マダガスカルのソウルフード、美味しいじゃん。
朝食はたったの3円。衝撃的な価格に、え…こんな値段で本当に大丈夫?と思いつつ一口食べたらびっくり。味はしっかり美味しい。
そして何より驚いたのはお米の量!マダガスカル人は、日本人の2倍はお米を食べると言われていますが、その噂通り山盛りのごはんが出てきました。
今日の出来事
朝4時起き!朝日を見ながら青空トイレ
マダガスカル2日目の朝はとても早かった。夜明け前の朝4時に起きて5時前には泊まっていたアンツィラベの宿を出発。長時間のフライト&車の移動で疲れてたのもあり、昨夜は一瞬で眠れました。そのおかげもあってか、時差ボケを感じることもなく起きることができました。
乾季のマダガスカルは朝晩とても冷え込むため防寒対策が必須です。フリースを羽織ってもまだ寒かったです。
12時間の長時間移動スタート
さて、そんな今日は12時間かけてアンティラベからキリンディーへ向かいます!出発直後の朝5時は、真っ暗で濃い霧が立ち込めていました。
車窓からは働くゼブ牛や、トタン屋根の古い家が立ち並ぶ様子が見えました。アンツィラベで有名なプスプスも朝早くから走っていました。
開放感あふれる青空トイレ
途中のトイレ休憩で車を降りると、目の前に広がっていたのは雄大な朝日。「これぞアフリカ」というような絶景でした!どこまでも広がる草原にゆるやかな坂道、そして朝日に照らされたススキの穂が最高でした。
マダガスカルには公衆トイレなど設備はほとんどないので、移動中のトイレは野でします。いわゆる青空トイレです。青空トイレはは他の国で何度も経験済みですが、マダガスカルでは初めての青空トイレでした。しかも朝日を見ながら!最高!!
冷たい朝の空気を全身で感じながら、心も体もリフレッシュできました。
揺れる車内、絶景広がるも悪夢の時間
再び車に乗り込み再出発!
朝早くから、マダガスカル名物の乗合タクシー「タクシーブルース」も元気に稼働中。乗客がぎっしり詰め込まれ、車の上にはこれでもかと荷物が積まれています。相当な重量だろうから車の揺れも激しいだろうな。
アンツィラベからムルンダバへ向かう道は、一応アスファルトが敷かれているものの、穴だらけの「ポットホールロード」。車はその穴を避けて蛇行しながら進むので、スピードの緩急も激しく、車内はまるでアトラクション状態です。
そして山道は、日本よりもカーブが多く酔いやすさ倍増です。昨日の移動でかなり酔いましたが今日も同じく酔ってしまいました。
エリアにもよりますが、このような山の景色が楽しめるのもマダガスカルの魅力。
アンツィラベを抜けると大きな街は姿を消し、小さな村が点在するマダガスカルらしい光景が続きます。
歩いて10分もあれば回れそうな小さな集落。素朴で穏やかな風景に癒されました。
マダガスカルの定番朝ごはんは屋台
途中、ガイドのラビさんたちが屋台で朝ごはんを食べると言うので、私たちも一緒に行くことにしました。ホテルで準備してもらった朝食はあったけれど、せっかくなら地元の人たちが食べる朝ごはんを味わってみたい!そんな気持ちでワクワクしながら、いざ屋台へ向かいました。
訪れたのは、小さくてシンプルながら大繁盛している屋台。女性3人と中学生くらいの男の子がテキパキと働き、地元の人たちが次々に訪れていました。
ここでは、お米を使ったマダガスカル定番の朝ごはんが楽しめるとのこと。
「中で食べていいよ」とお店の方が声をかけてくれたので、屋台内のカウンターに座ることに。現地の人々に囲まれながら食事をいただきます。
この屋台の活気ある雰囲気にテンションが一気に上がりました!さぁ、ここから食べたものを順に紹介していきましょう。
1.温かいおもち!?「ラマノナカ」
最初に食べたのは「ラマノナカ」。米粉を使った平たいお餅のような食べ物で、表面はこんがりとしたキツネ色に焼かれ、見るからに食欲をそそります。見た目は五平餅に似ていますが、味はもっとシンプル。噛むほどにお米本来の自然な甘みがじんわり広がります。
出来立てホカホカを手に取ると、ずっしりとした重量感が伝わってきます。その一口目から、米の優しい甘みが口いっぱいに広がり、思わず「美味しい!」と声が出てしまうほどの美味しさでした。
値段は1つあたり6円と格安です。
2.米粉パン「ムフガシ」
次に食べたのは「ムフガシ」。ムフガシは、マダガスカルのどこでも見かける定番の朝ごはんです。
こちらも米粉をベースにした食べ物ですが、イースト菌を使っているため、ふわふわと軽い食感が特徴です。名前の由来を聞くと、ムフガシ(mofogasy)の「mofo」は「パン」、「gasy」は「マダガスカルの」という意味だそう。なるほど、マダガスカル版の米粉パンといった感じですね。
味も美味しいのですが、正直なところ、先に食べたラマノナカがあまりにも美味しかったため、少し影が薄れてしまった印象です。それでも値段は1つあたり約3円と驚くほどリーズナブル。
3.葉物のかき揚げ「ムフアナナ」
「ムフアナナ」は葉物野菜を使ったかき揚げ料理。屋台では揚げる様子も見せてもらいました。
サクサクで美味しかった!!使われている葉物はネギのような風味だったのでネギの天ぷらを食べているような感覚です。塩加減もちょうどよくてお蕎麦が食べたくなりました。
4.サーターアンダギー!?「ムフボウル」
最後は「ムフボウル」。見た目は沖縄のサーターアンダギーそっくりですが、食感は少し異なり、表面が硬めで煎餅に近い部分も。中からはお米の甘さが感じられ、日本人の舌にもぴったり合う味でした。
5.マダガスカルの紅茶とコーヒー
紅茶とコーヒーも味わってみました。なんと紅茶は驚くほど透明!ほんのり茶葉の風味が感じられる程度で、まるで砂糖湯のような印象でした。一方で、コーヒーはしっかりとしたコクがあり、とても美味しかったです。
マダガスカルでは「家で朝ごはんを作って食べる」という習慣がほとんどないそうで、朝になると地元の人々が屋台に大集合します。屋台でコーヒー片手にムフガシやラマノナカを食べるのが、定番の朝食スタイル。そんな文化を感じながら食べるのも、また格別な体験でした。
窓から見るマダガスカル
朝ごはんを満喫した後は、再び車に乗って進みます。
午前中はひたすら車での移動でしたが…道路が本当にひどい!!ボツワナもすごかったけどマダガスカルは比じゃないかも。悪路具合は、今まで訪れた国の中でダントツトップです!
もはやポットホールの宝庫で、ドライバー泣かせの道…。スピードを出せないため移動時間がとても長く感じました。
働く現地の人
どでかい藁を運ぶ現地の方を発見。なんと片手で支えて頭に乗せて運んでいます。私たちも練習したら頭の上に物を乗せて運べるようになるのかな?
昨日に続き、今日も田園風景を見ることができました。水の張った田んぼがキラキラしていました。
鴨を連れた女性の姿も。あぜ道を歩く鴨たちは、きっと「アイガモ農法」で利用されているんだと思います!この農法は日本でも行われており、鴨が田んぼの害虫や雑草を食べてくれるため、農薬に頼らず田んぼを守ることができます。さらに、鴨のフンは天然の肥料でもあり、稲作をより効率的かつ環境に優しく進めることができるのです。
メリナ族のお墓
村から離れた丘に整然と立ち並ぶ白い建物。
ラビさんによると、これはマダガスカル最大の民族である「メリナ族」のお墓だそうです。マダガスカルに住む18の部族それぞれの文化や伝統が、こうした形で表現されているのだと思うと、他の部族のお墓も見てみたくなりました。
山道
土色の山が美しい。珍しく長い立派な橋があり、その風景がとっても絵になってました。
アンツィラベからムルンダバに向かう途中はこのようなクネクネ道も多く、アフリカらしさを感じます。
皿洗いや洗濯をする現地の人たち
川では皿洗いや洗濯をする人の姿も。田舎には水道が通っていないので皿洗い、洗濯、入浴は川で行うようです。子どもたちは、川遊びではしゃいでて楽しそうでした。
ランチはローカルレストランで山盛りごはん
悪路をなんとか乗り越え、11時半ごろにお昼ごはんを食べにアンバトライー(Ambatolahy)という街のレストランへ。ラビさんに「観光客が訪れるような高級レストランではなく、現地の人が食べる食事をしたい」とリクエストしたらここに連れてきてくれました。
皆さんも、ガイドと一緒に行動する時は、食べたいものがあればリクエストすると良いと思います!田舎は選択肢がほとんどありませんが…笑
店内にはハエがブンブン飛び交い、まさに「これぞローカル!」という雰囲気。こういう場所に来たかったんだよね〜!とテンションが上がりました。最初はガラガラだったお店も、しばらくすると地元の若者たちが何人か食事に訪れて、活気が出てきました。
マダガスカルのローカルレストランでは、基本スタイルは「メインのおかず1品+ごはん」。メニューから好きなおかずを選ぶ仕組みです。事前に「ワンプレートランチが主流」と聞いていたのですが、実際はそれとは少し違う印象でした。
私たちは、ティラピアの煮付けと牛肉の煮込みをそれぞれチョイス!どちらも現地の味が楽しめそうでワクワクです。
出てきた料理はこんな感じ。お茶碗2杯分ほどの山盛りご飯に、「ルマザーバ」と呼ばれるスープ、そしてメインのティラピアと牛肉です。
ルマザーバは、トマトベースの汁に肉や野菜を煮込んで作るスープで、日本のお味噌汁的な存在です。マダガスカルでは、お米にかけて食べるのが一般的なんだそう。生姜がピリッと効いていて、体に優しい味がしました。
ティラピアの煮付けはとても美味しかったです。身がふわふわしていて、あっさり軽やか。川魚ですが臭みは全くなく食べやすかったです。
一方の牛肉の煮込みは少々味が濃いめ。でも、ごはんが進む一品でした。
▼レストランの場所はこちら
キツネザルの好物「タマリンド実食」
お昼ごはんを食べた後、車内で「タマリンド」というフルーツをいただきました!これは、ワオキツネザルが大好きなフルーツ。
パリパリの皮をむいて中の実を食べます。少しねっとりした食感ですが、味は梅のようにさっぱりしています。だから、酔い止めとしても効果があるんだそう。口の中に広がる爽やかな感じが気持ちよくて、パクパク食べてしまいました。
ついに念願のバオバブと初対面!
冷え込んだ朝から一転、日中は灼熱の暑さが襲います。特に車内は本当に地獄…。クーラーなんて無いし、窓もUVカットされていないので、直射日光が肌を刺すよう。さらに乾燥した空気が体内の水分をどんどん奪っていき、どれだけ水を飲んでも意識が朦朧としてくるレベルでした。
ふと車の外に目をやると、大きなマンゴーの木陰で涼む現地の人々がいました。涼しそうで羨ましい。
ちなみに私たちが訪れた7月末は、マダガスカルでは冬にあたります。それでもこの暑さなのだから驚きです。真夏には気温が40度を超えることもあるそうで、そんな時期は昼間の農作業を避け、日が沈んでから行うのが一般的だそうです。
そんな灼熱の車内で暑さに耐えていると…ついに!待望のバオバブが目の前に姿を現しました。
目の前にそびえたつのは、樹齢600~700年の「ザ」という種類のバオバブ。圧倒的な大きさです。マダガスカルならどこでもバオバブが見られると思っていたのですが、実は限られた地域にしか生息していません。
見上げると、かわいらしい小さなバオバブの実がいくつもぶら下がっているのが見えました。
この「ザ」の実は11月が旬だそうで、7月末の今はまだ小梅くらいの可愛いサイズです。
そして、なんと!!念願のバオバブの花も発見!
バオバブの花は、1年間のうちたった1ヶ月しか咲かない上に、1つの花は1日限りの命。種類によって咲く時期は異なりますが、このタイミングで見られたのはラッキーでした!!
バオバブの足元には枝から落ちた花もあり、近くで見るときのこに似ているなあと思いました。
バオバブの幹にも近づいて観察してみました。バオバブの幹の内部は空洞です。その中から樹液が溢れ出ていて、周囲にはアリがたくさん群がっていました!
悪路を越え、キリンディ森林保護区へ!
灼熱の車内と揺れまくる悪路を耐え抜き、たどり着いたのは キリンディ森林保護区。ここは、マダガスカルの生物ピラミッドの頂点に君臨する肉食獣「フォッサ」がいることで有名です。
キリンディ森林保護区に到着後、休む間もなく楽しみにしていたナイトサファリがスタートしました!ガイドのアルフレッドさんに案内されながら、静寂に包まれた森林の中を進みます。アフリカの夜は暗くなるのが早く、日が沈むと一気に静けさが増すのですが、その静けさがどんどん迫ってくるような感覚がたまらなく私たちをワクワクさせます。
ナイトサファリで出会った動物たち
森林に足を踏み入れた私たちを迎えてくれたのは、小さくて愛らしい夜の住人たちでした。
ピグミーネズミキツネザル
最初に現れたのは、世界最小の霊長類「ネズミキツネザル」です。クリクリの大きな瞳でじっとこちらを見つめる姿はとても愛らしい。大きいネズミほどのサイズ感で、その可愛さに思わず笑みがこぼれました。
イタチキツネザル
続いて出会ったのは「イタチキツネザル」。夜行性ながら、体温調整が苦手な彼らは、日中に太陽の下で日向ぼっこをするのが日課です。
ニシフォークキツネザル
枝に顔をうずめる「ニシフォークキツネザル」。その姿は反則級の可愛さ!4種いるフォークキツネザルのひとつで、真っ黒なカメラレンズで夜景に溶け込む姿をしっかり収めることができました◎
ソメワケササクレヤモリ
ペットとしても人気な「ソメワケササクレヤモリ」もいました。イボのついた特徴的な皮膚と、鋭い視線で虫を狙う姿はとてもクール。動きの一瞬を捉えた大満足の1枚です。
残念ながら、この日は大本命のフォッサには出会えず…気配すら感じられませんでした。明日のモーニングサファリでなんとか見れるといいのですが…。
夜はキリンディのロッジに宿泊
夜は、キリンディ森林保護区からほど近いロッジ「Relais du Kirindy Hotel」に泊まりました!キリンディ森林保護区で出会った動物たちの詳細やロッジの情報は、以下の記事で詳しく紹介しています!キリンディに行かれる予定の方や、行ってみたいと思った方はぜひチェックしてみてください。
▼追記(旅を終えてから)
私たちがマダガスカルに行ったのは7月後半〜8月前半の乾季です。雨季は1月〜3月で、気候や道路状況がガラリと変わる地域もあります。ぬかるんで通れない道も出るみたいなので、事前に調べていくと良いと思います!