みなさんは「砂漠ってどんなところ?」と聞かれたら、どのように答えますか?
私たちは、世界の名だたる砂漠をたくさん見てきましたが、その中には誰もが思い描くであろう「砂山の砂漠」とは姿かたちが異なる砂漠もありました。
そこで生まれた「砂漠って一体なんなんだ!」という疑問。今回はそんな砂漠の定義について、わかりやすく解説していきます。
意外な砂漠の定義とは?
砂漠の定義を改めて確認すると…一般的には『年間降雨量が250ミリメートル以下の地域、または降雨量よりも蒸発量の方が多い地域のこと』とされています。
ちょっと意外に思った方も多いのではないでしょうか?それもそのはず。
この定義に当てはめると、地球上の陸地面積の約20%~25%が砂漠ということになります。砂漠と呼べる場所は広大な「砂の大地」だけではないのです。
具体的には、雨がほとんど降らない南極や北極の氷雪地帯、塩湖、なども砂漠と言えます。ここからは、砂漠の種類について詳しく見ていきましょう。
砂漠は6種類ある
砂漠は、構成する物質の特徴から大きく下記の6種類に分けられます。
<砂漠の種類>
1.極地砂漠(きょくちさばく)
2.塩砂漠(きょくちさばく)
3.岩石砂漠(がんせきさばく)
4.礫砂漠(れきさばく)
5.砂砂漠 (すなさばく)
6.土砂漠(つちさばく)
1.極地砂漠(きょくちさばく)
極地砂漠は、南極や北極などの不毛の氷雪地帯のこと。
通常の砂漠に分類されるほど降水量が少ないにもかかわらず、年間気温が低く蒸発量も少ないのが特徴です。極地砂漠の多くは氷床、氷原、氷帽に覆われており、「白い砂漠」とも呼ばれます。
<対象の砂漠>
氷雪砂漠(南極、北極)
ちなみに!世界最大の砂漠は「サハラ砂漠」と言われることが多いですが…面積でいうと1,420万k㎡(日本の約37.5倍!)の「南極の氷雪砂漠」が世界で最も大きい砂漠です!
2.塩砂漠(しおさばく)
塩砂漠は、塩類が集積した砂漠、つまり塩湖のことを指します!
世界で最も暑い場所と言われるアメリカのデスバレーや、ボツワナ北部のカラハリ砂漠に広がるマカディカディ塩湖などが、これに該当します。
<対象の砂漠>
デスバレー(アメリカ)、マカディカディ塩湖(ボツワナ)など
これ以降の砂漠は粒子の大きさで分類されます。まずは粒子が大きい岩石砂漠から!
3.岩石砂漠(がんせきさばく)
岩石砂漠は、岩石や大きな石で覆われている砂漠のこと。まるで地球の風景とは思えないアタカマ砂漠の「月の谷」は、この岩石砂漠に該当します。
<対象の砂漠>
アタカマ砂漠の月の谷(チリ)、フィッシュリバーキャニオン(ナミビア)など
4.礫砂漠(れきさばく)
続いて、岩石砂漠の石よりも小さいもので粒径が2mm以上の石からなる礫砂漠。
意外にも最も多い砂漠の種類で、世界のあちこちで見られます。
5.砂砂漠(すなさばく)
砂砂漠は、粒径が2mm未満の砂からなる砂漠。
細かい粒子で触り心地はサラサラ、なめらか!まるで高級シルクのようなイメージです。
一般的に砂漠と言えば、この砂砂漠ですよね!
しかし、実際には砂漠のほとんどは岩石に覆われた荒涼たる地域で、砂砂漠は全体の20〜30%ほどです。
<対象の砂漠>
ナミブ砂漠(ナミビア)、サハラ砂漠(アフリカ北部) など
6.土砂漠(つちさばく)
土砂漠は、砂砂漠よりもさらに粒子が細かい土や粘土で覆われた砂漠。こうした砂漠の土壌は、植物がほとんど生育しないことから腐植が非常に少なく、塩分が強いという特徴があります。
<対象の砂漠>
黄土高原(中国)
yanakijiが訪れた世界の砂漠
最後に、私たちが訪れた砂漠を4つご紹介します!
1.ナミブ砂漠
ナミブ砂漠は、アフリカ南部のナミビアにあり「世界最古の砂漠」として知られています。
約8000万年前にできたというのだから、その長い歴史には驚かされます…!
yanakijiがナミブ砂漠に出会ったのは、2022年。アプリコットオレンジ色の砂漠に砂の波紋が広がり、夕日がキラキラと反射する景色は、言葉では言い表せないほどの美しさでした。2022年以降違う砂漠も見てきましたが、ナミブ砂漠の美しさは忘れられない。
ちなみに、ナミブ砂漠のアプリコットオレンジ色は、砂に付着した鉄分が酸化することで生まれる色なのだそう。
実際の旅レポはこちらから。
死の沼地デットフレイへ!ナミブ砂漠の地図解説〜真の冒険王はすごかった〜
ポッドキャスト: 有名なナミブ砂漠を練り歩きました。レンタカーはスタックするし、水が足りなくなって熱中症になった。でも世界最古の砂漠は絵画のように美しく、心に刻まれました。 砂漠では汗をかかない。でも水3リットルが必要。 […]
これが砂漠か!砂の脅威も感じるデューン7とフラミンゴラグーン
ポッドキャスト: アフリカ旅31日目はフラミンゴラグーン(Flamingo Lagoon)とDUNE7 2022年6月29日、アフリカ旅31日目。今日は朝プレゼンを終えてからフラミンゴラグーン(Flamingo Lago […]
2.サハラ砂漠
サハラ砂漠は、アフリカ大陸の約3分の1を占める広大な砂漠です。南極と北極の氷雪砂漠に次いで世界で3番目に広く、その面積は910万k㎡!!アメリカ合衆国とほぼ同じ面積です。
私たちは2024年にサハラ砂漠に行ってきました!1番特徴的だったのは広大さです。砂漠がどこまでも続き、終わりが見えないんです。ずーっと砂山が続いています。まるで砂の海にいるような感覚になりました!
またサハラ砂漠はラクダに乗ったりバギーで駆け巡ったりアクティビティが豊富なので、「砂漠を見るだけじゃなく何か体験したい!」という方にはぴったりかも。
3.カラハリ砂漠
ボツワナの国土の70%を占めるカラハリ砂漠!ナミブ砂漠と同様、2022年のアフリカ旅で訪れました。カラハリ砂漠には、「オカバンコ・デルタ」の存在はカラハリ砂漠を語る上で外せない!
オカバンコ・デルタは乾季に現れる湿地帯です。世界最大級の巨大湿地帯です。砂漠地帯にも関わらず、雨季に大量に降った雨がゆっくりと流れ着き、乾季に湿地帯のピークを迎えます。野生動物にとって重要な水場となるため、動物がたくさん集まることでも有名です。「カラハリ砂漠の宝石」とも言われています!
オカバンコ・デルタのロッジにも泊まりましたが、目の前にゾウが広がるとんでもない秘境ぶりでした!
また、カラハリ砂漠にはマカディカディ塩湖もあります。塩で出来た白い平原がどこまでも続いていました。塩湖の近くでは野生のミーアキャットやラクダに遭遇しましたよ。
カラハリ砂漠といっても、水が豊なオカバンコデルタがあったり、乾いた塩の大地のマカディカディ塩湖があったり、場所により全く性質が異なる景色があるのが魅力ですね!
実際の旅レポはこちらから。
360度が絶景!マカディカディ塩湖(Makgadikgadi Pan)で貸切野宿
ポッドキャスト: アフリカ旅17日目はマカディカディ塩湖(Makgadikgadi Pan)で野宿 2022年6月15日、アフリカ旅17日目。今日はボツワナにある世界最大級のマカディカディ塩湖(Makgadikgadi […]
車を牽引してもらい到着…ゾウに囲まれた秘境ロッジ!
ポッドキャスト: アフリカ旅20日目はマウン(Maun)からオカバンコデルタ(Okavango Delta)へ 2022年6月18日、アフリカ旅20日目。今日はマウン(Maun)からオカバンコデルタ(Okavango D […]
4.アタカマ砂漠
アタカマ砂漠は南米のチリにあり、「世界で一番乾いた大地」と言われています。
砂は少なく、岩肌がゴツゴツとしているのが特徴です。
空気が澄んでいる乾燥地帯のため、地球で最も星が綺麗に見える場所としても有名です◎月の谷という名前ですが、なんだか火星に来たような気分になりました!
アタカマ砂漠は、2023年の南米アンデス旅で訪れました。実際の旅レポはこちらから。
まとめ
今回は砂漠の定義についてお届けしました!
2024年秋にはゴビ砂漠を訪れる予定です。これからも多くの砂漠を実際に訪れて、みなさんにご紹介できたらと思いますので、楽しみにしていてください♪
ポッドキャストでもこのテーマについて楽しく語っています。ぜひ、こちらも聞いてみてくださいね!