南オーストラリア州から西オーストラリア州へ、早朝の検問を越える
この日は、オーストラリア旅の中でも間違いなく一番の移動日。
走行距離は約1100km、時間にして12時間という、なかなかのハードスケジュールでした。
スタートは朝4時。南オーストラリア州から西オーストラリア州へ入る検問を越えるところから始まります。この検問、実はかなり厳しいことで有名らしい。

調べてみると、西オーストラリア州は日本の約7倍という広さを持つ巨大な州で、農業がとても盛ん。そのため病害虫やウイルスの侵入を防ぐため、バイオセキュリティと呼ばれる生物防疫がかなり厳格に運用されています。
生野菜や肉類は基本的に持ち込み不可という情報もあり、私たちは事前にかなり対策しました。卵はすべてゆで卵にして、生鮮食品は極力減らして。
前日には、念のため検問所の近くまで歩いて様子を見に行ったほど。スーツケースや車内を細かくチェックしている様子を見て、これは時間かかりそうだな…と身構えていたのですが、結果的には拍子抜けするほどあっさり通過。早朝だったこともあってか、無事にクリアできてひと安心でした。これは正直、かなり運がよかったと思います。
霧の朝に現れた、真っ白な砂浜と朝日
この日は本当は星を撮りたくて、かなり気合いを入れて4時に起きました。
でも問題は天気。霧がどんどん濃くなっていき、途中で少し雨まで降り出して「これはもうダメかも…」という空気に。
星は諦めて、せめて朝日だけでも海岸で見られたらいいね、ということで、車の中で仮眠しながら空の様子をうかがっていました。すると不思議なことに、少しずつ霧が晴れ始めて、空が明るくなってきたんです。
これはいけるかも、と思って海岸沿いをさまよっていたら、白っぽい砂浜にたどり着きました。
結果的に、ここが大正解。真っ白な砂丘が広がっていて、朝日が当たると砂の波紋がキラキラと光って、とても神秘的でした。

エジプトの白砂漠とはまた違う。こちらは石灰岩ではなく、ちゃんと白い砂の砂丘。
変わった形の多肉植物もあちこちに生えていて、オーストラリアらしい不思議な景色でした。星は見られなかったけど、思いがけず最高の朝日に出会えてました。
世界屈指の直線道路、90マイル・ストレートを走る
朝の砂浜でひと息ついたあとは、ひたすらドライブ。この日、個人的に楽しみにしていたのが「90マイル・ストレート」でした。
90マイル・ストレートは、その名の通り約90マイル、つまり約146.6kmをほぼ一度も曲がらずに走り続ける、オーストラリアでも有名な直線道路。ロードトリップ好きとしては、一度は走ってみたい場所です。

ただ、正直な感想を言うと、あっという間でした。もう半分?え、もう終わり?と、距離感が完全にバグっていた気がします。一般的には、同じ景色が延々と続いて眠くなるとか、GPSを見てまだこんな距離しか進んでないのかと驚くとか、いろんな感想があるみたいですが、ここ数日ずっと長距離移動をしていた私たちにとっては、146kmが短く感じてしまいました。
始まりと終わりにはちゃんと看板があって、そこが記念撮影スポット。車と一緒に写真を撮ったり、同じく写真を撮りたそうにしていた旅人のお兄さんを撮ってあげたり。こういう何気ないやり取りも、車旅ならではの楽しさだなと思います。
ここでお昼休憩を挟みましたが、宿まではまだ残り600km。数字を見ただけで気が遠くなります。

夜道の緊張と、ホープタウンの小さな宿
午後からの運転で一番きつかったのは、やっぱり夕方以降。西日の時間帯は視界が悪くなるし、日が沈むと野生動物が出てくる確率が一気に上がります。実際、夜道では動物と遭遇する場面もあって、本当に気が抜けませんでした。引いてしまいそうになるあの感覚、何度経験しても慣れないですね…。
そんな緊張感の中、夜9時を回ってようやくホープタウンの宿に到着。肩はガチガチで、まだ着かないの?と何度思ったかわかりません。

部屋に入って、レトルトカレーとさとうのご飯、ゆで卵というシンプルな夕飯。カーペットの上で食べたそのカレーが、人生で一番おいしいんじゃないかと思うくらい染みました。日本にいたら、普通のレトルトカレーなのに、不思議なものです。

そしてこの日のMVPは、間違いなくコロ助。夜道の運転で空気が張りつめていた車内で、ふと流した「はじめてのチュウ」。最初の一音から空気が一気にやわらいで、あの独特の笑い声に全員が救われました。かわいさって、ここまで人を回復させるんだなと実感した瞬間です。
こうして、オーストラリア旅最大の移動日は無事終了。長くて大変だったけど、振り返ると忘れられない一日になりました。
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