今回は、モロッコに40年暮らす日本人、森分さんのご自宅にホームステイして学んだモロッコの食文化をご紹介!森分さんの奥様が作ってくださった絶品モロッコ料理の情報を中心に、日本とは異なる食文化の魅力をお届けします。
モロッコの主食はパン!
モロッコは完全なパン文化!日本人がお米を欠かせないのと同じように、モロッコの食卓にはいつもパンが並んでいます。中でも「ホブス」と呼ばれる平たく丸いシンプルなパンは、家庭でも屋台でもレストランでもどこでも見かけるモロッコの定番。
ホブス自体はとてもシンプルな味なので、料理にディップしたり、ジャムを塗ったりして食ベるのが一般的です!
私たちがホームステイしていた森分さんの家では、直径50cmにもなる巨大ホブスがストックされていました。
そんな超ビックサイズにも関わらず、森分さんご夫婦はなんと2人で1日に5枚も食べるのだとか…。私たちはそれぞれ1/4枚でもお腹いっぱいなのに…モロッコ現地人の食べっぷり、恐るべし!!
ちなみに、この巨大ホブスでも1枚あたり20〜30円。とてもお手頃な価格です。
モロッコの家庭料理
朝ごはんの定番(ホブス/ムスンメン)
モロッコの朝ごはんといえば、先ほど紹介した「ホブス」に加え、「ムスンメン」と呼ばれるセモリナ粉で作られたクレープが定番です。クレープといっても甘いというより、少し塩気のある感じです。
ムスンメンは、ジャムやチョコレートソースをつけて食べるのが一般的!生地は日本のクレープよりも厚くて香ばしい感じです。
ムスンメンは、マラケシュのリヤドに泊まった際にも朝食に出てきました!
リヤドの情報は以下の記事でご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
また、主食以外では卵焼きやチーズがよく出てくるのも印象的でした。ただし、モロッコの卵焼きは日本のものとは違ってたっぷりの油で焼いただけで、醤油やケチャップをかけたりはしないみたいです。
ジャムやチーズ、フルーツなど味がしっかりしたものと一緒に食べることが多いから、卵自体はシンプルな仕上がりなのかな。
ミントティー
モロッコの国民的飲み物といえば砂糖たっぷりのミントティー。食事の時はもちろん、おやつの時間や来客時にも登場し、「いつでも飲んでる」と言っても過言じゃないくらい。
通常、このミントティーを注ぐ役目は家長や集団の権威者が担うのだそうです。なので、代わりに注ごうとすると「私の仕事だから取らないで」と怒られちゃうこともあるみたい…。
タジン鍋
タジン鍋はモロッコの人々が日常的に食べている煮込み(蒸し)料理!
具材には肉、野菜、スパイスが使われ、組み合わせによっては無限のバリエーションが楽しめます。
ホームステイ先では、牛肉とプラムのタジンをいただきました!これがめちゃくちゃ美味しい。牛肉の濃厚な旨みとプラムのほのかな甘み、そしてスパイスの風味が絶妙にマッチしてました。
クスクス
北アフリカ発祥のクスクスは、「世界最小のパスタ」としても有名です。
ホームステイ先では、クスクスの上にたっぷりの野菜(かぶ、にんじん、なす)とひよこ豆、さらにその上に鶏肉を丸ごとのせた料理をいただきました。
鶏肉には、モロッコの万能調味料「ハリッサ」がしっかり塗られていて、スパイシーな風味が食欲をそそります。
さらに、鶏肉は旧式のオーブンで焼き上げるので、調理風景も雰囲気があって絵になるんです!まるで魔女の宅急便!!ジブリの世界を見ているようでした。
クスクスと野菜の調理法がとても興味深かったです。
この鍋を使って、野菜とクスクスを同時に調理します。下の大きな鍋では野菜を煮込み、上の平たい鍋ではクスクスを蒸すことができるんです!
煮込まれた野菜の香りが立ち昇り、クスクスにもほんのり野菜の風味がついていました◎
モロッコの伝統料理
羊の干し肉
現地では「カリャー(ケリャ)」と呼ばれている、羊の干し肉を使った卵料理!特別な日に食べる一品です。
調理をする際に出てくる大量の羊の油はとっても臭いのだそう…。ただ、油を上手く加工する技術があるそうで、まったく臭みは感じませんでした!塩味が効いていて美味しかったです◎
パスティラ
パスティラは、フェズの名物料理でモロッコの高級料理のひとつ。直径50cm、厚み5cmほどのサイズでピザよりもはるかに大きい!
表面には粉砂糖とシナモンがかかっているため一見お菓子のようですが、ミートパイです。パイ生地の中には鶏肉(伝統ではハト肉を使う)、玉ねぎとスパイスのソースがたっぷり詰まっています。
それにも関わらず、途中で食べ飽きるなんてことはなく、一口ごとに旨みが口いっぱいに広がります。
ほんっとうに美味しくて、食べる手が止まらなかったです。
ちなみに、マラケシュの屋台でもパスティラを食べましたが、森分さん家でいただいたものとは全くの別モノで固くてあまり美味しくなかったです…。
可能な限り、高級レストランや現地の方がつくるパスティラを味わっていただきたいです!
パスティラは最高に美味しかったので別の記事でもう少し詳しくご紹介します!お楽しみに!
特徴①料理は素手でつかんで食べる
モロッコでは、料理は素手でつかんで食べるのが一般的。
大皿料理の取り分けでスプーンを使うことはありますが、基本的には手を使います。
ただ、素手といっても食べるときに使うのは右手だけ。イスラムでは右手は「聖浄なる手」左手は「不浄の手」とされており、食事や握手などの際には右手を使うのがマナーです。
タジン鍋のようなアツアツ料理の時は、直接触れないのでホブスで挟んで食べます。私たちも見よう見まねで挑戦。手で食べるとより一層美味しく感じますが、具材が熱くて食べにくいのがちょっぴりツライ…。
食べ終わったら家主が手洗い用の水を持ってきてくれるので、順番に手を洗うのがルールです◎
ホームステイ先の奥様は手の洗い方がとてもなめらかで優雅…うっとり見惚れてしまうほど美しい動きでした…!
特徴②キッチンには可愛い鍋や食器がたくさん
鮮やかなカラーとエキゾチックなデザインが魅力のモロッコ雑貨。やっぱり家のキッチンにも目をひく可愛いアイテムがたくさんあります♪
とんがり帽子が特徴的なタジン鍋は、どの家庭にもひとつはあるようです!
こんな不思議なカップ&トレイもありました。鮮やかなグリーンがとっても綺麗。
冷蔵庫のマグネットもカラフルで可愛い…。
可愛いアイテムに囲まれたキッチンだと、料理をするのが楽しくなりそうです♪
特徴③モロッコ料理はハイカロリー
モロッコ旅では美味しい料理をたくさん食べましたが、その多くが意外にもハイカロリーでした…!
日本では「タジン鍋=ヘルシーで栄養豊富」というイメージがありますが、実際はそうではありません。タジン鍋の具材はお肉がメイン、さらにはチーズが乗っているのでかなりのカロリーです。タジン鍋を食べ終わったあとの鍋を見ると、底にはたっぷりの油がついていました。
とっても美味しいモロッコ料理ですが、毎日食べるのは日本人の胃には少し重いかもしれません。
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今回はホームステイで学んだモロッコの食文化についてお届けしました!
ポッドキャストでもこのテーマについて楽しく語っているので、よかったら聞いてみてください!