半年間プールで泳いだのに…久々のダイビングで過呼吸になった理由

半年間プールで泳いだのに…久々のダイビングで過呼吸になった理由

パラオ旅行記

半年間プールで泳ぎ続けたことで生まれた思わぬ不安

今回のパラオ旅行の一番の目的はダイビングでした。

ただ、ダイビング自体は約半年ぶり。その間は週に1回ほどジムのプールへ通い、泳ぐ習慣を続けていました。

出発の1週間ほど前にも、夜のジムのプールへ。

遅い時間だったこともあり、プールはまさかの貸し切り状態でした。

水面は静まり返り、聞こえるのは自分が泳ぐ音だけ。
その静けさが、不思議とダイビングを思い出させます。

25mを何本か泳ぎながら、ふと考えました。

そういえばダイビングって、潜るときは自分で息を吐きながら沈んでいくんだったな。
そんな基本的な感覚さえ、忘れていることに気がつきました。

それに、中性浮力の感覚もどうしても思い出せない。プールは足が着く浅さなので、水中で浮力をコントロールする練習はしたくてもできない。

そして、そのとき気づいたことがありました。

それは、水に慣れたのではなく、プールという環境に慣れすぎてしまったのではないかということです。

静かな水面。
波も流れもない環境。
決まった深さ。

半年間ずっとプールでのみで泳いでいたから、水=プールになってたんだと思います。

だからこそ、「海に戻ったとき、本当に大丈夫だろうか?」という漠然とした不安が残っていました。

久しぶりのダイビング当日

そして迎えたパラオでのダイビング当日。半年ぶりのダイビングです。

ウェットスーツを着込み、重たいタンクを背負って、いよいよ海へ飛び込みます。

半年ぶりということもあり、最初はロープを使って海底まで潜降することになりました。

ダイバーならごく基本的でとっても簡単な潜り方です。
本来なら難しいことではありません。

ところが、実際にやってみると全然違いました。
重たい機材を背負った体は波に揺られ、流れにも押されます。

ロープをつかんでいるのに、思うように体が近づいていきません。

「あれ……こんな簡単なことなはずなのにうまくできない?」

その瞬間から焦りが生まれました。
そして改めて気づきます。

海って、こんなに体を揺らすんだ。

半年間泳ぎ続けた水は、海ではありませんでした。

プールと海は、同じ水でもまったく別の世界だったのです。

なんとか海底へ到着したものの、不安はまだ残っていました。

マスクには少しずつ水が入り、気になってしまいます。

本当はもう少し落ち着きたかったのですが、周りがOKサインを出していたこともあり、自分も大丈夫だと言い聞かせて泳ぎ始めました。

パラオらしい絶景に感動。でも心と体は少しずつ余裕を失う

泳ぎ始めると、少しずつ感覚が戻ってきました。

そうだ。
ダイビングって、こんなふうにゆっくり口で呼吸するんだった。

「焦らない、落ち着こう」

そう何度も自分に言い聞かせながら泳いでいました。

すると突然、目の前に大きなマンタが現れます。

パラオといえばマンタ。

その代表的な景色に、まさか1本目から出会えるとは思ってもいませんでした。

しかも、人懐っこいのか、目の前までゆっくり近づいてきてくれます。

その後は魚の大群も次々に現れました。

さすが世界屈指のダイビングスポット。
魚影の濃さは想像以上です。

興奮はどんどん高まっていきました。

ただ、その頃には少しずつ異変も感じ始めていました。

体がかなり冷えてきたのです。

寒さと興奮。

その両方が重なり、心も体も少しずつ余裕を失っていたのかもしれません。

海底で突然呼吸が乱れ軽い過呼吸に

その後、ダイブマスターから「海底で待機しよう」という合図が出ました。

次に何か大きな魚が現れるかもしれないので、その場で待機する時間です。

きじーとダイブマスターは、何事もなく海底で待機していました。

ところが、自分だけ突然強い不安に襲われました。なぜここで不安にかられたのかは今でもわからないけど、体の冷えと興奮に追いつかなかったのが原因かと振り返っています。

そして、どんどん不安が募っていき、
「呼吸の仕方がわからない。」

こんな感覚になったのは初めてでした。

呼吸はどんどん速くなり、今振り返ると軽い過呼吸のような状態だったと思います。

助けを呼ぼうとも考えました。
きじーとダイブマスターまで少し距離がありました。

(ハンドサインは十分見える近距離さでしたが、なぜだか助けを求めることを躊躇してしまった)

実は潜る前、緊張している様子を見たダイブマスターが、岩につかまりやすい安全な場所へ案内してくれていたのです。

だから少し離れた位置で待機していました。

「苦しい。」
「レギュレーターを外して普通に呼吸したい。」

そんな危険な考えが頭をよぎったのは、このときが初めてです。

もちろん、水中でレギュレーターを外すことは絶対にできません。

さらに、焦って急浮上すれば減圧症など重大な事故につながる危険もあります。

だから、とにかく落ち着くしかありませんでした。

そこで意識したのは、信じられないくらい深く息を吸うこと。

「ここにはちゃんと空気がある。」
「だから大丈夫。」

そう何度も自分に言い聞かせながら、深く吸って、ゆっくり吐く。

それだけを繰り返しました。

すると少しずつ呼吸が整い、落ち着きを取り戻すことができました。

今振り返ると、あの時間は技術の問題というより、メンタルとの戦いだったように思います。

海はプールとはまったく違う環境です。

どれだけ泳ぎに慣れていても、海でしか思い出せない感覚があります。

今回の経験で、その違いを身をもって実感しました。

だからこそ、久しぶりにダイビングをする方は、最初の一本は焦らず、心と体が海に慣れる時間を十分につくることをおすすめします。

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