皮膚の硬さは鎧なみ!?世界一皮膚が硬いサイの生態を学ぶ

皮膚の硬さは鎧なみ!?世界一皮膚が硬いサイの生態を学ぶ

アフリカ旅行記

今日のテーマは「サイ(Rhinoceros)」

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今回はサイ(Rhinoceros)の生態をお届けします!「サイの皮膚の硬さは世界一」とも言われますが、サイの皮膚は一体どれほどの硬さなのか、そもそもサイとはどんな動物なのか。知っているようで知らないサイの生態について、アフリカ地方に生息するシロサイ・クロサイを中心にお伝えします。

サイ(Rhinoceros)の基本情報

サイ
種属哺乳網 奇蹄目(キテイモク)サイ科
体長2〜4m
体重500〜2,500kg
生息地アフリカ・インドネシア・インド など
個体数約27,000頭

Sally WynnによるPixabayからの画像

サイ
Sally WynnによるPixabayからの画像
種属哺乳網 奇蹄目(キテイモク)サイ科
体長2〜4m
体重500〜2,500kg
生息地アフリカ・インドネシア・インド など
個体数約27,000頭

サイはゾウに次ぐ大型の哺乳類動物です!種類にもよりますが、大きい個体は体長4m、体重も2,500kgを超えてきます。これは、街中を走る小型トラックの大きさに値します。

奇蹄目であるサイは、足に3本のヒヅメを持っています。この3本のヒヅメは、人間でいうところの人差し指・中指・薬指の爪が変化したもの。サイは、主に中指で体重を支え、人差し指・薬指は補助的な役割を持ちます。つまり、常に「つま先立ち」の状態なのです!この「つま先立ち」は走ることにも適しており、大きな体でありながら時速50kmのスピードで走ることもできます。

ここで奇蹄目のプチ解説!

奇数の「奇」に、「蹄(ヒヅメ)」と書く「奇蹄目」。その名の通りヒヅメの数によって分類され、ヒヅメの数が1・3・5と奇数の動物は「奇蹄目」、ヒヅメの数が2・4と偶数の動物は「偶蹄目」と呼ばれます。サイのヒヅメは3本で奇数のため、奇蹄目に分類されます。奇蹄目にはサイ以外にウマやバクなど、偶蹄目にはシカやウシ、ヤギなどがいます。同じヒヅメでも動物によって数が異なるなんて、とても興味深いですよね。もし、動物園などでヒヅメを持った動物に会ったらじっくり見てみてください!

現存するサイ(Rhinoceros)は5種類!

現在、地球上には5種類のサイが存在すると言われています。アフリカ大陸の東部と南部に生息する「シロサイ」「クロサイ」、インドネシアやミャンマーといった限られた熱帯雨林に生息する「スマトラサイ」、インド北東部からネパールに生息する「インドサイ」。そして、インドサイと近縁種である「ジャワサイ」がいます。
現在まだ生存しているサイは体毛が薄く(もしくは無い)ため、寒冷の地域には生息していません!

具体的に、シロサイとクロサイの特徴を見ていきましょう!

シロサイ

mitzy123によるPixabayからの画像

シロサイと聞くと体が白色なのかと想像しますが、写真を見てもわかる通り、体は白色ではありません。では、どうしてシロサイという名前なのでしょう?

実は口元の形が由来していると言われています。シロサイは、地面に生える草を食べやすいように、幅広い形状の口になっています。現地語で「幅広い」を意味する言葉「wijde」が英語に訳された際に、「white(白い)」と間違えられ、「white rhinoceros(シロサイ)」と名付けられたそうです!そんなこともあるんですね…!

シロサイは、他のサイよりも体が大きく、体長は3〜4m、体重はオスで2,000kg、メスで1,500kgほど。大きく鋭いツノも特徴のひとつです。

クロサイ

Ron PorterによるPixabayからの画像

クロサイという名前も、シロサイと同じく体の色は関係ありません!シロサイが先に名付けられ、その後、区別するために「クロサイ」と名付けられたようです。シロとくれば次はクロ!と、なかなか安易な名付け方でした…!笑

クロサイはシロサイとは異なり、尖った「口」を持っています。少しバクにも似ています。
この尖った口は、木の葉や木の実など、自分より高い位置にある植物を食べるのに適した形状になっています。枝の切れ端が混じったウンチがあったら、それはシロサイではなく、枝や木の実を食べるクロサイのウンチです!

クロサイはシロサイよりも小柄で、体長は3m前後、オスでも体重が1,200kgほどなので、シロサイのメスよりも小さい体をしています。

現在の日本の動物園では上記のシロサイ・クロサイに加えて、インドサイの3種類を見ることが出来ます。

サイ(Rhinoceros)の特徴

1番の特徴は、何といっても皮膚の硬さと厚さ!

サイの皮膚は、世界の哺乳類の中で最も硬いと言われています!ただ、硬いといっても、それがどれほどのものなのか、イメージしづらいですよね…。

なので、まずは皮膚の厚さから説明していきます!サイの皮膚の厚さは、最も分厚い部分で「5cm」と言われています。5cmといえば単3電池の長さくらい。体の表面から余すことなく単3電池が生えていると思うと、なんだか肩が凝ってきます。本当に鎧を着ているようですね。ちなみに、人間の皮膚の厚さは平均して「2mm」と言われているので、サイの皮膚は人間の皮膚の約25倍も分厚い、ということになります!

これだけでも驚きですよね。ただ、皮膚がどんなに分厚くても豆腐のように柔らかければ硬いとは言えません。でも大丈夫!サイの皮膚の硬さは「乾燥したカッチコチのお餅くらい」とも例えられ、肉食動物の牙や爪も簡単には通しません!多少の攻撃を受けたくらいでは、サイからすると、タンスの角で小指をぶつけるようなものなのです。

ちなみに!インドサイやジャワサイは皮膚に特徴があり、シロサイやクロサイの皮膚とは少し異なります。腕や腰、お尻のあたりの皮膚が折りたたむように重なっており、まさしく鎧!といった形状をしています。これが1枚の皮膚として繋がってるなんて、驚きですよね。

Ron PorterによるPixabayからの画像

大きなツノもポイント!

長い個体では1.5mにもなる、サイのツノ。その材質は、骨ではなく「ケラチン」という繊維質でできています!つまり、人間の爪や髪の毛と同じ成分で出来ているのです。

シカやウシなど、ツノを持つ多くの動物は、頭蓋骨にある骨の芯からニョキニョキとツノが生えています。サイのツノは骨ではないので、この芯が存在しません!しかし、分厚い皮膚の奥から生えているため、まず取れることはないし、仮にツノが折れてしまうことがあっても、何事もなかったかのように生え変わります。

また、爪や髪の毛と同じ成分なので、放っておくとズンズンと一生伸び続けます。伸びてくると、木や岩など固いものにツノをこすりつけて形を整えます!人間が美容院にいくのと同じですね。

サイは草食だけど獰猛!

草や葉、木の実などを食べることからも分かるように、サイは草食動物です。「草食動物だから温厚」とイメージするかもしれませんが、獰猛な面も持っています。

サイは縄張り意識が強く、敵とみなした相手には容赦なく攻撃します。しかし、サイは30メートル先も見えないほど視力が悪く、5〜6メートル先でも物を判別できない時があるようです。そんな状態でも敵と見なしたら見境なく突進することがあり、まさに「獰猛」です。
時速50kmの小型トラックに突っ込まれるようなものなので、とっても怖いですよね…。

サイ
UnsplashAjeet Panesarが撮影した写真

絶滅の危機にさらされている?サイ(Rhinoceros)の現状

サイの生息数は、現存する5種類をあわせても27,000頭と数が少なく、IUCNのレッドリストに指定されています。特に、スマトラサイ・ジャワサイの生息数は100頭以下と少なく、生息地も限定されているため、自然災害や病気で一気に絶滅してしまう危険性も指摘されています…。

シロサイ15,942頭
クロサイ6,195頭
スマトラサイ34−47頭
インドサイ4,014頭
ジャワサイ76頭

Save the Rhino Internationalより

まとめ

今回はサイの生態と特徴をお届けしました。肉食動物の牙さえも通さない、サイの皮膚の硬さには驚きでしたね…!2022年のアフリカ旅ではシロサイにも会いました。その時の旅レポもよかったら見てみてくださいね!旅レポはこちらから。

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