ピスコとは?
ポッドキャスト:
ピスコについて語り合えるとより楽しく過ごせるかなぁと思いましたので記事にしました。
ドングリFMの鳴海さんと話している時に思いました。
ピスコが好きな人にとって『ピスコとは?』は『酒の肴』なんだろうと思う。
興味深いピスコというお酒について
名探偵コナンに『ピスコ』という黒ずくめの組織メンバーがいました。彼は重要人物だったけど、それは過去のことで耄碌(もうろく)した老いぼれ扱いで消えていきました。もし彼が生前に発言していたらコナンや灰原はジンにやられていたでしょう。
私は名前しか覚えていませんでしたが、皆さんはどうですか?
これから紹介する、お酒界のピスコはそんな過去のお酒ではありません。
今年もっとも日本で流行った未来あるお酒かもしれませんし、由緒正しいお酒だからこそこれからもっと有名になるかもしれません。
そんなピスコ酒は逸話も面白いから、ぜひ、リラックスしてピスコを片手に読んでくれたら嬉しいし、僕が作ったピスコサワーを飲みながら読んでくれたらもっと嬉しい。
ピスコの定義について
2018年に設立された日本ピスコ協会(※)によると、『ピスコはペルーの一部で生産される無色透明のぶどうの蒸留酒で、樽熟成する「ブランデー」とは異なり、より爽やかでぶどうの個性や風味を楽しめるお酒です。』とのこと。
※ペルー料理の評価が世界的に高まるにつれて、ピスコの人気も日本で高まり、ピスコの知名度もあがったため正しく伝えたいということで日本ピスコ協会が発足されたようです。
シャンパンがシャンパーニュ地方のものではないとシャンパンと名乗れないように、ペルーの特定の地域が原産地でないものは、ピスコと呼ばれないということみたい。
実は、ピスコは『ペルー発祥の説』と『チリ発祥の説』があって、両国ともピスコを国酒(国のお酒)として定めていて、発祥の地で争っているようだ。まあワインもそうだけど、原産国争いはどこでもあるけど、ワインは原産国関係なくワインと名乗れるもんね。
原産国の発祥地争いの話は奥が深く面白いので下記で改めて説明したい。
▶︎なぜピスコという名前?ペルー対チリのピスコの原産国の争いは戦争が関係している!?(執筆中)
彼らの本気度がわかるのが、ペルーもチリもピスコの作り方を法律で定めていることです。
『えっ法律!?』と思いますよね、すごい力のいれようだ。
そこまで両国ともこだわっているからか、世界はどちらでもいいと思っているからなのか、アメリカ、フランス、イタリアなどの欧州連合は、ペルー国産もチリ国産もピスコと名称することを認めている。
チリもピスコには力をいれているから、過去に日本の酒造メーカーがペルーのピスコを使ったカクテルを販売し、「ピスコはペルー生まれ」という説明書きをしたらチリ政府から抗議されたというエピソードもあったりしたらしい。
yanakiji的には、チリからペルーの国境を車で超えてますから、あの辺りで生まれたお酒ということが知れたことは帰国後のエピソードとしては嬉しいです。
国境沿いに興味ある方は下記の話をどうぞ。
DAY16:チリからペルーへ陸路で国境越え!激混&難易度MAXで4時間もかかる
ピスコは具体的にどんなお酒?
ピスコはぶどうの蒸留酒と説明したけど、イメージつきますか?
蒸留酒とはウィスキーやウォッカやジン、日本だと泡盛とか焼酎も。蒸留酒はアルコール度数が高く、ピスコも40度を超えるものも多い。写真のお酒もアルコール度数が44度と記載されています。
葡萄がふんだんに使われているのも特徴です。ピスコは一つの瓶(びん)で葡萄を8キロ以上使う酒造元があるくらい、葡萄をギュッと凝縮しています。
写真はワインボトルのような瓶ですが、瓶の形状は色々あります。ペルー産はどれも中身は無色透明です。(チリ産はウィスキーのような色合い)
また、写真はTACAMAというペルー大使館の公式行事でも使われる酒造メーカーのピスコですが、ピスコの酒造メーカーはペルー国内でも500社以上もあるとのことです。様々なピスコ飲みきれないかもしれないですが、あるもの全て飲んでみたくなってます。
やなぎーがPodcastで言ってますが、ピスコは混ぜずに一度飲んでみていただきたいです。上質な干し葡萄のような香りが高く、ぶどうが凝縮されているのがわかると思います。
ほら、もう原液で飲みたくなってきましたよね!
飲むとこんな顔しちゃうと思います。
ピスコで認められている葡萄は8種類あり、その使い方でピスコの種類(カテゴリ)は4つに分かれます。まずは、その葡萄を2種以上をブレンドしたもの、1種のみのもの、という2カテゴリがあることを覚えましょう。まだ分けられますが、それはまた今度。(私もピスコの勉強中なので、色々なピスコを飲んでみたいなと思います。)
写真のピスコは5種類の葡萄がブレンドされたピスコです。私がこれを選んだ理由はピスコサワーとピスコカクテルに最適だと書いてあったからです。
結果は間違っていなかったと思います。原液も美味しいのですが、ピスコサワーにすると『あぁこれが完成型なんだな』と思いました。最初はあまり自信がなかったのですが、ポッドキャストの映像をみてお分かりのように自分でもビックリしました。
このピスコを使って、今後も色々なカクテルにチャレンジしたいなと思います。
▼うまくビデオの映像が見れない方は下記をどうぞ。
https://youtu.be/6vnuK3Z39pU
ピスコの歴史について
ピスコは16世紀に生まれたお酒。このブログやPodcastで何度も出てきていますが、この時代はインカ帝国がスペインに侵略されて植民地化された時期です。
私はスペイン人がインカ帝国(=アンデス文明)を滅ぼした歴史は、あまり好きじゃありません。第五の文明と言われたアンデス文明のコアの部分は今も謎が多くなってしまったし、貴重なものを消し去ることが多く文化から学ぶことがなかったからです。その熱い思いをここで語ってます。
でも、スペインが侵略したことで結果的に良くなったことが2つあります。
1つ目は世界中にアンデスの食料が広まったことです。
アンデス文明は栽培技術に優れていて4000mの高地に住んでいても、食べるものに困っている人はいなかったと言われています。
食文化も豊富でアンデス起源のトウガラシ、トマト、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、トウモロコシ、インゲンマメ、ピーナッツ、キヌアなど、日本でお馴染みのものが沢山あります。それらはスペインが侵略した結果、スペインが自国に持ち帰ったことで世界に広まりました。やなぎーが大好きなポテトフライ(17世紀にベルギーが開発した)もペペロンチーノもトマトパスタも16世紀以前はなかったのです。16世紀にスペイン侵略がなければ、世界での料理開発は遅れていたかもしれません。
2つ目はピスコというお酒ができたからです。
スペイン人はワインが大好きですし、キリスト教徒です。イエスはパンが肉でワインが血だと言いました。だからワインは必需品でした。
スペイン侵略後の故インカ帝国(今のペルー、チリ、ボリビアなど)に移住していく人たちが葡萄を持ち込み育て、ワインを造っていったのは必然でした。
育てるのがうまいだけでなく、植物を育てる上での気候も優れていた故インカ帝国の土地です。その後は良質なブドウが沢山取れ良質なワインが作られることになります。
やがて、スペインにもその良質なワインが広まりました。植民地で造ったワインですから、人件費も安いはずですし、ブランドなんか必要なく低価格で販売できたのでしょう。
この後大きな問題が起こります。
低価格でスペインのワインよりも美味しいと世間で広まり、スペインのワインを買う人がいなくなっていきました。そうなるとスペインのワイン産業やスペインのワイン酒造元は困ります。
そこで故インカ帝国の土地からワインを禁輸するだけでなく、ワイン造りを中止させました。笑っちゃうほど勝手ですよね。
でも、この勝手がピスコというお酒が生まれるきっかけになるんです。
そう、ぶどうが大量に余る、これをどうすればいいか?
ぶどうを沢山消費できる蒸留酒にすればいい。そう。ピスコの誕生です。
だからピスコには1瓶で8Kg以上の大量のぶどうを使ったものがあるのも必然なんでしょうね。
ピスコがスペイン侵略とワイン禁輸から生まれたと考えると歴史は不思議ですし、人がなにかのストレスに負けずに工夫して作られたものは、逞しく素晴らしいものが多いなと思います。
だから美味しいんだな。
僕らが美味しそうにピスコを飲んでいる様子は、ぜひ、中段で紹介したビデオポッドキャストを見て欲しい。
▼うまくビデオの映像が見れない方は下記をどうぞ。
https://youtu.be/6vnuK3Z39pU
11月10日、11月17日、12月22日で池袋でピスコサワーを僕が作っていますので、ぜひ遊びにきてください。
詳細は下記。
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きじー:
三軒茶屋DUNEというBarで4年間くらいDJをしていました。
今一番好きなカクテルは自分で作ったピスコサワーですが、それまではロングアイランド・アイスティー。昔から甘いカクテルが好きなのかもしれない。
ピスコ酒がマイブームになっていますので、まだまだ語り足りないです。
他にも記事を書いてますので、ぜひ、ご覧ください!
▶︎ピスコサワーは今まで飲んだお酒で一番美味いカクテル?!
▶︎なぜピスコという名前?ペルー対チリのピスコの原産国の争いは戦争が関係している!?(執筆中)
▶︎ピスコサワーの作り方(執筆中)