ペリネでキツネザルに大接近!インドリの神秘的な鳴き声に包まれる
DAY14

ペリネでキツネザルに大接近!インドリの神秘的な鳴き声に包まれる

マダガスカル

キツネザルづくしの大満足な1日。

今日は、バコナ森林私有保護区にパーク・ボイマ、そしてパルマリウム保護区を巡り、さまざまな種類のキツネザルと会ってきました。念願だったインドリの鳴き声も聞けて大興奮。
今回はマダガスカル旅14日目の前半の出来事をお届けします!一日の出来事をすべてまとめるとかなり長くなってしまうので、パルマリウム保護区の話は別の記事にしています。ぜひ、こちらもチェックしてくださいね!

ペリネロッジで朝ごはん

朝食会場

おはようございます!今日もスケジュールが盛りだくさん。
まずは、ロッジの朝食でしっかりエネルギーをチャージします。とはいえ、お腹の調子がまだ優れず、思うように食べられません。気づけば不調が続いてもう6日目…どうしたものか。

朝食

そんな中、朝食に登場したのが「コールソル」という果物を使ったヨーグルトのようなジュース。スタッフが「胃に優しいから飲んでみて」と勧めてくれたので、一口飲んでみました。たしかにまろやかで胃に優しい!!だけど、正直なところ独特の風味でゴクゴク飲める感じではありません。

食べられる分だけ口にして、朝食会場を後にしました。

ロッジにある朝食会場

ロッジはペリネ特別保護区内にあり、周囲は緑に包まれています。
朝食会場から見える扇形の木が気になっていたので、ラビさんに尋ねると「“旅人の木”だよ」と教えてくれました。その後もいたるところで見かけましたが、とってもユニークな見た目じゃないですか!?

旅人の木

旅人の木は、マダガスカル原産の植物で、英語名は”Traveller’s Palm(旅人のヤシ)”。…ですが、ヤシの仲間ではありません。
名前の由来には諸説あり、雨水をたくさん溜められるため、かつて旅行者が飲み水として利用したという説や、高木になると葉が東西方向に広がり、コンパスのように方角を示してくれるという説などがあります。

旅人の木

実は、この旅人の木、マダガスカル航空の尾翼にもデザインされるほど国を象徴する植物なんだそう!

バコナでキツネザルに大接近!

朝食を終えたら、すぐに荷物をまとめて車で「バコナ森林私有保護区」へ向かいました。

バコナ森林私有保護区

ここはキツネザルが保護されている公園のような場所!園内を囲むように小川が流れており、キツネザルたちが逃げ出さないようになっています。また、小川に橋を架けるとキツネザルが逃げてしまうため橋はなく、入園時はカヌーで川を渡る仕組みです。

霧がかった小川

朝早く訪れたこともあり、小川の周辺には濃い霧が立ち込め、冒険のはじまりのような雰囲気でした。このワクワク感、伝わりますか!?

フォッサのオブジェがありました。全然似てない笑

早く川を渡りたい気持ちを抑えながら、ローカルガイドの到着を待ちます。15分ほどしてガイドさんが現れ、いよいよ手漕ぎカヌーで園内へ!
この保護区にはさまざまな種類のキツネザルが生息しており、小川によって外の世界と隔てられているため、半分動物園のような環境あります。

ここからは、出会ったキツネザルたちを紹介していきます!

①クロシロエリマキキツネザル

最初に出会ったのは、ずっと会いたかったクロシロエリマキキツネザル!

クロシロエリマキキツネザル

細く高い木の上から、私たちを見下ろしていました。
クロシロエリマキキツネザルはその名のとおり、黒い顔に、耳から顎にかけて広がる白い襟巻きのよう毛が特徴的。毛並みもふわふわで、パンダのような愛らしさです。

見るからにふわふわな背中

しばらく観察していると、高い木の上にいたクロシロエリマキキツネザルが木の下の方へ降りてきてくれてました!

体温調整が苦手なキツネザルは、気温が低い早朝の間、木の高いところにいますが、気温が上がってくると下に降りてきてくれるんです。公園についた時は13度でしたが、森の中を散策している間に17度まで上がりました!

クロシロエリマキキツネザルが降りてきた

手を伸ばせば届くほどの高さ。木の枝にぶら下がり、逆さまのポーズをとる姿はまるでアイドルのようです。可愛いだけじゃなくて、ポージングも素晴らしいとは!!

ポージングばっちり

間近で見ると想像よりも大きいです。

②アカエリマキキツネザル

次に出会ったのはアカエリマキキツネザル!全身が赤毛で覆われており、その毛色はまるで『赤毛のアン』のように綺麗です。

アカエリマキキツネザル

顔と尻尾は黒く、頭のてっぺんだけが白い独特なカラーリングは、どこか「ザビエルカット」のようにも見える。ユニークな風貌だなあ〜。

アカエリマキキツネザルは、キツネザルの中でも特に個体数の減少が深刻。ここには、たった一匹しかおらず、とても貴重な存在です!

③ブラウンキツネザル

ブラウンキツネザル

この子は本当によく見かけます。すでにキリンディ森林保護区やイサロ国立公園でたくさんの個体に会いました。マダガスカルで一番会いやすいキツネザルと言えるかも。

キリンディ森林保護区やイサロ国立公園の情報は以下の記事をご覧ください。

④ダイアデムシファカ

ダイアデムシファカ

ダイデアムシファカは、インドリと並び、現存するキツネザルの中で最大級の種です。

グレーの体に鮮やかなオレンジ色の手足。体長は約105cm(うち半分は尾)で、手足が長いため人間のような体格に見えます。地面をジャンプしながら移動する姿は迫力満点!

グレーの体にオレンジ色の手足

この体の大きさに反して、平均体重はわずか6.5kg!丸まったらとってもコンパクトになる。

丸まったらコンパクト

⑤ハイイロジェントルキツネザル

最後は、これまた会いたかったハイイロジェントルキツネザル。つぶらな瞳がほんとに愛らしいです。

ハイイロジェントルキツネザル

ひたすら竹の葉をモグモグ食べていました。ハイイロジェントルキツネザルは主食が竹であることで知られていますが、驚くべきはその生存戦略。

ハイイロジェントルキツネザルは「ジェントルキツネザル属」の一種ですが、この分類の中には竹の茎だけを主食とする「ジェントルキツネザル」や、竹の葉の付け根やタケノコを主食とする「キンイロジェントルキツネザル」がいます。

竹の葉をひたすらモグモグ

そう、生きていくために、種ごとに同じ竹でも食べる部位を変えていったんです。すごい生存戦略ですよね。

こんな感じで、バコナ森林私有保護区ではキツネザルを間近でじっくり観察することができました◎
保護区内は、ローカルガイドの「ダニエル」さんが案内してくれました。

ダニエルさんと記念撮影

マダガスカルでは、本名(とっても長い)とは別にフランスネームを通称として使うのが一般的。ですが、「ダニエル」は英語圏の名前なので不思議に思って聞いてみると、「英語でも伝わる名前のほうが覚えやすいでしょ〜!それにダニエルはフランス名としても使われるんだよ!」とのこと。

なるほど!!そういえば、ここまで一緒に旅してきたガイドのラビさん(56歳)はフランスネームなのに対し、運転手のチャールさん(38歳)は英語名。

もしかしたら年齢によって通称のつけ方に違いがあるのかも。年代が上の人はフランスネームがほとんどだけど、国際化が進むにつれて英語の名前を選ぶ人が増えてきているのかもしれません。

パーク・ボイマで念願のインドリに会えた!!!

パーク・ボイマに到着

次に向かったのは、インドリに会えることで有名な「パーク・ボイマ」。インドリは現存するキツネザルの中で最大の種で、人間以外の哺乳類では唯一リズムをとって鳴くとされています。これは絶対に会って鳴き声を聞きたい。

ここでは、元気いっぱいの女性ガイド、セリーヌさんが案内してくれました!セリーヌは、ゴテゴテのフランス名。有名なパリのファッションブランドのあの「セリーヌ」です。

セリーヌさんと記念撮影

セリーヌさんとともに森の中に入ります。

森に入るきじー

森の入り口では、小さなヒメカメレオンを見せてくれました!最初からウキウキ、ワクワク。

ヒメカメレオン

細い山道を進みながら、セリーヌさんは「これは腹痛に効く薬草だよ」と豆知識を教えてくれたり、葉っぱをかき分けてヤモリを見つけてくれたりと、驚きの連続。

腹痛に効く薬草

葉っぱの裏にしっかり隠れていたのに、すぐに見つけ出してしまうセリーヌさん。さすがです。野生のヤモリが見れて嬉しい。

さらに森の中を進み、しばらく待っていると、ついにインドリが姿を現してくれました!!

インドリ

おお!ミッキーマウスのような丸い耳。現存するキツネザルの中で最大ということもあり、やっぱり大きいです。

姿を見れたのは嬉しいが一番楽しみにしていたのはインドリの鳴き声です。でもなかなか鳴いてくれません。。

ガイドのセリーヌさんが、スピーカーでインドリの鳴き声を流したり、口で動物の鳴き真似をしてインドリの鳴き声を誘ってくれました。これが本当にすごくて、人間が出している声だとは思えなかった。

でもまったく鳴く気配なし。

インドリが鳴いてくれない…

もしかしてもう今日は鳴き終わっちゃたのかなぁ……と諦めかけたその時。ついにインドリが鳴いてくれました!!!

インドリが鳴きはじめた

どうやら、日が出て気温が上がってきたから鳴きはじめたようです。
鳴いていたのは3分ほど。想像以上に大きな声で、私たちの話し声がかき消されてしまうほどでした。

2匹のインドリ

実際の鳴き声は、ポッドキャストでご紹介している(6分37秒〜)のでこちらをチェックしてみてください!

インドリが一斉に鳴き始めた時は、なんだか神聖な雰囲気でした。鳴き声も聞けて大満足になった後は、来た道を戻り、次の保護区「パルマリウム保護区」へ向かいます。

ローカルレストランでお昼ごはん

パルマリウム保護区へ向かう途中、村のローカルレストランでお昼ごはんを食べました。お腹の調子を考えつつ、無難そうなフライドポテトとうなぎを注文。

フライドポテト

まさか、こんな場所でうなぎが食べられるとは!味はなかなか良いんですが、骨が多いのが気になります。

うなぎ

実は、日本のようにうなぎを開いて調理するスタイルは、世界的には珍しいんです。以前ヨーロッパで食べたときもそうでしたが、ここマダガスカルでも、骨を取らずに輪切りにして調理されるのが一般的みたい。
味つけはシンプルで、うなぎ本来の風味は楽しめるんですが、見た目はちょっと…。それに、骨の処理がされていないので、食べるたびに自分で骨を取り除く手間がかかります。

こんな体験をすると、日本のうなぎ文化の奥深さを改めて感じます。
手間ひまかけて開き、蒸してから焼くという独自の調理法。そして、秘伝のタレをまとわせて焼き上げたときの、あの香ばしい匂い!道を歩いていても、思わずお腹が鳴るあの感じ…たまらないですよね。

それだけじゃなく、「う巻き(うなぎ入りの卵焼き)」や「肝吸い」、「肝焼き」といった豊富なバリエーションも日本のうなぎの魅力。
以前、銀座の高級うなぎ店で教わったのですが、うなぎの皮でニラを巻いたり、頭をじっくり蒸して「カブト」として提供したりすることもあるんです。これがまた、とろけるような美味しさ…。

こんなにも食べる人のことをとことん考えて、手間を惜しまず丁寧に作られる日本のうなぎ料理。日本の食に対する情熱って本当にすごいと思う。

…と、つい熱く語ってしまいましたが、このローカルレストランで食べたうなぎも美味しかったです。

露店に並べられた果物

さらに、お店に入る前に露店で買った果物「ポカネール」も、お店の人にカットしてもらって食べました。カットする前のポカネールの大きさは小ぶりのメロンくらい。茶色が混ざった緑色をした皮で、トゲトゲしていました。

中の果肉は白くてすっごく甘い!マンゴーくらいの甘さかな、とってもジューシーです。
ポカネールの糖度は18〜25度と甘く、別名シュガーアップルやカスタードアップルと呼ばれています。

ポカネール

南米の「チェリモヤ」にそっくりと思ったら、近縁種でした。
ポカネールは「バンレイシ」と呼ばれる植物の実で、「チェリモヤ」もバンレイシ科に属する果物です。どおりで似ているわけだ!

食べごろだったこともあり、私たちとしてはポカネールの方がチェリモヤよりも美味しかったです。
それに60円ほどで安い。

食事を終えた後は、車に再び戻ってパルマリウム保護区を目指します。
パルマリウム保護区では、アイアイに会えましたよ〜!詳しくは以下の記事にまとめていますので、あわせてチェックしてみてください!

▼追記(旅を終えてから)

私たちがマダガスカルに行ったのは7月後半〜8月前半の乾季です。雨季は1月〜3月で、気候や道路状況がガラリと変わる地域もあります。ぬかるんで通れない道も出るみたいなので、事前に調べていくと良いと思います!

ポッドキャストでは当日の様子をリアルに語っていますので、よかったらこちらもチェックしてみてくださいね!

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