変わっていくのかなあと楽しみにしていたら、なんと途中で突然雪山が現れました!!秋だから草原にはまだ緑が残っていて、遠くの方にはズラーっとカナダのロッキー山脈を思い出すような雪をかぶった山々があります。

雪山

おそらく朝方まで降っていたんだろうなという感じのふかふか雪です。

ふかふかの雪
羊もいた

ゴビ砂漠もこの時期だと雪が降るのかなーとか思っていましたが、雪が積もっていたのは車でたった20分ほどの区間だけ。おそらく地形の関係で降りやすくなっていたんだと思います。

雪山の余韻に浸りながらしばらく車を走らせ、ガソリンスタンドに行きました。
この辺りの街はかなりさびれていて、道もアスファルトがない田舎…というか荒れた雰囲気。

寂れたガソリンスタンド

ガソリンスタンドも公園の公衆トイレのような感じで、かなり古びた様子でしたが、親切なスタッフさんが対応してくれて無事に燃料補給することができました◎

寂れたガソリンスタンド

ゴビ砂漠へ行きたいのにGPSが狂った

ガソリンを入れた後は、ゴビ砂漠までの1本道を行くんですが、アスファルトの道も急にきれいになって快適なドライブでした。音楽もガンガンかけて運転手のザヤさんもノリノリ。

そう、ここまでは良かったんです。ここまでは…。

しばらくして気づいたのが、どんどんゴビ砂漠から遠ざかっていること。あれ、一本道のはずなのに!?

一本道を進む

1本道とはいえ、どこかで分岐があったのかなと思い、来た道を30分戻ったり、周辺を彷徨ったりしました。この辺りから車内の空気が悪くなりザヤさんは「オーマイガー」と「ファック!!」を連発するように。。。ゲルに辿り着けず野宿となってしまっては大変です。

日が沈んできた

この時点ですでに日は沈みはじめていて、当初は呑気に砂漠で夕陽見れるかなーとか思っていたけど、もうそれどころじゃない。暗くなる前に砂漠に着かないといけないのに、未だゴビ砂漠にさえ近づけていないという状況です。

工事中の道路

しかも最初はきれいだったアスファルトも途中から工事中の看板が現れ、ガタガタのオフロードを走らなければいけない始末。何もかも上手くいかなくなってました。

オフロードを進む

ちなみに…なんで迷子になっていたかというとGPS(位置情報)が効かなかったのが最大の理由です。

ゴビ砂漠の近くに、いたるところに巨大隕石が落ちたような、どでかいクレーターみたいのがあったので、おそらく磁場に関係する鉱石を掘っていたんだと思います。

大きな穴が空いている

そのため、GPS(位置情報)が狂い、現在地が変なところを指すから、いま自分たちがどこを走っているか分からなくなっていたのです。これは南アフリカを旅している時にも起きたのでスマホの位置情報だけでは限界があるところもあるなぁと知っていたのですが、まさかここでも起こるとは。。

GPSが狂て、端末によって現在位置が異なる

おそらく私たちが走っていた道は最近できた道なのか、もしくは作り途中の道だかで、Googleマップには載っていない道…それも影響して狂っていたんじゃないかと思います。自分たちだけではどうしようもできないため、現地の人に道を尋ねて…って感じだったのですが、実は人を見つけるのもめちゃくちゃ大変でした。

人を見つけるのは大変

それもそのはずで…モンゴルは人口密度が世界で一番低いからぜんぜん人がいない。人より家畜が多い国だもん、そりゃ人とすれ違わないわけよ…。

しかも、現地の人はモンゴル語しか話せないからザヤさんがやりとりして、ザヤさんは私たちにGoogle翻訳でテキストを打って教えてくれるんだけど、翻訳の精度も良くないからどういう状況かイマイチわからない。時間もないためザヤさんも「道わかりました」とかそういう共有しかなくて、もう任せるしかない状態でした。

オフロードを進む

それでも、時間はものすごくかかったものの、なんとかゴビ砂漠に続く道に出ることができました!

ちょうどそのとき、太陽が沈んだ後で目の前にすっごくきれいなビーナスベルトが現れたんです◎
ピンク色の空…これから良いことが起こりそうな、そんな心躍る空でした。

ビーナスベルト

真夜中のゴビ砂漠で迷子になる

暗くなりかけている頃に、ようやくゴビ砂漠の入り口と言われる街に着きました。
19時半、昼間に給油したガソリンもかなり減っていたので、近くにあったガソリンスタンドに立ち寄ることに。

しかし、まだ営業時間内なのにガソリンスタンドは閉まっていました。「スタッフがお店を開けてくれないから、給油せずそのままゲルまで向かいましょう!」と。でもガソリンが少ない状況で夜の砂漠を走るのは本当に危険なので何回か電話をしてお店に交渉しました。

その結果、渋々オーナーが開けてくれて給油できました!これ、ほんとに不幸中の幸いでした。今考えると、もしここで給油していなかったら砂漠のど真ん中で絶対ガス欠になっていました。。

疲労はピークに達していましたが、気を取り直してガソリンスタンドを出発です。
この時、一応「ゴビ砂漠」と言われている場所には突入していたのですが、完全なけもの道でした。車のライトで見える視界を頼りに進みますが、暗いから車が通った痕跡も見えないし、何度もこの道で合ってるか不安がよぎりました。

けもの道を進む

途中で、ザヤさんもさすがに…と思ったのか、宿泊予定のゲルに電話したら「最後に給油したガソリンスタンドまで戻って」って言われたそうです。どうやら気合い入れて再出発した時点で道を間違っていたみたい。嘘でしょーーーー!!

無駄な1時間を過ごしてしまいました。ガソリンスタンドまで戻ってきたところで、ゲルの人が手配してくれたバイクと合流。そのバイクが途中まで先導してくれました。

バイクが先導してくれた

バイクと別れた後も、正直めちゃくちゃ大変でした。ザヤさんはバイクの人に道を聞いていたから行ける!大丈夫!という様子だったのですが、早々に道がわからなくなり迷子に。。

この辺はGPSが正常に機能していたので、きじーがGPSを見て案内するのだけど、ザヤさんはなかなか受け入れてくれず、車内は険悪なムードになっていました。

結局、最後は再びゲルに電話をかけて迎えに来てくれることになったのですが、それからも一向にゲルのスタッフと合流することができず 、トホホ状態でした。
合流できた時はかなり嬉しかったのですが、さすがに疲れていて、安堵はしたけど元気もないし、反応は薄くなってしまったかも。

ゲルのスタッフの車に先導されてゴビ砂漠を駆け抜け、夜中の1時過ぎにようやく宿に到着しました。
当初の予定だと6時までには着いていたかなという感じだったので、プラス7時間もかかりました。でも無事に辿りつけて本当に良かったです。

ゲルで私たちを待っていたのは降り注ぐような星々。

降り注ぐ星

スッタフは韓国人の陽気な方々で、“ようこそ”や“お疲れ”の意味を込めてなのか、ウォッカ(AGAR)の入った紙コップを渡してくれました。もうヘトヘトだけど
でも美味しかったです!どうやらヨーロッパのモンドセレクションで金賞を取っている有名なモンゴルのウォッカみたい。

ゲルの中は暖房が効いていて、あったかいゲルに入った瞬間、安堵がブワっと広がりました。ゲルの煙突からモクモクと煙が出ているのもなんだか良かったなぁ

もう疲れ切っていたので、歯だけ磨いてすぐに寝ました。おやすみなさーーい。

▼追記(旅を終えてから)

私たちがモンゴルを訪れたのは10月前半の秋です。季節によって気温や気候がガラリと変わる地域もあるため、出発前に調べてから行くことをオススメします!

当時のリアルな心境も語ったポッドキャストも3回に分けて公開中です。よかったらチェックしてみてくださいね!

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