今回は、サハラ砂漠からフェズへと続く、モロッコ随一の絶景ドライブルートをご紹介します。
モロッコと言えば「カスバ街道」が有名ですが、このルートはバラエティに富んだ景色を楽しめるのが魅力！どのスポットもガイドブックには載っていないような隠れた名所です◎

これからモロッコを旅する予定の方は、ぜひ参考にしてください！

絶景①アル・ハッサン・アダクヒル国立公園

ドライブ中、突如現れた美しきターコイズブルーの湖。
最初にご紹介する絶景スポットは「アル・ハッサン・アダクヒル国立公園」にあるこの湖です。

ブルーの景色が視界に飛び込んできた瞬間、「これはきたっ！」と思いすぐに車を停めて湖に近づきました。周囲の山々も独特な模様で、今までに見たことのないような風景…。乾燥した砂漠地帯に、これほど大きな湖があるなんて驚きです。

気になって調べてみると、この湖は人工的につくられた「貯水湖」でした。近くの「アッサン・アダキル・ダム」によって河川がせき止められ、この美しい風景が生まれました。

湖畔にはほとんど人影がなく、静かな環境でゆっくり絶景を楽しめるのも魅力のひとつ。
この周辺ではキャンプもできるそうなので、自然に囲まれた時間を過ごすのにぴったりのスポットです！

▽アル・ハッサン・アダクヒル国立公園の場所

絶景②モロッコのグランドキャニオン？「ズィズ渓谷」

「アル・ハッサン・アダクヒル国立公園」からは絶景のオンパレードです！
ターコイズブルーの湖に感動して「すごかったね」なんて話してたら、すぐ目の前に大渓谷が見えてきました。

2つ目の絶景スポットは、この雄大な景色が広がる「ズィズ渓谷」。
アトラス山脈を水源とし、サハラ砂漠からアルジェリアへと流れ込む「ズィズ川」が作る渓谷です。

このズィズ渓谷は、地層の断面がグランドキャニオンに似ていることから「モロッコのグランドキャニオン」とも呼ばれています。グランドキャニオンよりも小さいものの、確かに地層の感じは似ているかも。

とはいえ、規模が小さいと言っても日本では決して見ることのないスケール！遥か彼方まで続く渓谷の眺めは圧巻です。さらに、青空にプカプカ浮かぶ大きな雲が渓谷に影を落とし、その影が時間とともに移り変わる様子はまた美しい。

「ああ、地球は広いなあ」としみじみ感じさせてくれる、そんなスポットです。

あまりに綺麗な景色だったので、渓谷の下に続くオフロードも進んでみました。
じゃり道を車でガッタンゴットン行った先にはこれまた美しい景色…。そこにはすでに現地のおじさん4人組みがいて、「なんだなんだ？」とちょっと怪訝な顔をしていたのでささっと撮影して戻りました。
きっと、あの場所は彼らにとって特別な「お喋りスポット」なんだろう。

絶景③谷底に大地が広がる峠

ズィズ渓谷を後にして再び車を走らせていると、またしてもすごい絶景に出会いました！
ここは、アトラス山脈の中にあり、山の斜面から下の景色を見下ろせる峠。ここから眺める大地は圧巻です。

見渡す限りずーーーっと遠くまで広がる大地。
茶色い大地に、細かく散らばる緑の木々がまるでハーブ味のサラダチキンみたいでした。

空に浮かぶ大きな雲の影が大地を覆っている景色もとても綺麗…。

ただし、かなり寒かったの訪れる際は服装に注意です。標高は約1,700メートルとそれほど高くはないのですが、風が冷たいので羽織りを準備しておくことをおすすめします。

▽谷底に大地が広がる峠の場所

絶景④モンゴルのような雄大な草原

途中雨に降られながらも車を走らせていると、風景が徐々に赤茶色の大地から草原へと移り変わっていることに気がつきました。

3つ目の絶景スポットはこの緑の草原です。
モロッコをGoogle Earthで見ると、南は茶色、北は緑の大地が広がっているのが分かりますが、ここはちょうどその切り替わり地点。

目の前に広がる雄大な草原では、羊の群れがのどかに草を食べ、菜の花がちらほら咲いていました。雨が降っていたにも関わらず、景色はとても美しかったです。

なお、砂漠地帯では草木は濃い緑が一般的ですが、ここでは柔らかい黄緑色の草木が広がっているのが印象的でした。

ちなみに、この場所の標高は2,100メートル。3つ目で紹介したサラダチキンの峠(1,700メートル)のほうが標高が高いと思っていたのでびっくりです！

▽モンゴルのような雄大な草原の場所

草原にゴミがたくさん…絶句した汚染

絶景スポットからわずか15分、私たちは思わず絶句しました。これまで感動しっぱなしだった外の景色が、一変してあたり一面「ゴミ景色」と化したのです。

赤い大地は変わらず壮大で、美しい自然に囲まれているはずなのに、道路の脇には大量のゴミ…。最初は「ポイ捨てがひどいな」と思う程度だったのですが、ふと遠くを見てみたらゴミが模様のように放置されていて…。見渡す限り続く、放置されたゴミに驚愕しました。

ゴミの種類はペットボトルやワインの瓶、紙切れなど様々でしたが、とりわけ目立ったのはビニール袋。もしかするとこの周辺には廃棄場所がなく、ゴミ袋ごとここに捨てているのかもしれません。

さらに、このゴミ草原が印象的だった理由が2つあります。

1つは、ゴミ草原の近くで約50基の風車が回っていたこと！風力発電は環境に良い取り組みのはずなのに、すぐそばに広がるゴミだらけの景色とのギャップ…。風車とゴミが並ぶアンバランスな光景には考えさせられるものがありました。

もう1つは、ゴミ草原を歩く羊の群れ。
羊使いに連れられてたくさんの羊が赤い大地を歩いていました。本来なら、この広大な土地は羊にとって気持ち良い場所のはずなのに、足元には大量のゴミが散乱している…。悲しい気持ちになりました。

モロッコ随一の絶景ドライブルートを楽しもう！

今回ご紹介した絶景スポットは、メルズカからフェズまで続くこのドライブコースにあります！所要時間は車でおよそ7時間ですが、ゆっくり撮影を楽しみたい方は余裕をもって9時間くらいで考えておくと良いと思います。

ぜひ皆さんもモロッコの素晴らしい絶景を楽しんでください♪

ポッドキャストでも当時の様子を楽しく語っています！よかったらこちらも聞いてみてくださいね。